頭上高く咲いているのは見かけていたんだけど、カメラに収められる場所で咲いているのものには、今年はいつ出会えるのかなと、楽しみにしておりました。
好きな花なんですよね。
「クズ・葛」マメ科
花だけ見てる分には、さすが秋の七草の一員だけのことはあるなと、そう思っちゃいます。
和の雰囲気もバッチリだしね。
夏は蔓性植物の天下だということは、ここでも再三書いてきましたが、クズなど、その典型的な植物です。
大き目の葉を広げて、あっという間に元あったものを覆い尽くしてしまいます。
夏の盛りには、1日で1mも蔓を伸ばすと言われてます。
昔はその蔓を使って、縄の替わりに薪などを縛ったりしましたよ。
葛粉として利用されるのは、根の部分です。
根に蓄えられたデンプンを乾燥させて、葛粉として利用してきたのです。
奈良の吉野で、実際にクズの根を潰してデンプンを沈殿させ、葛粉を取り出す作業を見たことあります。
葛粉を扱っている店先にバケツが並んでいて、1日目、2日目と1週間くらいで変化していく様子を、観光客に見せていたのかな。
時間をかけて不純物を取り除くと、真っ白な葛粉が出来上がります。
今や本物の葛粉は、高級食材です。
私たちが日常使用してるクズ粉は、ジャガイモのデンプンから作られたものです。
クズがアメリカで大暴れしてるって話、聞いたことありませんか?
10年くらい前だったのかな?ニュースで見たことありますよ。
もともとアメリカは蔓性の植物が少ないんだそうです。
道路建設や建物を壊した後などでに生じる裸地の緑化に、頭を悩ませていたらしいんです。
選ばれたのがクズです。
旺盛な繁殖力と、荒地でも育つ生命力は、打って付けの植物だったんでしょうね。
緑化には大成功し、その上飼料としても勝れているということで、牧場にも植えられたりしたんだそうです。
それが、人間が想定してた以上の繁殖力で、またたくまに勢力拡大です。
柵は壊しちゃうは、送電線を切断するは、納屋は押し潰しちゃうはで、我が物顔で大暴れしたんだそうです。
森にまで進出して、生態系を変える勢いになり、今や駆除すべき害草として、指定されているそうですよ。
その手の外来生物の話は、他人事ではありませんね。
少年時代の葛の花にまつわる話、「葛の花、幻の・・・」を、是非ご一読ください。
暴れん坊の葛たちですが、昔もっと自然の素材を手間暇かけて
利用されていた時代には、これほど暴れまわっていなかったのかしら、
とふと思いました。葛粉もそうですが、蔓を縄代わりにしていたという
お話を読んで。
我が家の南西側窓から見える空き地の葛はしたい放題
伸びたい放題、ものすごく高い木にも果敢に登っていきます。
アメリカでいまや嫌われているという話、聞いたことあります。
嫌悪を込めて green snake って言われてるそうですね。
昨年より少しだけ早く出会っちゃいました。
いえいえ、昔から迷惑者には違いがありませんでしたよ。
ただ人間がもっと里山と深く関わっていた時代なので、こまめに処理してたんだと思います。
大暴れしてからでは、それだけ作業が大変になりますからね。
葛の蔓をみるたび、ポージィさんちお隣りの空地のこと思い出します。
とんでもないことになってるんだろうなって。
代々木公園にもそんな一角があるんですが、こんな感じなんだろうなと、いつも見てます。
green snakeって言われてるんですか、初耳です。
でも、言いえて妙ですね。