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線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

小川若宮神社例祭「芸ざらい」

2012年04月27日 23時39分54秒 | おまつり
松本に転勤して約1ヶ月、少しずつ職場に慣れてきた。そこで、今日は久しぶりに祭り探訪に出かけた。今日は、木曽郡上松町小川地区の若宮神社の例祭の前夜に行われる獅子狂言の「芸ざらい」へ出かけた。この獅子神楽は、獅子が歌舞伎の名場面の女形を演じるというもので、上松町内では3ヶ所で行われている。

実はこれには、学生時代に一度訪れている。また、祭りの1日目の神社境内での獅子神楽へは2年前に行った。この「芸ざらい」へは、本当~に久しぶりの再訪だ。

開始は午後7:00から。かつては小川地区の島公民館でしたが、2010年からは消防団詰所を兼ねた新築集会所で行われるようになった。ここで地区の方々に、数々の獅子狂言を披露するのだ。

まず、最初は式舞である「しきのさ」から。


続いて「子供神楽」。篠笛は中学生、太鼓は小学生。そして獅子も2名の中学生が演じていた。各地で民俗芸能の伝承の厳しさが叫ばれるなか、大変素晴らしい取り組み!

これは、中学生が演じる「八百屋お七」。


続いて「佐倉惣五郎」子別れの段。

別れのシーンを、獅子が泣き崩れる迫真の演技。

続いて「千両幟・伊奈川」。「関取千両幟」の一場面。力士の伊奈川が登場する。

その次は「忠臣蔵三段目」勘平うろたえの場。

お軽と早野勘平の場面で、勘平が手勢を打ち破る。

そして「忠臣蔵七段目」。


その次は、小川の獅子狂言の見物の1つ「葛の葉」子別れの段。

「葛の葉」は「信田妻」ともいわれる。安倍保名に助けられた白狐が、人間の姿となって現れ、恋仲となり結ばれる。その子、童子丸をもうけるものの、やがて保名が助けた狐であると正体が知れてしまう。そして童子丸との別れのシーン。

口にくわえた筆で、障子に歌を書く。

恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉
の一首を読んで、信田の森へと去っていく。ちなみにこの童子丸が、後の安倍晴明である。

続いて「矢口渡場の段」お舟恋慕。


そして「いもせやま」おみわの恋。


そして本日の最後は「梅川忠兵衛」新野口村の段。


木曽谷の小さな集落で、これだけの芸を伝えていることが凄い。みな歌舞伎等の名場面なのだが、女形を獅子が演じるという、よく考えてみると不思議な芸能。しかし、伝承している小川区の里若連の人々は、それぞれの場面の長い台詞をものの見事に語るのだ。そして時折、篠笛と太鼓に乗って、歌の部分も挿入される。大変よくできた芸だと思う。


ああ…たまには、こうしたお祭りに出かけると、元気になる!

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