中 野 晴 生 Diary

photographer harubowのつぶやき
日々の出会ったこと、感じたことを綴っていきます。

東北巡礼

2011-07-28 06:12:45 | ひとりごと

=7/27=東北巡礼。岩手県の北上で、5:10起床。しばらく今日の資料をチェックして、6:30朝食をとる。今日の予定は遠野市立博物館、伝承園での取材撮影。少し長くなるが、今回の企画趣旨を載せさせていただきます。

【企画趣旨】

2011311日に、太平洋三陸沖を震源とする大地震により、宮城県を中心に東北地方は壊滅的な打撃を受けた。町々を飲み込んだ津波は、日本全体を悲しみへと引きずりこんだ。その16年前、私達は阪神大震災を経験したが、東北関東大震災により日本人一人ひとりの心に生じた喪失感は、その16年前のそれとはまた異なるものであったのも事実であろう。すなわち、近代化により人工的に建設された都市が破壊されたのが阪神大震災であるとすれば、東北関東大震災は、それまでさして顧みられることのなかった「なんでもない風景」、具体的には、田園や漁村さらには民話の伝承といった長い歴史の中で変わることなく引き継がれてきた日本の原風景が奪い去られようとしたのである。その衝撃、その後の喪失感は、日本人の心の故郷、原風景を取り戻し、再び継承させることができるのであろうかという不安として我々の心に留まっている。

 

しかし、大津波による喪失の中で復興を始める東北地方は、また、本州最果ての厳しい自然の中での命の営みを続けてきた東北地方でもある。その歴史を鑑みるとき、自然の厳しさに翻弄されながらも、耐え、命を繋いできた長い年月があり、それに優しく寄り添った東北独自の文化が浮かび上がる。優しく朴訥に死者の言葉を語るイタコの口寄せ、夭逝者の冥途婚、悲恋を慈悲で包むオシラさま、哀しみをユーモアと温かさで次世代に伝える民話の語り部・・・・喪失を乗り越え、希望を繋ぐために営まれてきた東北独自の民俗、文化、その叡智が日本の原風景、その営みを支えている。 

 

本シリーズ「東北巡礼」では、自然との相克のなかで育まれ人々を支えてきた東北の文化・風俗を取材することにより、日本の原風景東北の力を紹介するとともに、これが復興途上にある東北地方への応援歌となることを願っている。』

 

成田空港で震災に会い、以前なら現場に飛んで行って記録撮影に走り回ったと思うが、今回はわたしに今出来ることを考え探した結果が上記になった。青森から始めた「オシラサマ」取材、今日の写真は遠野市立博物館で撮影させていただいたものをアップさせていただきます。合掌。晴