Heart and heart

ありきたりになりがちな毎日をオンリーワンな一日に

わが心の歌舞伎座

2013-04-18 16:35:59 | 映画

   歌舞伎の始まりは400年ほど前
    「出雲阿国」の上演が始まりとされています
   それほどの歴史のある歌舞伎
    現代のように テレビや様々な娯楽が無かった時代
    それは、人々の生活に深く密着し、日常に彩りを添える
    欠かす事の出来ない存在だったのかと思います

   しかし、たくさんの娯楽が揃った現在も
    400年という長い年月を超えて支持される歌舞伎の魅力とは何か----
    まったく歌舞伎を見たことのない人でも 楽しめる歌舞伎座ドキュメンタリーです

   歌舞伎イコール歌舞伎座。
   まさに、歌舞伎はここで 受け継がれ、観客は一喜一憂し
   役者は成長してきたのです

   現在の歌舞伎を支える 役者が、歌舞伎を語る際、
    その魅力について口を揃えていうのが
   「様式美」と「写実性」です
   この二つは非常に密接です
   先代が表現してきた 歌舞伎の洗練された美しさ
    そして、人間臭い生き様。。。。それが、ありのまま
    現代の役者によって表現されたとき、
    歌舞伎の魅力はこう表されるのです


    「坂田藤十郎」

    「中村吉衛門」

     「中村勘三郎」
   
     といった そうそうたる役者の面々が 
     歌舞伎について語るなか、非常に印象に残るのが
    「~~~~させて頂く。。。」という表現

    「演じさせていただく。。。」「名前を継がせていただく。。。」
    しまいには、「80にならせていただく。。。」とまで言います

    演じることは謙虚であれ。。。ということなのでしょうか?
    実際、80を過ぎた、役者が娘役を演じたりするのも歌舞伎の特徴
    はじめは違和感を感じたのですが、
    心情や本質の表現が歌舞伎であれば、それを通して
     さらに創造し進化させる事こそ歌舞伎なです。。。。
    
    役者はつねに演じさせていただく心境で、その役を深く表現することに
    精進しているのです

    そして、映画はさらに、その役者の演技を支える裏方
    の演奏家、衣装、床山などの こころのこもった仕事も
    見せてくれます。かつらだけでも、役の数だけあり、
    その数は1000を超えるといいます

    背景を描く筆の動き一つ、かつらに通す櫛の一つ
    演奏の音一つに 一切の妥協は微塵も感じません

    全員がやらせていただく、心持でありながら
    誇りと進化を忘れていないのです


    「片岡仁左衛門」


    「松本幸四郎」

    「市川団十郎」

    「坂東玉三郎」

    そのベテラン役者が 毎回 舞台は初日の気持ちで臨むといいます
    何十と演じた役を毎回 初日のこころで臨む事ほど
     難しいことは無いと思います

    役者は、花道を歩く一歩、表情の震え
    俯く動作に、こころの機微を表現します

    人間の美しさと愚かさ、時代を超えて変わらないものを
    見せつけられ、惹きつけられた人々はまた 新しい歌舞伎座へ
    足を運ばずにはいられないのです。