定期検診のため、近くにある市民病院に
行った。
一通りの検査を終えて、待合室のちょっと
後方の席で、会計表を隣の席に置いて
座っていると、前方の席の方で40代ぐらいの
神経質そうな男の人が、眉をちょっと
しかめ気味に、聞こえるか聞こえない
ぐらいの声で、何やらブツブツ言っている。
そしてやはり会計のためか、こちらへ歩いて
来た。
私は予約表などカバンの中を整理していた
ので、視線はカバンの中に向けられている。
すると、彼の足が私の横で止まったでは
ないか、そして何やら「も〜…」とつぶやくと、
ほんのひと時であったが、何か違和感の
ある空気が漂ったのだ。
そして何事もなかったかのように
彼は立ち去ってしまったのである。
「ん…?」私はその違和感を感じた
会計表の方に眼を向けると、斜めに
置いていた我が会計表が真っ直ぐに
なっていたのである。
全く知らない他人に、断りもなく
自分の書類を触られるというのは、
あまり気持ちの良いものではない。
ちょっと違和感の小波が胸元を
過ぎったが、一瞬の出来事で、しばし
呆然としてしまった。
世の中には、潔癖症的な人も多々おられる
ようなので、彼には斜めに置かれた書類が気に
なったか、かなりの目障りで、それが
我慢出来なかったようなのだ。
キッチリ椅子に対して平行に置かれた
会計表を眺めつつ…まあ…何がしかの
被害を被ったわけでもないので、「ま…
いいか…」とこちらも直された会計表を
持って、会計を済ませて、病院を出た
のだった。
外は、何事もなかったように冬晴れの
空が広がっていた…。
今日の一句
ため息の 白きに我に 返りたる
issei
行った。
一通りの検査を終えて、待合室のちょっと
後方の席で、会計表を隣の席に置いて
座っていると、前方の席の方で40代ぐらいの
神経質そうな男の人が、眉をちょっと
しかめ気味に、聞こえるか聞こえない
ぐらいの声で、何やらブツブツ言っている。
そしてやはり会計のためか、こちらへ歩いて
来た。
私は予約表などカバンの中を整理していた
ので、視線はカバンの中に向けられている。
すると、彼の足が私の横で止まったでは
ないか、そして何やら「も〜…」とつぶやくと、
ほんのひと時であったが、何か違和感の
ある空気が漂ったのだ。
そして何事もなかったかのように
彼は立ち去ってしまったのである。
「ん…?」私はその違和感を感じた
会計表の方に眼を向けると、斜めに
置いていた我が会計表が真っ直ぐに
なっていたのである。
全く知らない他人に、断りもなく
自分の書類を触られるというのは、
あまり気持ちの良いものではない。
ちょっと違和感の小波が胸元を
過ぎったが、一瞬の出来事で、しばし
呆然としてしまった。
世の中には、潔癖症的な人も多々おられる
ようなので、彼には斜めに置かれた書類が気に
なったか、かなりの目障りで、それが
我慢出来なかったようなのだ。
キッチリ椅子に対して平行に置かれた
会計表を眺めつつ…まあ…何がしかの
被害を被ったわけでもないので、「ま…
いいか…」とこちらも直された会計表を
持って、会計を済ませて、病院を出た
のだった。
外は、何事もなかったように冬晴れの
空が広がっていた…。
今日の一句
ため息の 白きに我に 返りたる
issei