つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

蝉の声

2010-07-21 04:10:06 | 俳句
やっと梅雨が明け、それを待ってたかのように蝉が鳴きだした。夏が好きなわたしはその象徴とも
いえる蝉は大好きなのである。だからけっこう絵にしているし、俳句も詠んでいる。

    閑かさや 岩に沁みいる 蝉の声

これはあまりにも有名な俳聖、松尾芭蕉の蝉を詠んだ句である。芭蕉の後で恐れ多いのだが…、不肖
ワタクシisseiの蝉の句はいかがなものかと、ちょっと探してみた。

    恋蝉の 真夜の一山 眠らせず

数年前の暑い夏、熱帯夜が続いたとき、真夜中まで蝉が鳴いていて驚いたことがある。

    海峡を 渦潮みんみん 鳴き合える

社員旅行で、四国の土佐へ行った時に、鳴門海峡の渦潮のドウ~という音とその音に負けじと
鳴いていたみんみん蝉の大合唱を詠ったものである。

    木を鳴かす にいにい蝉の どこにいる

これは、なかなか姿を見せず、「ジーーーーーー」っと耳鳴りのように鳴いているにいにい蝉を
詠んでみた。

    あお向ける うつぶせる地の 蝉しぐれ

やがて蝉が木から落ちて、死んで行くのだが、それは蝉しぐれが1つずつ落ちていく夏の果て
でもある。

    蝉の四肢 空掻きて聴く レクイエム

先ほどの句と似たような句に思えるかもしれないが、これは落蝉となって死んで行く時、仲間の
声に送られながら生涯を終える様を詠んでみた。

このように蝉の死は、同時に夏の終わりを告げるものなので、しきりに鳴くこれからを心して
味わいたいと思うのだ。

コメント
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