このところ、B型肝炎ワクチンの接種を勧める動きが急速に広がっています。
小児用のB型肝炎ワクチンは品不足という話を聞いてから、
これまた任意接種でお金のかかるワクチンをどう勧めていけばいいのかと思っていましたが、
小児科学会から以下のような要望が厚労省に提出(9月)されていたことを今頃知りました。。。
(以下コピー)
B型肝炎ワクチンの定期接種化等に関する要望
厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会から予防接種制度の見直しについて(第二次提言)が
平成24年5月23日に公表されました。
この中でB型肝炎について、
1類疾病の「致命率が高いこと、または感染し長期間経過後に重篤になる可能性が高い疾病になることによる、
重大な社会的損失の防止を図る目的で予防接種を行う疾病」に位置づけ、
広くワクチン接種を促進していくことが望ましいと記載されています。この提言に沿って、
速やかにB型肝炎ワクチンの定期接種化を実現して頂けるように要望します。
日本ではB型肝炎ウイルス(HBV)に起因する肝癌の死亡者数は年間約5,000人、
肝硬変による死亡者数は1,000 人と推計されており、
子宮頚癌による死亡者数の2倍以上に達しています。
また医療経済面では、医療費助成制度が設けられるなど、B型慢性肝疾患の治療には高額な費用負担が生じます。
加えて、HBV のキャリア状態が終息したと判断された人も、近年の多様化している免疫抑制療法の治療中に
HBV感染の再活性化が起こり非常に重篤な肝炎を起こす事例(de novo肝炎など)が日本には多いことが判明し、
その予防や治療のために多額の医療費が必要になっています。
日本ではこれまでHBVの母子感染予防に力を入れ、大きな成果をあげてきたと評価できます。
一方、近年これらの予防措置からはずれる症例も多く、
また若年成人を中心に現在も年間6,000人以上の新規感染者がいると推計されます。
このため母子感染予防だけでは制御できない現状があり、水平感染を視野に入れた感染防止対策が強く求められています。
とくに小児のHBV感染者は無症状でも体液中のウイルス量が多く、感染源になりやすい可能性も考えられ、
保育所や運動部での集団感染事例も散見されます。
このためかHBVキャリア小児が保育所通園を断られるなど、深刻な事態も発生しています。
HBV感染者が1歳未満の場合90%、1~4歳の場合は20~50%、
それ以上の年齢になると1%以下の確率でキャリアに移行します。
一方、乳児にB型肝炎ワクチンを接種すると95%以上で抗体が獲得され、
感染防止効果は20年以上続き、安全性も高いことが確認されています。
このため、世界保健機関(WHO)は全ての小児へのB型肝炎ワクチン接種を勧告しており、
2010年の時点ですでに179か国がこれを導入しています。
以上のような経緯から、B型肝炎ワクチンの定期接種化は極めて重要な施策であり、
早期に実現できるよう、よろしくお願い申し上げます。
これに関連して、乳児へのワクチン接種回数を減らし、接種費用の軽減を図るために、
他のワクチンとの混合ワクチンの開発・導入を早急に検討して下さるようにお願いいたします。
また、小児HBV感染では家族内感染が多くを占めることから、定期接種化と並行して、
HBVキャリアの同居家族へのワクチン接種も緊急の施策として進めて頂けるようにお願い申し上げます。
(ここまで)
そんな中、最近になり、小児用のB型肝炎ワクチンも供給量が増えてきたようで、
当院でもすぐに入荷も可能な状況になってきました。
ロタウィルスワクチンを接種するお金があるくらいなら、
B型肝炎ワクチンを先に勧めるという先生もおられるようです。
(もちろんどちらも接種するほうがいいのですが、優先順位というお話で。)
以前にもちょっろとお話したように、
うちのチビたちは子宮頚癌ワクチンと同時期にしようと考えていましたが、
人様のお子さんにお勧めする以上はまずはうちの子たちにも。。。
というか、うちの子たちでれんしゅ。。。
アレルギー検査をする機会もあるので、その際には抗体価の確認もしてみようとも思っています。
さて、B型肝炎ワクチンは不活化ワクチンです。
残念ながらまだ任意接種です。
生後すぐから接種できます。
多くは生後2か月から開始ですね。
10歳未満であれば、
0.25mlを4週間隔で2回接種し、20~24週後に3回目を接種するスケジュールです。
10歳以上は大人と同じで、0.5mlを上と同じスケジュールで接種します。
他のワクチンとの同時接種も可能です。
接種開始は来週21日(金)を予定しています。
予約などに関しては受付までご連絡お願いします。
小児用のB型肝炎ワクチンは品不足という話を聞いてから、
これまた任意接種でお金のかかるワクチンをどう勧めていけばいいのかと思っていましたが、
小児科学会から以下のような要望が厚労省に提出(9月)されていたことを今頃知りました。。。
(以下コピー)
B型肝炎ワクチンの定期接種化等に関する要望
厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会から予防接種制度の見直しについて(第二次提言)が
平成24年5月23日に公表されました。
この中でB型肝炎について、
1類疾病の「致命率が高いこと、または感染し長期間経過後に重篤になる可能性が高い疾病になることによる、
重大な社会的損失の防止を図る目的で予防接種を行う疾病」に位置づけ、
広くワクチン接種を促進していくことが望ましいと記載されています。この提言に沿って、
速やかにB型肝炎ワクチンの定期接種化を実現して頂けるように要望します。
日本ではB型肝炎ウイルス(HBV)に起因する肝癌の死亡者数は年間約5,000人、
肝硬変による死亡者数は1,000 人と推計されており、
子宮頚癌による死亡者数の2倍以上に達しています。
また医療経済面では、医療費助成制度が設けられるなど、B型慢性肝疾患の治療には高額な費用負担が生じます。
加えて、HBV のキャリア状態が終息したと判断された人も、近年の多様化している免疫抑制療法の治療中に
HBV感染の再活性化が起こり非常に重篤な肝炎を起こす事例(de novo肝炎など)が日本には多いことが判明し、
その予防や治療のために多額の医療費が必要になっています。
日本ではこれまでHBVの母子感染予防に力を入れ、大きな成果をあげてきたと評価できます。
一方、近年これらの予防措置からはずれる症例も多く、
また若年成人を中心に現在も年間6,000人以上の新規感染者がいると推計されます。
このため母子感染予防だけでは制御できない現状があり、水平感染を視野に入れた感染防止対策が強く求められています。
とくに小児のHBV感染者は無症状でも体液中のウイルス量が多く、感染源になりやすい可能性も考えられ、
保育所や運動部での集団感染事例も散見されます。
このためかHBVキャリア小児が保育所通園を断られるなど、深刻な事態も発生しています。
HBV感染者が1歳未満の場合90%、1~4歳の場合は20~50%、
それ以上の年齢になると1%以下の確率でキャリアに移行します。
一方、乳児にB型肝炎ワクチンを接種すると95%以上で抗体が獲得され、
感染防止効果は20年以上続き、安全性も高いことが確認されています。
このため、世界保健機関(WHO)は全ての小児へのB型肝炎ワクチン接種を勧告しており、
2010年の時点ですでに179か国がこれを導入しています。
以上のような経緯から、B型肝炎ワクチンの定期接種化は極めて重要な施策であり、
早期に実現できるよう、よろしくお願い申し上げます。
これに関連して、乳児へのワクチン接種回数を減らし、接種費用の軽減を図るために、
他のワクチンとの混合ワクチンの開発・導入を早急に検討して下さるようにお願いいたします。
また、小児HBV感染では家族内感染が多くを占めることから、定期接種化と並行して、
HBVキャリアの同居家族へのワクチン接種も緊急の施策として進めて頂けるようにお願い申し上げます。
(ここまで)
そんな中、最近になり、小児用のB型肝炎ワクチンも供給量が増えてきたようで、
当院でもすぐに入荷も可能な状況になってきました。
ロタウィルスワクチンを接種するお金があるくらいなら、
B型肝炎ワクチンを先に勧めるという先生もおられるようです。
(もちろんどちらも接種するほうがいいのですが、優先順位というお話で。)
以前にもちょっろとお話したように、
うちのチビたちは子宮頚癌ワクチンと同時期にしようと考えていましたが、
人様のお子さんにお勧めする以上はまずはうちの子たちにも。。。
というか、うちの子たちでれんしゅ。。。
アレルギー検査をする機会もあるので、その際には抗体価の確認もしてみようとも思っています。
さて、B型肝炎ワクチンは不活化ワクチンです。
残念ながらまだ任意接種です。
生後すぐから接種できます。
多くは生後2か月から開始ですね。
10歳未満であれば、
0.25mlを4週間隔で2回接種し、20~24週後に3回目を接種するスケジュールです。
10歳以上は大人と同じで、0.5mlを上と同じスケジュールで接種します。
他のワクチンとの同時接種も可能です。
接種開始は来週21日(金)を予定しています。
予約などに関しては受付までご連絡お願いします。