過払い金返還訴訟:三洋信販、上告審で異例の「認諾」 MSN-Mainichi INTERACTIVE
請求の認諾は,請求に理由のあることを認める被告の裁判所に対する意思表示。訴訟における処分権主義の顕現の1つであるが,民事訴訟法上,○○○○の段階までおこなわなければならない,といった制限があるわけではない。さすがに,上告審での認諾のみを捉え,濫用的訴訟行為といった構成をするのは難しいように思われる。
原告としても,被告が請求を全面的に認める以上,判決を必要とする理由はなかろう,と一般論としては言える。本訴訟においては,最判はもちろん,下級審判決も残らない。
なお,認諾調書に既判力が認められるかについては諸説あるところだが,判例は,既判力を認めつつ,認諾の無効・取消を主張して手続の続行を求めることも可能とする折衷的立場。
この認諾,最判が残ることの影響考えた戦略ともいえそう。しかし,上告審で第1小法廷が弁論期日を指定したという事実は残る。「そんなもの」という考え方もあり得るが,最高裁の考えを暗示する資料として何がしかの影響はあるような気がする。どうだろうか。
「他の事案では個別に検討して適切な対応をする」ということだが,記事によれば,三洋信販は500件以上の同種訴訟を起こされているとのこと。同社が苦しい対応を迫られるのは間違いなさそうである。是非とも,「適切な対応」をしていただきたいもの。
民事訴訟法の関連条文
(裁判所及び当事者の責務)
第二条 裁判所は,民事訴訟が公正かつ迅速に行われるように努め,当事者は,信義に従い誠実に民事訴訟を追行しなければならない。
(請求の放棄又は認諾)
第二百六十六条 請求の放棄又は認諾は,口頭弁論等の期日においてする。
2 請求の放棄又は認諾をする旨の書面を提出した当事者が口頭弁論等の期日に出頭しないときは,裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官は,その旨の陳述をしたものとみなすことができる。
(和解調書等の効力)
第二百六十七条 和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載したときは,その記載は,確定判決と同一の効力を有する。
請求の認諾は,請求に理由のあることを認める被告の裁判所に対する意思表示。訴訟における処分権主義の顕現の1つであるが,民事訴訟法上,○○○○の段階までおこなわなければならない,といった制限があるわけではない。さすがに,上告審での認諾のみを捉え,濫用的訴訟行為といった構成をするのは難しいように思われる。
原告としても,被告が請求を全面的に認める以上,判決を必要とする理由はなかろう,と一般論としては言える。本訴訟においては,最判はもちろん,下級審判決も残らない。
なお,認諾調書に既判力が認められるかについては諸説あるところだが,判例は,既判力を認めつつ,認諾の無効・取消を主張して手続の続行を求めることも可能とする折衷的立場。
この認諾,最判が残ることの影響考えた戦略ともいえそう。しかし,上告審で第1小法廷が弁論期日を指定したという事実は残る。「そんなもの」という考え方もあり得るが,最高裁の考えを暗示する資料として何がしかの影響はあるような気がする。どうだろうか。
「他の事案では個別に検討して適切な対応をする」ということだが,記事によれば,三洋信販は500件以上の同種訴訟を起こされているとのこと。同社が苦しい対応を迫られるのは間違いなさそうである。是非とも,「適切な対応」をしていただきたいもの。
民事訴訟法の関連条文
(裁判所及び当事者の責務)
第二条 裁判所は,民事訴訟が公正かつ迅速に行われるように努め,当事者は,信義に従い誠実に民事訴訟を追行しなければならない。
(請求の放棄又は認諾)
第二百六十六条 請求の放棄又は認諾は,口頭弁論等の期日においてする。
2 請求の放棄又は認諾をする旨の書面を提出した当事者が口頭弁論等の期日に出頭しないときは,裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官は,その旨の陳述をしたものとみなすことができる。
(和解調書等の効力)
第二百六十七条 和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載したときは,その記載は,確定判決と同一の効力を有する。