幸福論をテーマに研究しているTV番組を観た。
海外の大学教授達が、幸福とは何ぞや、というのを
真正面から取り組んで研究しているのだ。
考えてみれば、人間が真っ先に考えなければ
ならないことではないかと思える。
かく言うわたしなど、日夜このことを考えて生きているような
ところがあるのだ。
面白かったのは、現在やっている仕事を幸福感が
増すようにできる方法があるということだった。
それは、仕事を生計のため収入を得るためだけではなく、
仕事の意義、社会性、自分がどうかかわっているか
などを意識することによって働き甲斐、生き甲斐の
あるものに変えていくというものだ。
要するに意識改革である。
そこで、思い出した人がいた。
東映の時代劇役者で、福本清三という5万回
斬られたという切られ役専門で有名な役者さんだ。
彼は、日々斬られ方を研究して、斬られた瞬間に
のけぞって倒れるなど、独特の斬られ方を考案
した人なのだ。
チャンバラでその他大勢の悪役さんらが、バッタバッタと
斬られていくのを、漠然と見ている人が多いと思う。
しかし、考えてみれば、斬られるということは死んでいく
のであるから、命が絶たれる…という想いを受け止めつつ
演じたならば、おのずと少しでも違うものになるに違いない。
それを、100人の人が観たとして、そのうちの一人か
二人の目利きに、ふと、「あれ…」と目が留まるかも
しれないのだ。
「あの人、本当に斬られて命を絶たれたような…」と
彼は、言っている。“どこかで、誰かが見ていてくれる”と…。
彼は、この一心で斬られ役に臨んでいるのである。
ここに、幸福論の鍵があるような気がするのだ…。
いま一度、自分の仕事、人間関係、生活などの
幸せって何だっけ?を見つめてみるのもいいかも…。