Heart and heart

ありきたりになりがちな毎日をオンリーワンな一日に

土門拳記念館

2012-02-08 14:01:22 | アート
   今回の企画展は「土門拳賞受賞作品展」
   13回から18回までの受賞カメラマンの作品を展示しています




   冬に来たのは初めてで 雪景色もなかなかいいもんです


   「土門拳賞」----毎日新聞社によって設立された
    国内でも有数の権威ある写真賞です
    土門拳の写真の特徴である リアリズム・・・   
    そんな彼の賞にふさわしい 日常のリアルを力強く表現した作品
    ばかりでした

    福島の炭鉱に暮らす人々の生活を撮った・・・「秩父30年」
    故郷の沖縄の人々、自然や街並みを切り取った・・・「漂う島とまる水」
    原発事故によって強制移住させられても 村に残り暮らす6家族・・・「ナージャの村」
     。。。。。
    すべての作品に 被写体に対するカメラマンの敬意と愛情が感じられました
    自然の大きさと色彩
    貧しい暮らしのなかでの人々の表情
    そのどれもが 作られたものでは無く レンズを通し写真家の目で見た
    そのままの姿。。。撮る側の人間性をも映し出しているかのようです

    土門拳の言葉に、、
    「写真は実際に目で見るものの方がいいと思われてしまってはだめだと・・・
     何度でも見たくなる 本物以上のリアリティがなければいけないと・・・」
    いったような内容のものがありました
    そういえば
    以前から どうして 彼は仏像というものを被写体に選んだのかふしぎだったのです
     実物のもつ力強さ、本物の尊さを考えれば あまりにも難しすぎる
     被写体なのでは・・・などと・・・

    しかし彼の写真をみれば そんなくだらない疑問は一気に吹き飛ばされ
    ただただ 写真のもつ本物以上のリアリティを目の当たりにし その場に立ち尽くして
    しまいます・・・こちらが ちゃんと向き合わないと 負けてしまう
     圧倒的オーラ。。。それは仏像だけではなく 一人の少女
     一本の木 すべての被写体に 土門拳の魂が 吹きこまれています

    「被写体の前に立った時 カメラの後ろの自分の存在は小さければ
     小さい方がいい・・・できれば ゼロであることが望ましいと・・・
     撮りたいものが狙ってとれた写真は、(ずいぶんピッタリ間のあった写真ですね、、)
     になるそうです・・・」

    対峙する被写体は きっと撮るがわの心を見透かし
    その人となりを 理解しているかのようにして、彼だけにすべてを
    さらけだすのかもしれませんね。。


    カメラマンにはそこに行きつくまでの、それぞれのバックヤードがあり
    カメラを向ける時の 思いと覚悟が感じられます
    そんな力強い作品にパワーをもらいました!!!