「長寿阻止医療制度」スタート
混乱と困難の中でスタート
老人保健法が廃止され、高齢者医療確保法に代わり、2008年4月1日から、この法に基づく後期高齢者医療制度がスタートしました。
小泉政権の「置き土産である」すさまじい負担増が、高齢者・国民に実感されるという事態により、昨年の参議院選挙では自民党が大敗を喫しました。
こうしたことから、政府・与党プロジェクトチームで制度の「凍結」「見直し」が協議されていました。その結果は、総選挙対策としての「一時しのぎ」としか言いようのない「姑息な手立て」がとられることとなりました。
そうした経過から、厚生労働省の方針が固まらず、全国の広域連合は準備の遅れにやきもきしていました。そうした実情は公務員叩きに物申す!-現職公務員の妄言http://genshoku.blog69.fc2.com/で詳しく紹介されています。
そして、制度開始ギリギリになって、広報に力を入れよとのお達しを下しても、時間的にも体勢的にも無理がありました。
このような状況でのスタートですから、当該の高齢者はもとより、広域連合をはじめとする各保険者、市区町村窓口、医療機関など、混乱と困難をともなうものとなりました。
マスメディアの報道
こうしたことなどを受けて、マスメディアもこの後期高齢者医療制度について多少報道・論評するようになっています。
後期高齢者医療制度の保険料の問題点
① 年金から天引き ② 2年ごとの見直し ③ 扶養家族(75歳以上)も負担 ④ 地域格差 ⑤ 滞納者への「罰則」
などと、テロップ・フリップなどで整理をし、解説がなされていました。
そして、4月15日の年金からの天引き開始、低所得者の負担増など、保険料負担について議論を集中させています。
そうした問題点は、指摘の通りなのですが、当面は「高齢者に負担増を実感させない」ように、後期高齢者医療も国民健康保険でも、さまざまな減額・減免措置を講じるという、きわめて煩雑・難解な実務処理をしているのです。政府・与党の「姑息な一時しのぎ」のための事務処理をさせられているのです。
それでも制度が異なり、物差しが違うわけですから、負担増になる人が出てきますし、負担減になる人もいます。マスメディアはことさら負担問題に、意識的に誘導していると思えてなりません。
最大の問題点は医療の制限
この後期高齢者医療制度の最大の問題点は、75歳以上の高齢者を一般の健康保険制度から切り離すことにあります。
75歳以上の高齢者だけを組織する健康保険が、保険として成り立たないことは、火を見るよりも明らかです。
保険料は経過措置としての減額減免措置の終了で、また、2年ごとの見直しで、引上げに次ぐ引き上げとなります。そして、社会連帯的な保険料としての、若年者からの支援金4割相当の保険料も引き上げられます。
保険料引き上げにも限度がありますし、若年者からの不満や反発が出るように仕掛けもあります。そして、その保険料負担増を抑制するためとして、周到に準備されているのが「高齢者への医療の制限」です。
一般の健康保険とは別建ての診療報酬体系、総合医による主治医制度、後期高齢者診療料、包括診療報酬制など、「高齢者への医療の制限」のための準備がなされています。
そして、その制限を超えた医療は自費診療とされ、「混合診療の解禁」が用意されているのです。
高齢者への医療給付水準切り下げの攻撃が襲いかかった後には、次なる改悪の矛先が若年者の健康保険(公的医療保険)に向かい、私的健康保険(民間の療養給付型医療保険)に加入しなければ、十分な医療が受けられないという改悪が、襲い掛かってくることもまた当然の成り行きです。
カタカナ医療保険(多国籍保険金融資本)が、それをビジネスチャンスとして、虎視眈々と狙っているのです。
高齢者の国による虐殺
後期高齢者医療制度ではネーミングがよくないとして、「長寿医療制度」という通称を使うよう指示されましたが、正確には「長寿阻止医療制度」ではないでしょうか。また、根拠の法も「高齢者医療確保法」ではなく、本質は「高齢者の医療を確保しない法律」だと思います。
もっと露骨に、かつ正確に表現すれば、村野瀬玲奈の秘書課広報室http://muranoserena.blog91.fc2.com/で紹介されている「えぼり」さんの 漂流生活的看護記録 http://eboli.exblog.jp/6981492/で使われている、「国による虐殺」が本質を正当に表現しています。
75歳以上の高齢者だけを、一般の健康保険から切り離して組織する、この後期高齢者医療制度の行き着く先は、「長寿阻止医療制度」であり、高齢者の「国による虐殺制度」であることは、想像に難くありません。
生存権保障の充実を求める取り組みを
この後期高齢者医療制度の創設で、医療制度改悪は新たな段階に入ります。姑息な一時しのぎに惑わされることなく、小賢しい改善を求める対案でもなく、「後期高齢者医療制度の廃止」を求めての発信が必要なのではないでしょうか。
「年寄りいじめはやめろ!」「医療制度改悪反対!」の声を大きくすることから、「医療費は無料に!」「介護も無料に!」というスローガンを掲げて、憲法25条の生存権保障を求め、社会保障制度の拡充のための取り組みを、強化しなければなりません。
2008.04.10 harayosi-2
国民の命を守るべき厚生労働省が其の命を奪う手立てを考えるとは警察がが犯罪者になるのと同じでです。主権者の国民が政府を取り替えるときを迎えていると感じます。医療費は軍事費削って只にしろ!
図らずも同席の栄を賜りましたこと御礼申し上げます
硬い発信とのことですが、常日頃学習の機会なく漫然と日々過ごしているものにはブログは熟読玩味できる手段かと存じます。
今後ともよろしくご指導いただきたく存じます。
『知恵のあるものは知恵を、力のあるものは力を、何もないものは、せめて顔を出す』
この後期高齢者医療制度、息の長い取り組みになるかとは思いますが、高齢者の医療を受ける権利、生存権保障を求めての、「後期高齢者医療制度廃止」を求めてのたたかいにならざるを得ないと考えます。
>主権者の国民が政府を取り替えるときを迎えていると感じます。医療費は軍事費削って只にしろ!
>『知恵のあるものは知恵を、力のあるものは力を、何もないものは、せめて顔を出す』
それぞれの持ち場で、粘り強く取り組みを進めましょう。
突然ですが、貴サイトを、拙ブログにて、紹介させていただきました。
以上、取り急ぎ、ご連絡です。