goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

有益?有害?

2006年08月30日 | 06 花たち


頭上高く咲いているのは見かけていたんだけど、カメラに収められる場所で咲いているのものには、今年はいつ出会えるのかなと、楽しみにしておりました。
好きな花なんですよね。



「クズ・葛」マメ科

花だけ見てる分には、さすが秋の七草の一員だけのことはあるなと、そう思っちゃいます。
和の雰囲気もバッチリだしね。

夏は蔓性植物の天下だということは、ここでも再三書いてきましたが、クズなど、その典型的な植物です。
大き目の葉を広げて、あっという間に元あったものを覆い尽くしてしまいます。
夏の盛りには、1日で1mも蔓を伸ばすと言われてます。
昔はその蔓を使って、縄の替わりに薪などを縛ったりしましたよ。

葛粉として利用されるのは、根の部分です。
根に蓄えられたデンプンを乾燥させて、葛粉として利用してきたのです。
奈良の吉野で、実際にクズの根を潰してデンプンを沈殿させ、葛粉を取り出す作業を見たことあります。
葛粉を扱っている店先にバケツが並んでいて、1日目、2日目と1週間くらいで変化していく様子を、観光客に見せていたのかな。
時間をかけて不純物を取り除くと、真っ白な葛粉が出来上がります。
今や本物の葛粉は、高級食材です。
私たちが日常使用してるクズ粉は、ジャガイモのデンプンから作られたものです。

クズがアメリカで大暴れしてるって話、聞いたことありませんか?
10年くらい前だったのかな?ニュースで見たことありますよ。

もともとアメリカは蔓性の植物が少ないんだそうです。
道路建設や建物を壊した後などでに生じる裸地の緑化に、頭を悩ませていたらしいんです。
選ばれたのがクズです。
旺盛な繁殖力と、荒地でも育つ生命力は、打って付けの植物だったんでしょうね。
緑化には大成功し、その上飼料としても勝れているということで、牧場にも植えられたりしたんだそうです。
それが、人間が想定してた以上の繁殖力で、またたくまに勢力拡大です。
柵は壊しちゃうは、送電線を切断するは、納屋は押し潰しちゃうはで、我が物顔で大暴れしたんだそうです。
森にまで進出して、生態系を変える勢いになり、今や駆除すべき害草として、指定されているそうですよ。
その手の外来生物の話は、他人事ではありませんね。

少年時代の葛の花にまつわる話、「葛の花、幻の・・・」を、是非ご一読ください。


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2 コメント

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出た~! (ポージィ)
2006-08-31 10:18:51
悟郎さんのところにも葛が登場しましたね。

暴れん坊の葛たちですが、昔もっと自然の素材を手間暇かけて

利用されていた時代には、これほど暴れまわっていなかったのかしら、

とふと思いました。葛粉もそうですが、蔓を縄代わりにしていたという

お話を読んで。

我が家の南西側窓から見える空き地の葛はしたい放題

伸びたい放題、ものすごく高い木にも果敢に登っていきます。

アメリカでいまや嫌われているという話、聞いたことあります。

嫌悪を込めて green snake って言われてるそうですね。
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出ました~ (悟郎)
2006-08-31 19:05:21
ポージィさん

昨年より少しだけ早く出会っちゃいました。

いえいえ、昔から迷惑者には違いがありませんでしたよ。

ただ人間がもっと里山と深く関わっていた時代なので、こまめに処理してたんだと思います。

大暴れしてからでは、それだけ作業が大変になりますからね。

葛の蔓をみるたび、ポージィさんちお隣りの空地のこと思い出します。

とんでもないことになってるんだろうなって。

代々木公園にもそんな一角があるんですが、こんな感じなんだろうなと、いつも見てます。

green snakeって言われてるんですか、初耳です。

でも、言いえて妙ですね。
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