やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

「林檎の礼拝堂」の田窪恭治展

2011-04-23 | art
MOTで田窪恭治展が開催中。
「林檎の礼拝堂」と呼ばれる
フランス・ノルマンディーで
15世紀の教会が朽ちて廃墟に
なっていたものを再生させた
(1989-1999年 )ことで
知られる様になった方。

同名の書籍(集英社刊)を読んで
知った口。読み返すと懐かしい。


田窪恭治《林檎の礼拝堂》

美術館から飛び出し、アートと建築を結びつけ、
10年間家族とともに現地に移住し、
コミュニティを作りあげながら、
建物を再生させる・・今日世界中で
行われていることの先駆者といえる。

資金も助成は無しで、個人や企業からの
(主に日本から)2億円集めたんだから、
集める方も出す方も偉いなぁ。



今回の企画展では、現地では実現できなかった
敷地の整備プランを実寸で、同じ方角に
東京ヴァージョンとして展示。

おびただしスケッチの一部が展示されている。
最終的に、林檎の樹をスクラッチするという
独特の技法で描いていくんだけど、この
スケッチを見ていると、他のバージョンも
みたくなる。



企画展のもう一つの柱が、香川の金刀比羅宮
(こんぴらさん)の聖域全体を対象とする
「琴平山再生計画」に取り組んでいる。

現在描き中の襖絵を持ち込んで、
現地の書院と同じ建具の中に組み立て、
椿の自生する庭を視野に入れたものは
見ごたえあり。


田窪恭治《ヤブツバキ》

そう、今度は林檎から椿にモチーフが
変わっている。

こんぴらさんは伊藤若沖、円山応挙を
始めとしてアート作品の宝庫でもある。
完成したら見に行ってみたいなぁ。


田窪恭治《神椿》

田窪恭治展は5/8まで。
尊敬する岡部あおみによる2004年の
インタビューはこちら