つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

輪切りのわたし

2013-04-30 07:10:30 | きょうの晩飯

体調を崩して以来、病院通いが続いた。

とにかく、立っていられない程のめまい、ふらふら感、

冷や汗たらたらの具合の悪さで、死を覚悟した

程だったのだ。

 

そこで、まず高めの血圧のことを循環器専門の

病院で調べ、血圧は薬を使うこともなく下がり、

めまいは翌日には無くなった。

しかし、起きがけのふらつき感がなかなか取れないで、

先生の紹介で、検査専門の機関にてMRIを

撮ることにした。

 

大きな音が出るというので、ヘッドギアのようなものを付けられ、

「何かあったら押してください」と手にゴム風船状のものを

持たされ、宇宙船のカプセル状の中へと

頭から入って行った。


強力な磁力を使って脳の写真を撮るのである。

いやあ、正直ヘッドギアが役に立たないぐらいの

うるささで、「ギッチョンギッチョン、ガガガガガ」と工事中

の音が続くかと思えば、「ズピュン、ズピュン」と電子銃で

撃たれるような音など、様々に我が乏しき脳みそを

砲撃してくるではないか。

 

しかし、痛みなどは一切ないので、脳へのダメージは

感じない。ただ、うるさいのと、脳が砲撃されてるという

不安感にさいなまれた…。

これが何と20分も続いたのである。最後の

あたりでは、地震かと思うほどの揺れまで

くらったのだ。


終わった時のホッとしたこと…。

願わくば、我が貧脳に良い刺激にでもなって、

思いもよらない発想をもたらす事になってくれないか、

などと都合のいいことを考えつつ家路についた。


3日後に、20枚近くにも及ぶ写真を見ながら、

先生の説明を受けた。


上下、前後、左右からと、我が脳は輪切りに

切り刻まれ、血管だけクッキリと浮き出た

写真もあった。

 

わたしが見ても、何が異常か正常かわからない

のだが、とにもかくにも、異常なしが告げられた。


では、あの死にそうな感じや、ふらつき感は

何だったのか…。

 

先生いわく、「季節の変わり目に身体の

順応が、遅れているんでしょう」とのこと。

 

この日は風が強く、病院の外も吹き荒れて

いたが、

我が貧脳の中は無風となって、うっすらながら

晴れ間が見えてきたように思えた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント (2)
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