北大路機関

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ソマリア沖海賊対処任務 第12次派遣水上部隊いかづち・さわぎり、来月アデン湾派遣決定

2012-04-24 23:53:45 | 防衛・安全保障

◆現在第11次派遣隊むらさめ・はるさめ任務中

 防衛省によればソマリア沖海賊対処任務へ第12次派遣海賊対処水上部隊が編成され派遣されるとのこと。

Aimg_2235 第12次派遣海賊対処水上部隊は、横須賀の第1護衛隊群第5護衛隊より編成され、護衛艦いかづち、が横須賀基地より護衛艦さわぎり、が佐世保基地より派遣、二隻を以て部隊を編成すると発表されました。出港予定は5月11日に護衛艦いかづち横須賀基地出港、5月12日に護衛艦さわぎり佐世保基地出港とされ、洋上で合流しアデン湾を目指すことになります。

Aimg_0930_1 指揮官と派遣規模は第5護衛隊司令山崎浩一1佐と司令部要員30名、いかづち艦長鈴木雅博2佐以下乗員180名。さわぎり艦長西澤俊樹2佐以下乗員190名の海上自衛官400名で、任務はこれまでと同じ船団護衛による海賊被害の事前防止。これに加えて海上保安官8名が乗艦し、海賊逮捕時の対応に備えます。

Aimg_7414 現在アデン湾では、護衛艦むらさめ、護衛艦はるさめ、二隻で編成される第11次派遣海賊対処水上部隊がアデン湾における船団護衛任務に就いており、ソマリア沖において第11次派遣部隊と第12次派遣部隊は任務引継ぎを行う予定です。これまでのところ海上自衛隊派遣以来進められている船団護衛任務では、護衛対象船舶への海賊被害は皆無、海賊被害を抑止するという任務は完全に果たせているといえるでしょう。

Aimg_1245 他方、先日来お伝えしている通り我が国周辺海域では中国海軍ロシア海軍合同の過去最大規模の海軍合同演習が実施中で、海上自衛隊もその圧力に対応するべく太平洋に広く訓練を実施中です。現在も海上自衛隊の水上戦闘艦部隊規模は世界的に見て非常に大きな勢力を持していますが、海賊対処任務へ遠くアフリカ沖に向け一個護衛隊から二隻を抽出するということは、その分南西諸島に張り付けられるであろう数隻分を抽出していることでもあり、決して容易なことではありません。

Aimg_9096 海上自衛隊は継続的に常時2隻の護衛艦を展開させ、加えてP-3C哨戒機2~3機をジブチ航空拠点へ展開、洋上哨戒任務に充てています。アデン湾は欧州と日本を結ぶ重要地域であり、近傍にはペルシャ湾の産油地帯からの、原子力発電所停止での電力不足に苦しむ我が国には不可欠のシーレーンが通るため、この地域に海上自衛隊のポテンシャルを堅持することは非常に重要ですが、人員と艦艇が年々削られ、更新が難しい現状では同時に負担も大きいものであること、忘れてはならないことも確かです。

北大路機関:はるな

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コメント (2)
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