法律の周辺

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付帯私訴の導入について

2006-06-25 09:41:54 | Weblog
損害賠償,刑事訴訟で請求可能に・法務省方針 NIKKEI NET

 付帯私訴,導入の方向のようだ。

付帯私訴は,旧刑訴法に存在していた制度である(旧刑訴法第567条~第613条)。
「付帯私訴については,被害者の訴訟負担の軽減等から復活を望む声がある一方,刑事訴訟制度と民事訴訟制度の目的の相違,立証の程度の相違,訴訟の長期化などを理由に,反対する立場も依然有力である。」とこのブログでも書いたことがあった。
制度創設の諮問は10月で,刑訴法改正案の提出は来年1月の通常国会とか。詳細はいずれ明らかになるだろう。

なお,現在でも,刑事被告事件の被告人と被害者等の間で,民事上の争いに関する合意が成立した場合は,当該合意の公判調書への記載を求めることが可能。この記載は,裁判上の和解と同一の効力を有し,債務名義(民執法第22条第7号)となる。


「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」の関連条文

(民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解)
第四条  刑事被告事件の被告人と被害者等は,両者の間における民事上の争い(当該被告事件に係る被害についての争いを含む場合に限る。)について合意が成立した場合には,当該被告事件の係属する第一審裁判所又は控訴裁判所に対し,共同して当該合意の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。
2  前項の合意が被告人の被害者等に対する金銭の支払を内容とする場合において,被告人以外の者が被害者等に対し当該債務について保証する旨又は連帯して責任を負う旨を約したときは,その者も,同項の申立てとともに,被告人及び被害者等と共同してその旨の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。
3  前二項の規定による申立ては,弁論の終結までに,公判期日に出頭し,当該申立てに係る合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実を記載した書面を提出してしなければならない。
4  第一項又は第二項の規定による申立てに係る合意を公判調書に記載したときは,その記載は,裁判上の和解と同一の効力を有する。

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