法律の周辺

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所在不明株の買い受け加速の動きについて

2008-03-31 22:12:54 | Weblog
株主不明の株,買い入れ加速・来年1月の株券電子化に備え NIKKEI NET

 所在不明株主の株式売却制度は,株式会社の株主管理コスト軽減のため,平成14年の商法改正で創設されたもの。この制度,会社法にも引き継がれている。
記事には,3カ月間公告した後云々,とあるが,株主及び登録株式質権者に対しては,異議がある場合は申し出るべき旨,各別の催告が必要である(会社法第198条第1項参照)。
会社による買い受けも可能だが(同第197条第3項),財源規制がある(同第461条第1項第6号)。

金融庁 株券電子化について


会社法の関連条文

(株主に対する通知の省略)
第百九十六条  株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には,株式会社は,当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。
2  前項の場合には,同項の株主に対する株式会社の義務の履行を行う場所は,株式会社の住所地とする。
3  前二項の規定は,登録株式質権者について準用する。

(株式の競売)
第百九十七条  株式会社は,次のいずれにも該当する株式を競売し,かつ,その代金をその株式の株主に交付することができる。
一  その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの
二  その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの
2  株式会社は,前項の規定による競売に代えて,市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって,市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により,これを売却することができる。この場合において,当該許可の申立ては,取締役が二人以上あるときは,その全員の同意によってしなければならない。
3  株式会社は,前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。この場合においては,次に掲げる事項を定めなければならない。
一  買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては,株式の種類及び種類ごとの数)
二  前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額
4  取締役会設置会社においては,前項各号に掲げる事項の決定は,取締役会の決議によらなければならない。
5  第一項及び第二項の規定にかかわらず,登録株式質権者がある場合には,当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り,株式会社は,第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。
一  前条第三項において準用する同条第一項の規定により通知又は催告をすることを要しない者
二  継続して五年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者

(利害関係人の異議)
第百九十八条  前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には,株式会社は,同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し,かつ,当該株式の株主及びその登録株式質権者には,各別にこれを催告しなければならない。ただし,当該期間は,三箇月を下ることができない。
2  第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず,前項の規定による催告は,株主名簿に記載し,又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては,その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。
3  第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず,株式が二以上の者の共有に属するときは,第一項の規定による催告は,共有者に対し,株主名簿に記載し,又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては,その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。
4  第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は,第一項の規定による催告については,適用しない。
5  第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において,第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは,当該株式に係る株券は,当該期間の末日に無効となる。

(配当等の制限)
第四百六十一条  次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は,当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。
一  第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り
二  第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。)
三  第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得
四  第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得
五  第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り
六  第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り
七  第二百三十四条第四項(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り
八  剰余金の配当
2  前項に規定する「分配可能額」とは,第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。
一  剰余金の額
二  臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては,同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額
イ 第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額
ロ 第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額
三  自己株式の帳簿価額
四  最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額
五  第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額
六  前三号に掲げるもののほか,法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額

会社法施行規則の関連条文

(市場価格のある株式の売却価格)
第三十八条  法第百九十七条第二項 に規定する法務省令で定める方法は,次の各号に掲げる場合の区分に応じ,当該各号に定める額をもって同項 に規定する株式の価格とする方法とする。
一  当該株式を市場において行う取引によって売却する場合 当該取引によって売却する価格
二  前号に掲げる場合以外の場合 次に掲げる額のうちいずれか高い額
イ 法第百九十七条第二項 の規定により売却する日(以下この条において「売却日」という。)における当該株式を取引する市場における最終の価格(当該売却日に売買取引がない場合又は当該売却日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては,その後最初になされた売買取引の成立価格)
ロ 売却日において当該株式が公開買付け等の対象であるときは,当該売却日における当該公開買付け等に係る契約における当該株式の価格

(公告事項)
第三十九条  法第百九十八条第一項 に規定する法務省令で定める事項は,次に掲げるものとする。
一  法第百九十七条第一項 の株式(以下この条において「競売対象株式」という。)の競売又は売却をする旨
二  競売対象株式の株主として株主名簿に記載又は記録がされた者の氏名又は名称及び住所
三  競売対象株式の数(種類株式発行会社にあっては,競売対象株式の種類及び種類ごとの数)
四  競売対象株式につき株券が発行されているときは,当該株券の番号

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