北大路機関

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航空防衛作戦部隊論(第三八回):航空防衛力、基地機能は戦闘機に匹敵する重要度

2016-06-12 22:08:48 | 防衛・安全保障
■拠点基地機能維持
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 拠点航空基地、これは臨時分屯基地が有事の際の第一撃から航空部隊を分散し、一撃での全滅を回避するという観点から配置される航空部隊の究極的な離隔配置としたした。

 拠点航空基地の位置づけは臨時分屯基地が暫定的な離隔配置であるのに対し、拠点航空基地は一時的な航空攻撃などを受け機能不随が生じた場合でも、長期的に稼働状態を継続し、第一撃から始まる緒戦においてはその防空戦闘の主軸を臨時分屯基地へ分散し、防空監視網として防空監視所や移動監視隊など全ての装備をネットワーク化した防空システムとして維持する事を期しています。

 ここにはレーダーピケット任務を担う海上自衛隊のミサイル護衛艦、そして最重要装備となる早期警戒機及び早期警戒管制機による警戒管制網と共に戦闘機部隊のみ分散しつつ、防空管制のネットワークにより作戦基盤としての一体性を持ち、一種のシステムとして航空優勢確保を展開する、という運用を担うわけです、ただ、末端の臨時分屯基地は事前集積能力に限界があり、長期的に運用を継続すれば、問題が生じる事は明らかです。

 問題、具体的には戦闘継続が予備部品や燃料弾薬と防空器材や滑走路補修機材等の面で機能不随に至ることは明白で、且つ、臨時分屯基地は数多く存在する地方空港を利用し分散するというもの、明確な位置が暴露すれば弾道ミサイルや戦略爆撃機からの巡航ミサイル飽和攻撃に対処しきれず、各個撃破となる事は間違いありません。

 故に、臨時分屯基地は分屯基地ではなく臨時、という呼称を用いた訳でした。すると、拠点航空基地の任務は恒常的な役割を担う。アメリカ空軍の試算では、嘉手納基地やアンダーセン基地等は滑走路周辺へ弾道ミサイルで5発程度が落下した場合滑走路の機能が停止する、としています。暫定的な滑走路応急修理が必要、ということです。

 ミサイルが基地施設へ15発が落下した時点で基地機能が一定期間麻痺する、としており、この為、アメリカ陸軍防空砲兵のペトリオットミサイルPAC-3を運用する弾道ミサイル防衛部隊が実に一個大隊という例外的な密度で嘉手納基地周辺へ展開しており、射撃陣地へ展開している様子は基地周辺の一般道路からも見る事が出来ます。

 航空自衛隊が拠点航空基地を運用する場合、まず、基地機能を維持するため、航空基地を中心に航空自衛隊高射隊のペトリオットミサイル、特に弾道ミサイル防衛部隊を展開させ、基地機能を維持しなければなりません。航空自衛隊の拠点航空基地は可能な限り、航空攻撃とミサイル攻撃から基地機能を維持する必要があります。

 この為に必要となるのは基地施設の可能な限りの離隔か地下化です。実のところ航空自衛隊は航空機を航空攻撃から防護するシェルター、航空掩体については冷戦時代、あまり建設が進んでいないとの指摘がありましたものの、1980年代からソ連に最も近い千歳基地での航空掩体建設が飛行隊単位で完了できるでしょう。

 その後、三沢基地と小松基地という日本海沿岸やロシアからの戦闘爆撃機航続圏内の飛行場について航空掩体建設が完了しました。航空掩体は弾道ミサイルの直撃には耐えられませんが、付近に落下した弾道ミサイルの破片からは航空機を防護可能です。また、飛行場を狙うクラスター弾等は子弾の威力に対して航空機を防護可能です。

 その一方、基地施設そのものを可能な限り地下化しなければ、これは全部地下に埋めるというところまで進まずとも、可能な限り、という意味ですが、戦闘機以外の必要な諸設備が破壊され、最終的に基地機能を喪失する事となりかねません。戦闘機数には防衛大綱上の上限がありますが、基地機能は上限が無く、重要です。

北大路機関:はるな くらま
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