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適格消費者団体の初認定について

2007-08-23 20:45:54 | Weblog
適格消費者団体を初認定 差し止め請求の行使可能に Sankei Web

 NHKによれば,適格消費者団体の認定を受けた2つの法人は,高市大臣から本日認定書を受け取ったとのこと。2週間の縦覧期間を経ているとはいえ,制度がスタートした6月7日即日の申請から認定まで2カ月半ほどかかったことになる。
さて,消費者契約法第16条第1項には「内閣総理大臣は,第十三条第一項の認定をしたときは,内閣府令で定めるところにより,当該適格消費者団体の名称及び住所,差止請求関係業務を行う事務所の所在地並びに当該認定をした日を公示するとともに,当該適格消費者団体に対し,その旨を書面により通知するものとする。」とあり,また,同第17条第1項には「第十三条第一項の認定の有効期間は,当該認定の日から起算して三年とする。」とある。今般認定を受けた2法人の認定の有効期間は平成22年8月23日まで。
なお,現在,内閣府国民生活局消費者企画課は「消費者契約法の評価及び論点の検討等について」という報告書につき意見募集を実施している。

内閣府 消費者団体訴訟制度について 認定された適格消費者団体一覧


消費者契約法の関連条文

第十二条  適格消費者団体は,事業者,受託者等又は事業者の代理人若しくは受託者等の代理人(以下「事業者等」と総称する。)が,消費者契約の締結について勧誘をするに際し,不特定かつ多数の消費者に対して第四条第一項から第三項までに規定する行為(同条第二項に規定する行為にあっては,同項ただし書の場合に該当するものを除く。次項において同じ。)を現に行い又は行うおそれがあるときは,その事業者等に対し,当該行為の停止若しくは予防又は当該行為に供した物の廃棄若しくは除去その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。ただし,民法及び商法以外の他の法律の規定によれば当該行為を理由として当該消費者契約を取り消すことができないときは,この限りでない。
2  適格消費者団体は,次の各号に掲げる者が,消費者契約の締結について勧誘をするに際し,不特定かつ多数の消費者に対して第四条第一項から第三項までに規定する行為を現に行い又は行うおそれがあるときは,当該各号に定める者に対し,当該各号に掲げる者に対する是正の指示又は教唆の停止その他の当該行為の停止又は予防に必要な措置をとることを請求することができる。この場合においては,前項ただし書の規定を準用する。
一  受託者等 当該受託者等に対して委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)をした事業者又は他の受託者等
二  事業者の代理人又は受託者等の代理人 当該代理人を自己の代理人とする事業者若しくは受託者等又はこれらの他の代理人
3  適格消費者団体は,事業者又はその代理人が,消費者契約を締結するに際し,不特定かつ多数の消費者との間で第八条から第十条までに規定する消費者契約の条項(第八条第一項第五号に掲げる消費者契約の条項にあっては,同条第二項各号に掲げる場合に該当するものを除く。次項において同じ。)を含む消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を現に行い又は行うおそれがあるときは,その事業者又はその代理人に対し,当該行為の停止若しくは予防又は当該行為に供した物の廃棄若しくは除去その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。ただし,民法及び商法以外の他の法律の規定によれば当該消費者契約の条項が無効とされないときは,この限りでない。
4  適格消費者団体は,事業者の代理人が,消費者契約を締結するに際し,不特定かつ多数の消費者との間で第八条から第十条までに規定する消費者契約の条項を含む消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を現に行い又は行うおそれがあるときは,当該代理人を自己の代理人とする事業者又は他の代理人に対し,当該代理人に対する是正の指示又は教唆の停止その他の当該行為の停止又は予防に必要な措置をとることを請求することができる。この場合においては,前項ただし書の規定を準用する。
5  前各項の規定による請求(以下「差止請求」という。)は,次に掲げる場合には,することができない。
一  当該適格消費者団体若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該事業者等に損害を加えることを目的とする場合
二  他の適格消費者団体を当事者とする差止請求に係る訴訟等(訴訟並びに和解の申立てに係る手続,調停及び仲裁をいう。以下同じ。)につき既に確定判決等(確定判決及びこれと同一の効力を有するものをいい,次のイからハまでに掲げるものを除く。以下同じ。)が存する場合において,請求の内容及び相手方である事業者等が同一である場合。ただし,当該他の適格消費者団体について,当該確定判決等に係る訴訟等の手続に関し,次条第一項の認定が第三十四条第一項第四号に掲げる事由により取り消され,又は同条第三項の規定により同条第一項第四号に掲げる事由があった旨の認定がされたときは,この限りでない。
 イ 訴えを却下した確定判決
 ロ 前号に掲げる場合に該当することのみを理由として差止請求を棄却した確定判決及び仲裁判断
 ハ 差止請求をする権利(以下「差止請求権」という。)の不存在又は差止請求権に係る債務の不存在の確認の請求(第二十四条において「差止請求権不存在等確認請求」という。)を棄却した確定判決及びこれと同一の効力を有するもの
6  前項第二号本文の規定は,当該確定判決に係る訴訟の口頭弁論の終結後又は当該確定判決と同一の効力を有するものの成立後に生じた事由に基づいて同号本文に掲げる場合の当該差止請求をすることを妨げない。

(適格消費者団体の認定)
第十三条  差止請求関係業務(不特定かつ多数の消費者の利益のために差止請求権を行使する業務並びに当該業務の遂行に必要な消費者の被害に関する情報の収集並びに消費者の被害の防止及び救済に資する差止請求権の行使の結果に関する情報の提供に係る業務をいう。以下同じ。)を行おうとする者は,内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
2  前項の認定を受けようとする者は,内閣総理大臣に認定の申請をしなければならない。
3  内閣総理大臣は,前項の申請をした者が次に掲げる要件のすべてに適合しているときに限り,第一項の認定をすることができる。
一  特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人又は民法第三十四条に規定する法人であること。
二  消費生活に関する情報の収集及び提供並びに消費者の被害の防止及び救済のための活動その他の不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を図るための活動を行うことを主たる目的とし,現にその活動を相当期間にわたり継続して適正に行っていると認められること。
三  差止請求関係業務の実施に係る組織,差止請求関係業務の実施の方法,差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理及び秘密の保持の方法その他の差止請求関係業務を適正に遂行するための体制及び業務規程が適切に整備されていること。
四  その理事に関し,次に掲げる要件に適合するものであること。
 イ 差止請求関係業務の執行を決定する機関として理事をもって構成する理事会が置かれており,かつ,定款又は寄附行為で定めるその決定の方法が次に掲げる要件に適合していると認められること。
 (1) 当該理事会の決議が理事の過半数又はこれを上回る割合以上の多数決により行われるものとされていること。
 (2) 第四十一条第一項の規定による差止請求,差止請求に係る訴えの提起その他の差止請求関係業務の執行に係る重要な事項の決定が理事その他の者に委任されていないこと。
 ロ 理事の構成が次の(1)又は(2)のいずれかに該当するものでないこと。この場合において,第二号に掲げる要件に適合する者は,次の(1)又は(2)に規定する事業者に該当しないものとみなす。
 (1) 理事の数のうちに占める特定の事業者(当該事業者との間に発行済株式の総数の二分の一以上の株式の数を保有する関係その他の内閣府令で定める特別の関係のある者を含む。)の関係者(当該事業者及びその役員又は職員である者その他の内閣府令で定める者をいう。(2)において同じ。)の数の割合が三分の一を超えていること。
 (2) 理事の数のうちに占める同一の業種(内閣府令で定める事業の区分をいう。)に属する事業を行う事業者の関係者の数の割合が二分の一を超えていること。
五  差止請求の要否及びその内容についての検討を行う部門において次のイ及びロに掲げる者(以下「専門委員」と総称する。)が共にその専門的な知識経験に基づいて必要な助言を行い又は意見を述べる体制が整備されていることその他差止請求関係業務を遂行するための人的体制に照らして,差止請求関係業務を適正に遂行することができる専門的な知識経験を有すると認められること。
 イ 消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談(第四十条第一項において「消費生活相談」という。)その他の消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める条件に適合する者
 ロ 弁護士,司法書士その他の法律に関する専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める条件に適合する者
六  差止請求関係業務を適正に遂行するに足りる経理的基礎を有すること。
七  差止請求関係業務以外の業務を行う場合には,その業務を行うことによって差止請求関係業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。
4  前項第三号の業務規程には,差止請求関係業務の実施の方法,差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理及び秘密の保持の方法その他の内閣府令で定める事項が定められていなければならない。この場合において,業務規程に定める差止請求関係業務の実施の方法には,同項第五号の検討を行う部門における専門委員からの助言又は意見の聴取に関する措置及び役員,職員又は専門委員が差止請求に係る相手方である事業者等と特別の利害関係を有する場合の措置その他業務の公正な実施の確保に関する措置が含まれていなければならない。
5  次のいずれかに該当する者は,第一項の認定を受けることができない。
一  この法律その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれらの法律に基づく命令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ,その刑の執行を終わり,又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない法人
二  第三十四条第一項各号に掲げる事由により第一項の認定を取り消され,又は同条第三項の規定により同条第一項第四号に掲げる事由があった旨の認定がされ,その取消し又は認定の日から三年を経過しない法人
三  暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(次号及び第六号ハにおいて「暴力団員等」という。)がその事業活動を支配する法人
四  暴力団員等をその業務に従事させ,又はその業務の補助者として使用するおそれのある法人
五  政治団体(政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第三条第一項に規定する政治団体をいう。)
六  役員のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
 イ 禁錮以上の刑に処せられ,又はこの法律その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれらの法律に基づく命令の規定若しくはこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ,その刑の執行を終わり,又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
 ロ 適格消費者団体が第三十四条第一項各号に掲げる事由により第一項の認定を取り消され,又は同条第三項の規定により同条第一項第四号に掲げる事由があった旨の認定がされた場合において,その取消し又は認定の日前六月以内に当該適格消費者団体の役員であった者でその取消し又は認定の日から三年を経過しないもの
 ハ 暴力団員等

(認定の申請)
第十四条  前条第二項の申請は,次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出してしなければならない。
一  名称及び住所並びに代表者の氏名
二  差止請求関係業務を行おうとする事務所の所在地
三  前二号に掲げるもののほか,内閣府令で定める事項
2  前項の申請書には,次に掲げる書類を添付しなければならない。
一  定款又は寄附行為
二  不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を図るための活動を相当期間にわたり継続して適正に行っていることを証する書類
三  差止請求関係業務に関する業務計画書
四  差止請求関係業務を適正に遂行するための体制が整備されていることを証する書類
五  業務規程
六  役員,職員及び専門委員に関する次に掲げる書類
 イ 氏名,役職及び職業を記載した書類
 ロ 住所,略歴その他内閣府令で定める事項を記載した書類
七  前条第三項第一号の法人の社員について,その数及び個人又は法人その他の団体の別(社員が法人その他の団体である場合にあっては,その構成員の数を含む。)を記載した書類
八  最近の事業年度における財産目録,貸借対照表,収支計算書その他の経理的基礎を有することを証する書類
九  前条第五項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面
十  差止請求関係業務以外の業務を行う場合には,その業務の種類及び概要を記載した書類
十一  その他内閣府令で定める書類

(認定の申請に関する公告及び縦覧等)
第十五条  内閣総理大臣は,前条の規定による認定の申請があった場合には,遅滞なく,内閣府令で定めるところにより,その旨並びに同条第一項第一号及び第二号に掲げる事項を公告するとともに,同条第二項各号(第六号ロ,第九号及び第十一号を除く。)に掲げる書類を,公告の日から二週間,公衆の縦覧に供しなければならない。
2  内閣総理大臣は,前条の規定による認定の申請をした者について第十三条第五項第三号,第四号又は第六号ハに該当する疑いがあると認めるときは,警察庁長官の意見を聴くものとする。

(認定の公示等)
第十六条  内閣総理大臣は,第十三条第一項の認定をしたときは,内閣府令で定めるところにより,当該適格消費者団体の名称及び住所,差止請求関係業務を行う事務所の所在地並びに当該認定をした日を公示するとともに,当該適格消費者団体に対し,その旨を書面により通知するものとする。
2  適格消費者団体は,内閣府令で定めるところにより,適格消費者団体である旨を,差止請求関係業務を行う事務所において見やすいように掲示しなければならない。
3  適格消費者団体でない者は,その名称中に適格消費者団体であると誤認されるおそれのある文字を用い,又はその業務に関し,適格消費者団体であると誤認されるおそれのある表示をしてはならない。

(認定の有効期間等)
第十七条  第十三条第一項の認定の有効期間は,当該認定の日から起算して三年とする。
2  前項の有効期間の満了後引き続き差止請求関係業務を行おうとする適格消費者団体は,その有効期間の更新を受けなければならない。
3  前項の有効期間の更新を受けようとする適格消費者団体は,第一項の有効期間の満了の日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「更新申請期間」という。)に,内閣総理大臣に有効期間の更新の申請をしなければならない。ただし,災害その他やむを得ない事由により更新申請期間にその申請をすることができないときは,この限りでない。
4  前項の申請があった場合において,第一項の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは,従前の認定は,同項の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は,なお効力を有する。
5  前項の場合において,第二項の有効期間の更新がされたときは,その認定の有効期間は,従前の認定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
6  第十三条(第一項及び第五項第二号を除く。),第十四条,第十五条及び前条第一項の規定は,第二項の有効期間の更新について準用する。ただし,第十四条第二項各号に掲げる書類については,既に内閣総理大臣に提出されている当該書類の内容に変更がないときは,その添付を省略することができる。

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