■第73戦車連隊即応機動連隊化
本年末に画定されるという新防衛大綱、その視座として現在進められている戦車300両体制の実現性を検証してみましょう。
戦車定数300両体制への転換、防衛計画の大綱に盛り込まれた陸上自衛隊の戦車定数ですが、300両という最盛期の第7師団定数と同数まで削減しつつ、しかし、同じく防衛大綱には機甲師団を維持するとあり、果たしてどのようにして300両枠内に機甲師団を維持しつつ、北部方面隊や西部方面隊に戦車部隊を維持するのか、その去就が注目されていました。
第7師団が即応機動師団へ改編される。当方が気づかされたのは機甲師団である第7師団も機動戦闘車を装備する即応機動師団へ改編される、という部分です。具体的には防衛大綱の別表に機甲師団、という明示はありますので、もちろん第7師団以外の師団が機甲師団へ改編される可能性は、運用基盤移動という手間を考えれば部隊配置上考えられません。
戦車定数を300両に抑える一方で機甲師団を維持する枠組みがあるはずです。第7師団は戦車連隊の中隊数を縮小する、という選択肢もあるのでしょうが、とにかく戦車定数が300両となれば、最盛期の第7師団戦車定数が286両なのですから、自衛隊の戦車は第7師団一個の最盛期の規模まで全自衛隊で縮小します、小手先の縮小では達成できる数ではない。
第71戦車連隊か第73戦車連隊が即応機動連隊へ改編されるのではないか、戦車連隊は5個戦車中隊を基幹としていまして、戦車定数は戦車中隊所要が65両、ここに連隊本部所要を加えます。第7師団の戦車定数は200両、とされていますが、例えば第73即応機動連隊、として90式戦車を全廃し16式機動戦闘車と96式装輪装甲車に置き換えるならばどうか。
師団の戦車連隊が2個と即応機動連隊とするならば、第73戦車連隊の定数はそのまま機動戦闘車に置換えられ即応機動連隊に90式戦車の任務を16式機動戦闘車に置換える事で、師団全体での戦車定数は140両程度に抑えられることとなります。かなり縮小した印象ですが全国の師団に戦車が消え西部方面隊は方面隊から戦車を充当でも14両ですから違う。
第7偵察隊、更に戦車を縮小するならばこの改編も。機甲師団である第7師団は偵察隊についても威力偵察を行うべく90式戦車を装備しています。しかし、この第7偵察隊を第7戦闘偵察大隊へ改編するならば、概ね10両程度が配備されています90式戦車を16式機動戦闘車へ置き換えることができるでしょう、こうしますと戦車定数は130両となります。
87式偵察警戒車だけの師団偵察隊や旅団偵察隊では威力偵察は出来ません、敵の前衛が戦車を配置し待ち構えていれば87式偵察警戒車は斥候として反撃を受けるまでの任務しか対応できません、前衛を突破し敵主陣地の状況を解明するには戦車が必要です。しかし、16式機動戦闘車であれば防御力は薄弱ですが打撃力では威力偵察が一応できる水準でしょう。
戦車300両時代においても170両、第7師団の第73戦車連隊を第73即応機動連隊へ改編し第7偵察隊を第7戦闘偵察大隊に改編する事で戦車は70両の余裕が生じますので、陸上自衛隊全体で教育所要を除いても170両の戦車の枠、5個戦車大隊程度の戦車定数が残ることとなる訳ですね。170両の枠があれば北方から他の戦車を排し西方に機甲師団を創れそう。
西部方面隊の第4機甲師団というのは冗談としまして、陸上自衛隊全体で機甲師団に過度な集中を行う事は戦車の運用と普通科や特科との協同という意味からも良い選択ではありません、戦車と部隊の連携を演練できるのは機甲師団だけとなってしまいます。ここで第7師団の戦車を縮小したならば、陸上自衛隊全体の戦車部隊配置に均衡が採れる訳ですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補足-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
本年末に画定されるという新防衛大綱、その視座として現在進められている戦車300両体制の実現性を検証してみましょう。
戦車定数300両体制への転換、防衛計画の大綱に盛り込まれた陸上自衛隊の戦車定数ですが、300両という最盛期の第7師団定数と同数まで削減しつつ、しかし、同じく防衛大綱には機甲師団を維持するとあり、果たしてどのようにして300両枠内に機甲師団を維持しつつ、北部方面隊や西部方面隊に戦車部隊を維持するのか、その去就が注目されていました。
第7師団が即応機動師団へ改編される。当方が気づかされたのは機甲師団である第7師団も機動戦闘車を装備する即応機動師団へ改編される、という部分です。具体的には防衛大綱の別表に機甲師団、という明示はありますので、もちろん第7師団以外の師団が機甲師団へ改編される可能性は、運用基盤移動という手間を考えれば部隊配置上考えられません。
戦車定数を300両に抑える一方で機甲師団を維持する枠組みがあるはずです。第7師団は戦車連隊の中隊数を縮小する、という選択肢もあるのでしょうが、とにかく戦車定数が300両となれば、最盛期の第7師団戦車定数が286両なのですから、自衛隊の戦車は第7師団一個の最盛期の規模まで全自衛隊で縮小します、小手先の縮小では達成できる数ではない。
第71戦車連隊か第73戦車連隊が即応機動連隊へ改編されるのではないか、戦車連隊は5個戦車中隊を基幹としていまして、戦車定数は戦車中隊所要が65両、ここに連隊本部所要を加えます。第7師団の戦車定数は200両、とされていますが、例えば第73即応機動連隊、として90式戦車を全廃し16式機動戦闘車と96式装輪装甲車に置き換えるならばどうか。
師団の戦車連隊が2個と即応機動連隊とするならば、第73戦車連隊の定数はそのまま機動戦闘車に置換えられ即応機動連隊に90式戦車の任務を16式機動戦闘車に置換える事で、師団全体での戦車定数は140両程度に抑えられることとなります。かなり縮小した印象ですが全国の師団に戦車が消え西部方面隊は方面隊から戦車を充当でも14両ですから違う。
第7偵察隊、更に戦車を縮小するならばこの改編も。機甲師団である第7師団は偵察隊についても威力偵察を行うべく90式戦車を装備しています。しかし、この第7偵察隊を第7戦闘偵察大隊へ改編するならば、概ね10両程度が配備されています90式戦車を16式機動戦闘車へ置き換えることができるでしょう、こうしますと戦車定数は130両となります。
87式偵察警戒車だけの師団偵察隊や旅団偵察隊では威力偵察は出来ません、敵の前衛が戦車を配置し待ち構えていれば87式偵察警戒車は斥候として反撃を受けるまでの任務しか対応できません、前衛を突破し敵主陣地の状況を解明するには戦車が必要です。しかし、16式機動戦闘車であれば防御力は薄弱ですが打撃力では威力偵察が一応できる水準でしょう。
戦車300両時代においても170両、第7師団の第73戦車連隊を第73即応機動連隊へ改編し第7偵察隊を第7戦闘偵察大隊に改編する事で戦車は70両の余裕が生じますので、陸上自衛隊全体で教育所要を除いても170両の戦車の枠、5個戦車大隊程度の戦車定数が残ることとなる訳ですね。170両の枠があれば北方から他の戦車を排し西方に機甲師団を創れそう。
西部方面隊の第4機甲師団というのは冗談としまして、陸上自衛隊全体で機甲師団に過度な集中を行う事は戦車の運用と普通科や特科との協同という意味からも良い選択ではありません、戦車と部隊の連携を演練できるのは機甲師団だけとなってしまいます。ここで第7師団の戦車を縮小したならば、陸上自衛隊全体の戦車部隊配置に均衡が採れる訳ですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補足-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
しかし、この人員はどこから確保するのでしょうか?第11普通科連隊を6個小銃中隊基幹(3こ戦車連隊の支援)から4個小銃中隊基幹(2こ戦車連隊の支援)に削減する?
また、そもそも論ですが、このような小さな戦車部隊が、「機甲師団」と名乗ることは、世界から見ても、日本国内でもとても恥ずかしいことで、やめるべきと思います。大隊規模の部隊を「師団」、旅団司令を大将と称しているような、どこぞの反乱軍のようです。
「第7機甲旅団」あるいは、戦車部隊の比率が低いので「機械化旅団」ではないでしょうか?
・二個戦車連隊(実質大隊)
・一個普通科連隊(世界的には「半個連隊」or「1.5個大隊」)
・一個機動連隊(実質大隊)
の4単位旅団。実員6000名程度。
あるいは、機動連隊を別枠にして、
・二個戦車連隊(実質大隊)
・一個普通科連隊(実質大隊)
の3単位旅団。実員4500名程度。
この機会に、陸自の全旅団化を進めるべきと思います。
「師団名乗るには小さすぎ」同感ではあるのですが、将官クラスの補職どうするのか問題になりそうですな。米海軍に未だ「巡洋艦」(しかも駆逐艦と見分けつかないような)が多数あるようなものと考えれば、しょうがないのでしょうか。
・(世界標準の案);定員も減っているし、実態に即した「引き締まった」体制にする。実戦部隊は全て旅団とし、方面総監を陸将、隷下に師団司令部を一個ずつおいて陸将補。旅団長は「一等陸佐(一)」を「上佐」あるいは「准将」扱いとして、充てる。
・(現実的な案);実戦部隊は全て旅団とし、方面総監を陸将、旅団長を陸将補(少将相当なのでまだ階級過剰ですが)とする。
・補職ごっこは実戦部隊と完全に切り離す案;例えば、地方自治体と連携する、定員30名ほどの「管区司令部」(あるいは「師団司令部」)を設けて陸将を補任し、実戦部隊は全て陸将補の指揮する旅団とする。
・全ての将官から「星を一つ減らす」案;将補を准将、将を少将、幕僚長を中将とすれば良い。官僚的な位置付けは変えない。この場合、「第7機械化旅団」は、「少将」たる「陸将」が率いることになる(まだ階級過剰ですが、今よりはるかに世界標準に近い)。
内向きの論理だけで構築された醜い編成は、対外的に本当に恥ずかしいです。実員6000人の米国増強旅団を大佐が指揮している時に、友軍たる陸自では、実員5600人程度の部隊を中将が指揮するわけで、指揮系統が混乱するのは自明かと。。。
前々から考えていたのでこの場を借りて言わせていただきます。
機甲衝撃力が減じるのは覚悟の上で戦略機動性=振り回しを重視する形で
3個機械化連隊:戦車大隊1+装甲車化普通科大隊1(各大隊は2個中隊基幹)とする。
つまり以前書かれていた第一機械化大隊を連隊化したものを基幹とし、連隊単位での投入(EX島嶼部)を基本とするのです。
各連隊の戦車数は34両(13×2+4:大隊本部+4:連隊本部)で総数は104~117:旅団本部中隊ありの場合
いかがでしょうか。
以前
新しい広域師団構想では、第二機甲師団:第七機甲旅団&第五装甲機動旅団&第三即応機動連隊というような私案を提示しています