Heart and heart

ありきたりになりがちな毎日をオンリーワンな一日に

利休にたずねよ ②

2014-03-04 20:36:54 | 映画
      『今 生きている喜びを
        この一服の茶で 味わいなされませ
。』
   
      天下人になる前、家臣として仕えていた
       織田信長の怒りを買い、苦悩をかかえていた秀吉に
        利休が言った言葉----

       「すべての荷を一度下されたらよろしいのです」とさらに続けます

      のちの天下人でさえ そこにのぼりつめるまで
       一人の人間として 誰にも言えない苦悩を抱えていたのです。

      そういった時こそ お茶室に 足を運び
        刀を置いて 武将ではない 一個人として自分と向き合い
        こころ落ち着かせていたに違いありません。

      『私が額づくのは、美しいものだけで ございます。』

       これは、秀吉の怒りを買って切腹を命じられ
     (命と同様に大切にしていた)
        「香合を差し出せば、あたまを下げた事として許してつかわす」
        と言った秀吉に 利休が返した言葉・・・・


       こんな言葉 言える人っているんでしょうか。。。。?(笑)

       美を究め その永遠の地位を獲得した
         利休にしか まったくつり合いの取れない言葉です。

       茶に救われ、天下人まで登りつめた 秀吉が、
         利休を尊敬し寵愛しながらも、その才能にいつしか嫉妬心をたぎらせていく
        のも非常に興味深いものです。
  
       誰もが知る英雄 秀吉の違う側面が
         利休と茶を通して描かれています

        茶は人のあざとさ、嫉妬、歪んだこころの内のすべてを
         見抜いてしまいます。

      そして、
     
      『美はわたしが決める事。私が選んだ品に伝説が生まれます。』

        「美の価値は誰が決めるのか?」という信長の問いに
          利休が答えた台詞


       戦国の世、一日で天下人が変わった 下剋上の時代
         日々の戦いに疲れた 武将たちの心を落ち着かせるものはお茶だったのでしょう

       そして下剋上とは 従来の価値観が覆され
            あたらしいものが 生まれる事だとも言います

       利休の弟子は利休の茶をこう言い表します
      「山を谷、西を東と言い換える茶の湯である」と。。。

       常識を壊し、新しい価値観を見出す
         利休の茶を 言い当てています。


        常識を疑い、常に冷静に物事を見つめれば
        そこにある だれも見向きもしないようなものに美が見出せる。

        こころの豊かさを失わなければ
        その人にだけ 見えてくるのがあるのかもしれません。


        利休の茶の世界にどっぷりはまれる映画です。