北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】東福寺,円爾さんこと聖一国師円爾と臨済宗黄龍派印可受けた明菴栄西さんの禅宗とお茶文化

2023-12-20 20:00:03 | 写真
■禅宗とお茶の文化
 大陸での臨済宗はそのはじまりが禅宗は拳で語るという様な何というかバイオレンスでした。

 東福寺の臨済宗、臨済義玄さんに黄檗希運さんと大愚和尚さん、黄檗三打、といいまして悟りを得るまでの説話といいますか、紹介されているのですが、三打とは三回打ったのではなく数十発の応酬が三度繰り返され、漸く悟りに至った、なんていう説話に驚く。

 少林寺拳法というかバイオレンス漫画というか、個人的に暴力は指導力不足故に生じる隔靴掻痒の暴力的表現なのだと思うところですから、2020年代の今の視点から見れば、この寺院にGMLRSのM-31ロケット弾をHIMARSから撃ち込んではとさえ感じるもの。

 歴史はこう記録されているので、仏教の事についてお寺でお坊さんに尋ねる際には、相手が棒で討とうとした際に備えてカメラの一脚を準備しておくか、堅い事にだけ定評のあるG&GのFNCでも用意するべきか、と迷ってしまう事もあるでしょう。日本では不要だ。

 唐の時代の事ですから、と考えるとなるほどと納得するほかないのかもしれないのですけれどもね。しかし、幸いといいますか、臨済さんだけで黄檗さんから最初の三回で90発棒で殴られている訳で、日本の臨済宗がこういう暴力とともに伝来しなくてよかった。

 臨済宗の東福寺は、臨済さんの、悟りを開くとは悟ることが目的なのだから知識量を求められるものではない、これは文章化できる知識のようなものではなく感覚的であり事名に寄らないもの、これを対話と坐禅などから導いてゆくという観念で日本へ伝わる。

 東福寺は、こうした経緯とともに日本へ伝わった禅宗臨済宗の一つで、しかしこのころ禅宗は先んじて栄西さん、明菴栄西が大陸にて臨済宗黄龍派の嗣法の印可を受け、日本へ入っていました。弟子に退耕行勇という高僧がいまして、その弟子に円爾という僧侶が。

 嘉禎2年こと西暦1236年に摂政の九条道家が九条家菩提寺を造営するべく、釈迦如来像の堂宇を創り始めましたのが、この東福寺の始まり。九条道家は開山に円爾、この日とは静岡県でお茶を日本に定着させた人として尊敬されている方ですが、円爾を招いた。

 栄西さんが臨済宗を日本に伝えた際にもお茶の文化を日本に定着させる尽力がありましたが、この円爾さんもお茶の文化の定着に尽力しまして、特に円爾さんは今の静岡県出身ということもありまして、お茶の里静岡では大変尊敬されているのだといいます。

 茶の文化は一応奈良時代に日本へ来て入るのですが、定着しなかったという。もっとも、天平時代の天然痘蔓延などは生水をいったん煮沸して茶の湯とする文化が定着していましたならば、あんなに日本滅亡直前まで追い詰められなかったともおもうのですがね。

 円爾さん、大陸帰り間もない頃です。この頃はなにしろ禅宗といえば武士が珍重するものの禅宗とは何かがわかりにくかった時代、それこそ僧侶は中国に行けば帰国後出世できるという思い込みで玉石混交の宋渡りが横行していた時代、真面目に大陸で研究を重ねた。

 聖一国師円爾、実はもともと九州は博多に禅宗の承天寺を造営していましたが、ここが天台宗門徒の総攻撃を受けて焼失していた時代、九条道家に招かれる形で上京した、という歴史が。ただ焼き討ちの歴史がありましたので、天台真言禅宗三宗兼学寺院となる。

 天台真言禅宗三宗兼学寺院として造営されることとなりましたが、最初から釈迦如来像を15mの規模で彫像するという九条家の方針により工事は30年に及ぶこととなり、法堂落成は文永10年こと1273年までずれ込み、そしてその後も造営は続くのでした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【G3X撮影速報】百里基地航空... | トップ | 【京都幕間旅情】東福寺,伽藍... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

写真」カテゴリの最新記事