一般的には、アメリカでは「最高の医療がある」とか
「医療はお金がかかる」などのイメージがあるかもしれませんが、
「保険がコストによって医療の内容や治療方針を決める」という
ことがあります。
保険制度も日本のような「国民皆保険」ではなく、個人が
どのような保険に入るかで変わるので、同一には論じられませんが、
「医療のコスト」が安くすむ治療方法・薬が選択するように
医療する側に制限を加えてきます。
例えば、主治医がベストと思う治療や薬であっても、
高額である場合は他の安価な選択を迫られます。
アメリカの論文でも治療法によるコストの比較が論じられることが
少なくありません。
一方、日本では治療の方法や薬の選択等については
「医師の裁量」で
あって、保険が決めることはありません(いろいろな制約はありますが)。
最近は医療費が増加し続けて財政を圧迫するため、「ジェネリック医薬品」の
推進が行われていますが、それだけでは医療費の削減は限られているので、
さらに、次の手が考えられているようです。
財務省の財政制度等審議会財政制度分科会で
「「生活習慣病治療薬等の処方のあり方」では、「基本的には個々の
患者ごとに医師が判断すべきものであるが、例えば、高血圧薬については、
我が国では高価なARB系が多く処方されている」という一文を書き添えた上で、
高血圧薬の価格表を提示。「生活習慣病治療薬等について処方ルールを
設定すべき」と求めた。」
(以上、m3.comより引用)
つまり、降圧薬については「価格」で選ぶように指導するということなのでしょう。
現在の高血圧ガイドラインでの薬の選択では、第一選択薬はいろいろありますが、
患者毎の病状により判断し選択するということですが、実臨床においては
学問的はエビデンスではなく「価格」で選択枝を縛ろうということなのですね。
われわれが知らないところでこのような議論がされて、決まるときには
パッと決まってこれに従えと…
せちがない世の中になったものです