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ねがうこと、ゆだねること

白洲正子 神と仏、自然への祈り展

2011-04-03 | art
朝起きてNHKの新日曜美術館の番組表を
チェックしたら「白洲正子展」が放送予定だ。

これは混むかもしれないって思い、
テレビは見ないで世田谷美術館へ向かった。
ちょうど開館の10時に着いたのでまだ
混んでなかった。



世田谷美術館の開館25周年記念
あって力が入っていた。

白洲正子が訪ね歩いた神、仏像、
アートは写真でしかみたこと
なかったので、一堂にみれるなんて
素晴らしい。

彼女の著作に沿った形での展示で
キャプションもその引用だから、
まさに白洲正子ワールドだ。



『かくれ里』『近江山河抄』 
『十一面観音巡礼』などが彼女の
代表作だから近江のかくれ里にある
十一面観音がいきいきしている。


「ただすぐれているだけではなく、
日本の美術品に特有なうぶな味わいと、
ほのぼのした情感にあふれており、
観音様でありながら、仏教臭がまったくない」
『十一面観音巡礼』

奈良時代に活躍した白山信仰の
開祖である泰澄が印象的。



「泰澄大師は山岳信仰の創始者で、
神仏習合の元祖であるといっていい。
私はこの思想が日本のすべての文化に
わたる母体だと思っている」『かくれ里』

う~ん、知らんかったなぁ。
空海大師の原型みたいな方が
おられたんや。全国2500以上
白山神社はあるらしい。


「湖北の十一面観音は白山の神が
化身したものに他ならず」『近江山河抄』

「日本には『信心』という言葉がある。
『何ごとのおはしますかは知らねども』の
何ごとかを信じる心である。たしかに、
私達は、外国人がいう意味での宗教も信仰も
持たないかもしれないが、もしかするとそれ以上に、
強烈な信心を秘めていないとはいい切れない。
何ごとのおわしますかは知らないものを、
信ずるほどむつかしいことはないのだから。
大げさなことをいえば、日本の文化は、
文学も美術も芸能も、みなそういう心から
生れたといえるのではないだろうか。」『西国巡礼』



帰ってから、新日曜美術館の録画を見る。
美術展を題材にしながら、白洲正子の
足跡を追っていくという別角度からの
切り口で楽しめる。

図録もすばらしかった。5/8まで。