マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

ポリオ(補足)

2010年12月28日 | ワクチン その他
不活化ワクチンが接種できるのならそれでめでたしめでたし。。。

と簡単にはおしまいにできないみたいです。

生ワクチンを接種する人、不活化ワクチンを接種する人が混在することになると、
不活化ワクチンを接種した人は、それでも生ワクチン接種済みの人からの感染を
完全には抑えられない可能性もあるとか。
そのせいもあって、名古屋の病院などは、不活化を2回接種してから、
生ワクチンを2回接種する方法を薦めているんだそうです。

不活化を接種しないけれど、生ワクチンも接種しないという人が増えると、
海外から持ち込まれる野生株ポリオの感染が増えるのではという心配の声も聞かれます。

不活化ワクチンが接種できるようになること自体は悪いことではないんですけどね。

あとはうちの「病院」としての立場からは、国が正式に認めていない輸入ワクチンで、
万一のことが起こった場合を考えると、「不活化します、はいそうですか」は難しいとのこと。
万一はないと言い切ることはできませんから、そうなると何もできないんですけど。。。

ちなみに、生ワクチン接種で起こるとされる、ポリオワクチン関連麻痺ですが、
国はおよそ500万接種に1例、アメリカでは200万接種に1例、
WHOは100万接種に2-4例の頻度としており、かなりばらつきがあります。

でも、実際にポリオを発症してしまったら、頻度も何もないわけですし、
春の集団接種に向けて、もう少しなんとかできないものか考えてみます。
コメント
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