北大路機関

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榛名防衛備忘録:基幹部隊をみる① 偵察中隊、陸上自衛隊草創期の管区隊と混成団

2015-01-13 23:32:19 | 防衛・安全保障
◆偵察中隊:人員156名の機械化混成部隊
 自衛隊の将来を考える上での基幹部隊の在り方について、今回から数回に分け考えてみる事としました、自衛隊草創期の偵察中隊、現在の偵察隊の概要について今回から数回観てゆきましょう。

 陸上自衛隊、将来戦闘を如何に対応させるかという視点、北大路機関では昨年度末から今年度初頭にかけての特集におきまして、装甲機動旅団と航空機動旅団を基幹とする一万名規模の広域師団という必要性を提示してまいりましたが、この基幹部隊についてを考える際に幾つかの参考点を。

 偵察中隊、中隊で現在の偵察隊とは少々編成が異なり、そして詳しくは後述しますが大きな部分で異なる編成ですが、今回は陸上自衛隊が警察予備隊と保安隊を経て創設された草創期の陸上自衛隊、その基幹部隊である管区隊と混成団に配属されていた偵察部隊について、見てみましょう。

 偵察中隊、これは現在の師団にあたる管区隊や混成団の情報収集部隊として位置づけられたものです。混成団、と言いますと今日的には2000名規模の小規模部隊を想定されるかもしれませんは、草創期の普通科連隊は3000名規模で隷下に普通科大隊と戦車中隊までもを有していました。

 普通科連隊隷下には4個普通科大隊と戦車中隊に重迫撃砲中隊と管理中隊から衛生中隊まで、大所帯でしたが、師団の増勢にたいし、舞台の増勢に対応する水準での人員増勢が認められなかったこともあり、割り込むという形にて縮小されてゆくこととなります。

 もともと陸上自衛隊は30万規模の体制までの拡大を想定していたものの、実際には人員をそのままに部隊数のみを拡大する方法が採られたため、規模は縮小してゆき、戦車中隊は普通科連隊ごとに中隊を分散させるのではなく戦車大隊として演習場近くの駐屯地に集約する方が妥当、として戦車大隊編制へ向かいます。

 この中で、管区隊や混成団の情報収集を担う偵察中隊は、人員156名、中隊本部、三個偵察小隊、を基幹とする編成をとりました。現在は偵察隊編成となり、隊本部とその隷下に三個斥候小隊と電子偵察小隊を置く、という編制をとっています。基幹編成は、共通点がありますが偵察隊と異なり偵察中隊は火力面が比較的充実していました。

 装備面から偵察中隊を見ますと、ジープ28両、中型トラック2両、2t半トラック3両、M-3半装軌装甲車4両、M-24軽戦車7両、81mm迫撃砲4門、という体制です。そして人員は156名と。当時はまだオートバイ斥候は行われず、専らジープ、小型トラックではなく米軍供与のジープが重宝されていたもよう。

北大路機関:はるな
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