つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

菜の花酒

2011-05-01 05:52:26 | 
呑み友、カメラマンのK氏が展示を見に来てくれるというので、「奈邪」にて10時に待ち合わせをした。

当然ながら、二人で佐奈川の桜で一杯やろうというもくろみである。残念ながら
桜のピークは先週だったので、今週はやや葉桜加減になっているはずだ。

心配したこの日の天気は上々でホッとした。なにせ、かつて雨男のわたしに曇り男のK氏なのであるから
心配するのもやむからぬことなのだ。

9時半には「奈邪」に到着して、おいしい奈邪ブレンドとモーニングセットをいただき、俳句をひねりつつ
待っていたが、11時を回ったのにまだやってこない。携帯を入れてみると、すでに佐奈川に来ていて、
写真を撮りまくっているというではないか。「すぐ行きます」と苦笑しつつ電話を切った。

しばらくして「奈邪」のドアが開き「よお!」と手を挙げて入ってきたのは何とK氏はK氏でも、旧知の画友のK氏
だったので驚いた。いつもは事前に連絡してくるのだが、今回はなかったからである。まあ何はともあれ
画友K氏とは久々なので、積もる話に花を咲かせた。そのうちにやっとカメラマンのK氏が入ってきた。
見れば女性と二人連れだ。「何だ何だ、」とわたしが茶化して言うと、同じカメラ仲間のYさんだと紹介してくれた。
あまりに佐奈川の桜が素晴らしかったので、つい二人して夢中で撮ってしまったというのである。

実は、画友K氏をはじめ、ここに揃った4人は同じネットのクラブに所属している4人なのだ。わたし以外は
3人初対面だったのだが、同好の志のためか、まるでみんな旧知のように話が弾んだ。それは、絵からカメラから
政治経済にいたるまでに及んで、時の経つのを忘れてしまった。

気がつけばすでに時計は1時を回っている。女性のYさんがどうしても外せない用事があるとかで、先に
帰り、男3人で佐奈川へと向かった。

やはり佐奈川の桜は葉桜ぎみであったが、まだ花のほうが七部ほど残っていて、花見には充分であった。
というより、我ら黄昏三人衆にとってはむしろこのほうが、そこはかとない黄昏感がピッタリ合って、お似合いだったのだ。
カメラマンのK氏はあっち行ってはパチリこっち行ってはパチリとやっている。わたしと画友K氏は桜並木の下を
並んでそぞろ歩きし、時折はらはらと落花を浴びて、ゆるやかな時の流れをしみじみ味わったのである。

下戸の画友K氏は、3人の花見を遠慮して佐奈川を後にした。わたしとカメラマンのK氏とは、予定通り佐奈川で
花見をすることにして、佐奈川に並び立つ大型スーパーにて酒とつまみを購入し、佐奈川沿いの菜の花の中に陣を取った。

目の前には川面にたゆとう花筏(いかだ)が大きく広がり、まるで我らと宴席を共にしてくれているかのようだった。
K氏は、鞄の中から何やらおもむろに取り出すと「プレゼントです」と、わたしに渡したのはお猪口だった。(写真)

何でも、鹿児島の薩摩焼ということだが、漆黒の上塗りが重厚さを醸し出している。二つ持っているうちの一つをわたしに
進呈してくれるというのである。心して手にするとズシリといい手ごたえで、持ち手にシックリ来る。早速これに
K氏が純米酒を注いでくれたのだが、いやあその美味しかったこと…。やっぱり酒は器が大事だなあとつくづく思わされたのだった。
わたしはつまみは握りずしを買っていたので、この純米酒と握りずしで宴は始まったのだった。二人で大いに語らい大いに飲んで
したたかに酔っぱらった。

すると、K氏が又もおもむろに鞄から出したのは、包装された純米酒だった。「これ差し上げようと思ったんですけどねえ…」
と目が合うと、わたしが「飲みましょうよ」と言うと二人してニンマリ笑い、空けてしまったのである。

すでに夕陽は陰りはじめていて、キラキラと川面を反射してK氏の横顔を赤く染めていた。

命名、“菜の花酒”は、こうしてゆるぎない時を刻んだのであった。Kさんありがとうございました。そして
ごちそうさまでした。そう遠くない日に又やりましょう!。
コメント (2)
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