線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

越後獅子

2014年02月28日 15時51分08秒 | 音楽
 華やかな舞踊で知られる長唄の名曲「越後獅子」がある。9世杵屋六左右衛門作曲だ。

 これは、越後の角兵衛獅子をテーマにしたもので、歌詞は地歌「越後獅子」から取られ、三味線パートも同曲や地歌「さらし」から取っているという。長唄と地歌を聴き比べると、確かに共通点を感じさせる。

 この「越後獅子」は、プッチーニの歌劇「蝶々夫人」にも旋律が出てくることで知られている。

 第1幕、ピンカートンに結婚を持ちかけようとするゴロー。花嫁一行の到着を知らせる場面で、オケが「越後獅子」のよく知られた旋律を奏する。これは聴けば「ああ!越後獅子だ!」と感じさせる。

 プッチーニは、このオペラで、「越後獅子」以外にも「かっぽれ」「宮さん宮さん」「君が代」「さくらさくら」等の旋律を取り入れていることで知られている。

 一方、プロコフィエフの「ピアノ協奏曲」第3番 ハ長調という曲も、「越後獅子」と関連がある。

 この第3楽章のロンドが、プロコフィエフが日本滞在中に聴いた「越後獅子」からヒントを得たという。

 パッと聴いた感じでは、旋律そのままが使われているのではないのだが、何となく長唄らしい旋律の流れ方がするな…とは思う。そして全体的にピアノの華やかな感じが、長唄らしいといえば言えそうである。

 東洋的な旋律が好まれた時期があるのだが、この「越後獅子」は日本人にとっても、外国人にとっても、耳なじみがいい曲といえそうだ。
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