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永遠って

2005-04-20 03:04:38 | entertainment
『永遠の出口』(森 絵都著)を読んだので・・・感想。

紀子という女の子の小学3年生から高校3年生までを描いたもの。
読んでいて、紀子と一緒にあの頃に戻った気がした。
なつかしい大切な思い出と、真っ白な気持ちが蘇えってきた。
特に小学生の時を綴った章がよかった。
あの頃はもっと純粋で、その時だけを一生懸命生きていたのかな。
未来って、果てしなく輝いていて希望に満ち溢れていると思ってた。
少なくとも、当時の私の生きていた小さい世界では。
大人になることは、その時のキレイな気持ちをどんどん失くしてくこと?
主人公のだんだん大人になっていく成長と共に、自分も通り過ぎた
たくさんの悩みと、恋や友情や・・・。

大人になるって、こんなこと?
「どんなにつらい別れでもいつかは乗り切れるとわかっていることの虚しさ
決して忘れないと約束した相手もいつかは忘れると知っている切なさ
多くの別離を経るごとに人はその瞬間よりもむしろ遠い未来を見据えて
別れを惜しむようになる」
何かをあきらめなければ前へ進めないこともある。
「12歳の私はこの一瞬、自分の立っている今だけに集中し、何の混じりけもない
さびしさだけに砕けて散りそうだった」と続く。(第3章より)

最後の章に
「永遠の限りないものに憧れる
でも、限りあるものほど、いとおしく思える」とあった。

永遠の出口は大人への入り口に通じてるかもしれないとあったその過程を
紀子と一緒に近づいていった気分だ。
私の永遠の出口の先にあったのは、新たな永遠のようにも思う。

忘れていたあの頃の自分の気持ちを思い出させてくれる本。
また、いつか読み返したいと思った。


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