◆第8師団管区に南西諸島北部も
朝雲新聞等によれば先月2日、第8戦車大隊へ10式戦車の配備が開始されたとのこと。
12月2日、玖珠駐屯地にて10式戦車入魂式が挙行され、配備を受けた第8戦車大隊長有村浩二2佐が新戦車を受領する式典へは、山之上哲郎8師団長や伊藤博幸玖珠駐屯地司令が出席したとのことです。10式戦車は90式戦車に続く新戦車として開発され、従来の90式戦車が均一圧延鋼板換算1m級の防御力を有する複合装甲による十分な防御力、120mm滑腔砲による均一圧延鋼板換算75cm級の貫徹力による打撃力と自動装填装置や目標自動追尾能力付与などによる高度な戦闘力、及び加速性に優れた2ストローク方式1500hpエンジンを搭載し世界的に非常に有力な戦車として完成しているものの、50tと大重量であり、同世代戦車が軒並み55~65t級というなかでは軽量な部類に位置するのですが、本土での運用には重く、10式戦車は90式戦車以上の打撃力と防御力及び機動力を備えた44tの戦車として完成しました。
九州、意外に思われるかもしれませんが、中国軍の空軍機接近に対する対領空侵犯阻止任務緊急発進は、沖縄県において中国側が軍事圧力をかけてきている南西諸島南部地域ではなく、鹿児島県島嶼部への接近が増大しており、特に奄美大島沖への接近が顕在化しています。これは穿った見方では、九州と沖縄本島を遮断し沖縄県全域へ武力侵攻を加える際に鹿児島県島嶼部を占拠することで九州からの増援部隊を阻止する目論見があるのではないかという視点、もう一つの視点では中国側の空軍力では南西諸島南部に接近する際に航空自衛隊に加え台湾からの中華民国空軍の緊急発進を受けるため飛行できないためか、という視点が有り得ますが、現実問題として、南西諸島北部への接近増大が続いています。
10式戦車は制式化と装備実験隊での試験を経て富士教導団や第一機甲教育隊という教育訓練部隊に続き、首都圏の防衛にあたる第1戦車大隊へ13両が配備され、従来最新戦車は北海道の戦車部隊より配備開始されることが通例であり、冷戦時代は最新鋭戦車を以て強大なソ連軍の機甲戦力による脅威へ対応してきましたが、真っ先に首都圏へ配備され、注目されました
。続いて10式戦車は旭川の第2師団へ配備され、隷下の上富良野駐屯地第2戦車連隊へ配備、第2師団は情報通信及び戦術情報共有能力のC4I実験師団に指定されていたため、その能力を活かす部隊配備となりましたが、続いて配備されたのが南九州及び南西諸島北部を防衛警備管区とする北熊本駐屯地第8師団の玖珠駐屯地第8戦車大隊、となったわけです。
90式戦車が一通り充足した北部方面隊へは10式戦車を配備せず、本土への戦車部隊への10式戦車配備となりましたが、10式戦車は本土での運用に主眼を置き、非常な努力を払って90式戦車から6tもの軽量化を行い、高威力の主砲の激甚な反動に耐えるべく懸架装置にアクティヴサスペンションという新技術を完成させました。ここまでを考えますと、もっと本土への10式戦車の配備を求めたくなるのですが。
第8師団は、那覇駐屯地の第15旅団と並び中国からの軍事圧力を受ける南西諸島北部を防衛警備管区としており、鹿児島県島嶼部への防衛強化へ師団飛行隊としては例外的にUH-60JAを若干数配備し、南西諸島北部での出動へ対応してきました。ここに10式戦車が配備されるという事です。新防衛大綱においては戦車定数が従来の400両から300両へ削減され、この定数に教育所要が別枠で確保される程度となりますが本州の戦車部隊は機動戦闘車へ置き換えるべく機動戦闘車200両の生産が行われるとされています。しかし、新防衛大綱下においても九州には戦車部隊が維持される方針が示されており、第8戦車大隊への配備はこの第一歩となるのでしょう。
さて。新しい防衛大綱では自衛隊は有事の際に本州および九州の部隊を以て初動をにない、北海道からの重装備部隊の到着を以て敵を海岸線まで押し返す統合機動防衛力を志向しています。有事の際に北海道から如何に戦車部隊を海上輸送するか、1944年にフィリピン増援へ向かう途上に半数以上の戦車が潜水艦や航空機により輸送戦後と撃沈された戦車第2師団の二の舞とならないよう、如何に船団を防衛するのか、航空優勢確保と制海権確保が戦車が輸送できるほどに確保できるのならば、そもそも戦車を輸送せずとも情勢が我が方優位に展開しそうですが、そもそもとして制海権と絶対航空優勢を海空自衛隊へ丸投げした統合機動防衛力には少々不安を感じますが、北海道には戦車連隊3個を基幹とする機甲師団や戦車連隊を持つ師団、旅団二つにそれぞれ戦車大隊が配置されています。しかし前述の通り輸送面での不安も残りますので、九州への10式戦車配備は歓迎すべきですね。
北大路機関:はるな
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朝雲新聞等によれば先月2日、第8戦車大隊へ10式戦車の配備が開始されたとのこと。
12月2日、玖珠駐屯地にて10式戦車入魂式が挙行され、配備を受けた第8戦車大隊長有村浩二2佐が新戦車を受領する式典へは、山之上哲郎8師団長や伊藤博幸玖珠駐屯地司令が出席したとのことです。10式戦車は90式戦車に続く新戦車として開発され、従来の90式戦車が均一圧延鋼板換算1m級の防御力を有する複合装甲による十分な防御力、120mm滑腔砲による均一圧延鋼板換算75cm級の貫徹力による打撃力と自動装填装置や目標自動追尾能力付与などによる高度な戦闘力、及び加速性に優れた2ストローク方式1500hpエンジンを搭載し世界的に非常に有力な戦車として完成しているものの、50tと大重量であり、同世代戦車が軒並み55~65t級というなかでは軽量な部類に位置するのですが、本土での運用には重く、10式戦車は90式戦車以上の打撃力と防御力及び機動力を備えた44tの戦車として完成しました。
九州、意外に思われるかもしれませんが、中国軍の空軍機接近に対する対領空侵犯阻止任務緊急発進は、沖縄県において中国側が軍事圧力をかけてきている南西諸島南部地域ではなく、鹿児島県島嶼部への接近が増大しており、特に奄美大島沖への接近が顕在化しています。これは穿った見方では、九州と沖縄本島を遮断し沖縄県全域へ武力侵攻を加える際に鹿児島県島嶼部を占拠することで九州からの増援部隊を阻止する目論見があるのではないかという視点、もう一つの視点では中国側の空軍力では南西諸島南部に接近する際に航空自衛隊に加え台湾からの中華民国空軍の緊急発進を受けるため飛行できないためか、という視点が有り得ますが、現実問題として、南西諸島北部への接近増大が続いています。
10式戦車は制式化と装備実験隊での試験を経て富士教導団や第一機甲教育隊という教育訓練部隊に続き、首都圏の防衛にあたる第1戦車大隊へ13両が配備され、従来最新戦車は北海道の戦車部隊より配備開始されることが通例であり、冷戦時代は最新鋭戦車を以て強大なソ連軍の機甲戦力による脅威へ対応してきましたが、真っ先に首都圏へ配備され、注目されました
。続いて10式戦車は旭川の第2師団へ配備され、隷下の上富良野駐屯地第2戦車連隊へ配備、第2師団は情報通信及び戦術情報共有能力のC4I実験師団に指定されていたため、その能力を活かす部隊配備となりましたが、続いて配備されたのが南九州及び南西諸島北部を防衛警備管区とする北熊本駐屯地第8師団の玖珠駐屯地第8戦車大隊、となったわけです。
90式戦車が一通り充足した北部方面隊へは10式戦車を配備せず、本土への戦車部隊への10式戦車配備となりましたが、10式戦車は本土での運用に主眼を置き、非常な努力を払って90式戦車から6tもの軽量化を行い、高威力の主砲の激甚な反動に耐えるべく懸架装置にアクティヴサスペンションという新技術を完成させました。ここまでを考えますと、もっと本土への10式戦車の配備を求めたくなるのですが。
第8師団は、那覇駐屯地の第15旅団と並び中国からの軍事圧力を受ける南西諸島北部を防衛警備管区としており、鹿児島県島嶼部への防衛強化へ師団飛行隊としては例外的にUH-60JAを若干数配備し、南西諸島北部での出動へ対応してきました。ここに10式戦車が配備されるという事です。新防衛大綱においては戦車定数が従来の400両から300両へ削減され、この定数に教育所要が別枠で確保される程度となりますが本州の戦車部隊は機動戦闘車へ置き換えるべく機動戦闘車200両の生産が行われるとされています。しかし、新防衛大綱下においても九州には戦車部隊が維持される方針が示されており、第8戦車大隊への配備はこの第一歩となるのでしょう。
さて。新しい防衛大綱では自衛隊は有事の際に本州および九州の部隊を以て初動をにない、北海道からの重装備部隊の到着を以て敵を海岸線まで押し返す統合機動防衛力を志向しています。有事の際に北海道から如何に戦車部隊を海上輸送するか、1944年にフィリピン増援へ向かう途上に半数以上の戦車が潜水艦や航空機により輸送戦後と撃沈された戦車第2師団の二の舞とならないよう、如何に船団を防衛するのか、航空優勢確保と制海権確保が戦車が輸送できるほどに確保できるのならば、そもそも戦車を輸送せずとも情勢が我が方優位に展開しそうですが、そもそもとして制海権と絶対航空優勢を海空自衛隊へ丸投げした統合機動防衛力には少々不安を感じますが、北海道には戦車連隊3個を基幹とする機甲師団や戦車連隊を持つ師団、旅団二つにそれぞれ戦車大隊が配置されています。しかし前述の通り輸送面での不安も残りますので、九州への10式戦車配備は歓迎すべきですね。
北大路機関:はるな
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