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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

重なるときは・・・

2007-02-23 | 研究ノート
・室内作業。まずは、Geneclass2の解析について、天然集団についてself-assignmentを試す。遺伝的分化が低いせいか、排除されずにかなりのものが残ってしまう。しかし、第一位のものが正しいと仮定すれば、正答率は全体で83%である。この値は集団によってかなり異なり、九州の集団はほとんど100%に近い値である。

・とりあえず、一様分布を事前分布とするベイズ基準、Paetkau et al. 2004のprobability comutationで計算をさせてみると、ほぼ半数の品種は5%水準で全ての集団が排除されるという結果になる。排除されなかった品種の第一位は九州の集団である。排除されたものは古い品種なので、もともとは既に消滅した九州内の天然集団から選抜されたが、栽培・選抜を繰り返す過程で他の九州の集団からサンプリングされたのではないか、というアイデアが浮かぶ。

・午後はカツラの論文打ち合わせ。使用する図表などについて決める。風向のデータを見ると、西北西と北からの風が卓越しているのだが、それではどうも種子散布のデータと合わない。もしかすると、風向風速計が設置されている周囲の環境(つまり、西北西側が樹冠が空いているとか)が効いてしまっているのではないかということを考えて、一つ異なる沢でかなりオープンなところに設置された風向風速計で得られたデータを眺める。と、やはり北からも多いが、南からも相当に卓越してという結果が得られそうである(もうちょっと精査しないといけないけど)。

・沢沿いの森林では、沢に沿って限られた風の向きが卓越するらしいことが分かってきた。いずれにしても、これならば南風の影響を受けていても不思議ではなく、リーズナブルとなりそうだ。Neighborhoodモデルについて川渡のTくんと話しているうちに、カツラのCERVUSについての結果がおかしいのではないかという指摘を受ける。あわてて見直してみると、インプットデータの一部に問題が・・・。改めて解析すると納得の値となり、危ないところであった。ソフトに頼る場合にはクロスチェックをかけないと、やはり危ないということを痛感する。

・とここで、Rさんからトドマツ論文の草稿が送られてくる。やばいっと思っているうちに、羊が丘方面から新たな依頼が・・・。これはどう考えても断れない(当方にも勉強になるし)。さらに、月曜日には新たな依頼が予定されており、さらにさらに札幌方面からさらなる査読依頼があるような、ないような・・・。ううっ、まずい、かなりまずい状態だす。