goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

七夕の夜に

2006年07月07日 | goro's夜話


笹の葉サラサラ~~


七夕ですね。
恋人たちは無事逢えたのでしょうか・・・
東京は相変わらずのお天気です。

「好きだということがわかっただけど、嬉しいんです」
深夜2時過ぎにやってきた彼女は、そう言いながら涙をこぼします。
「大丈夫、大丈夫です・・・」
笑顔を作ろうとはするのですが、込み上げてくる思いは抑え切れるものではありません。
「それをどうしてもGOROさんに知って欲しくて・・・こんな時間にごめんなさいね」
沈黙の時間が続きます。
そっとラムズイヤーの葉を差し出しました。
癒しの時間は、静かに流れていきました。

と、深夜にこんな状況があったんですよ。
彼女の恋のお相手は、残念ながらおじさんではありません。
おじさんもよく知ってるTなんですがね。
前回彼女がgoro'sに来た時、改めてTのことを好きだということが確認出来たんだそうです。
初めてgoro'sに来たのはTと一緒でした。
2週間前のその日は、偶然の流れで、別のグループと一緒にgoro'sに来ることになり、店に入った瞬間、やっぱりTのことが好きだという強い思いが突き動かされたということらしいです。
それをどうしてもおじさんに話したかったんですって。
Tと彼女を取り巻く状況では、誰にでも言える話じゃないし、でも誰かには伝えたいしと、彼女のなかで葛藤があったんでしょうね。
ゴメンナサイネと繰り返す彼女に、一般的なことしか言えないおじさんです。
自分の思いに正直になりなさい、好きだとわかったのなら何をすればいいのか考えなさい、告白するかどうかはあなたが決めることなんだよ。

実を言うと、彼女のことをあまりよく知らないんです。
大まかな年齢とか、住んでいるところとかくらいで、現在の仕事もよくわかっておりません。
ただ話しをしてて、物事をナチュラルに捉えることができるタイプの人間だなとは思ってました。

goro'sにやって来たときの昂ぶった思いは、とめどなく流れる涙で少しは収まったのでしょうか。
カウンターに置いてあるラムズイヤーの葉の話になりました。
ビロードの感触を持ったドライの葉っぱ。
ラムズイヤーという植物の不思議な薀蓄話を、おじさんは続けるばかりです。
おじさんがラムズイヤーと出会ったきっかけ、その後の関わり、このドライを手に入れたいきさつ、初めて触った人の反応、癒しをくれるこの手触り・・・
彼女は左手で触りながら、涙はなお一層流れ続けています。
泣くことでしか時間は埋められないんでしょう。

何も結論が出たわけではないんでしょうが、3時半に彼女は帰っていきました。



                     2枚のラムズイヤーの葉を持って・・・


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2 コメント

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泣けるっていいことです (ミキパパ)
2006-07-08 22:31:24
好きだ、嫌いだで泣ける歳で無くなった老人のミキパパですが、泣けるっていいことです。



非行老年のミキパパは、今や孫の一挙一動や子守をした時の思い出だけで、嬉し涙を流すようになりました。



あとは、女流時代小説を読みながら涙してます。



不幸の涙は、辛いですが嬉し涙は快感です

どんどん泣かせてあげてください。





非行も出来ずベッドで酔っ払っているだけの老人になってしまったミキパパです。

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そうですね (悟郎)
2006-07-09 01:38:25
ミキパパさん

お久し振りです。

グッと年齢層の高いgoro'sのお客さんですから、ここんところこの手の話、とんとなかったので、妙に懐かしかったです。

話しては泣く姿を見てると、若いって凄いなって、そう思っちゃいます。

別に若くなりたいわけじゃありませんけどね。

辛い涙の経験者としては、あの時のようなことにはなりたくありません。



相変わらずのひきこもり状態なんですか?

兎に角外に出ること。

これ以外にありません。



例の下駄、見せてくださいよ。
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