goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

大柄な才媛

2007年11月07日 | 実・果実たち



【ムラサキシキブ・紫式部】クマツヅラ科

いやいやビックリ!

こんな大きなムラサキシキブに出会ったのは、初めてです。
4~5メートルもありましたでしょうかね。

近くの公園のムラサキシキブの木を見たことはありましたが、大きいものでも2メートル程度でしたからね。
それもバッサリやられちゃって、2年振りのご対面です。

この姿を見ると、後で紹介するコムラサキと間違えることは、まずありません。

調べてみましたら、「ムラサキシキブの幹はまっすぐに伸びて、しかも強靱であるところから、金槌などの道具の柄や、杖に用いられます。また火縄銃の時代には、銃身掃除や弾丸込めのための唐子棒にも使われました」、だそうですよ。

ムラサキシキブの名前は、見ての通り、紫の実から付けられたんだろうということはわかりますよね。

その昔は、ムラサキシキミと呼ばれていたんだそうです。
シキミとはいっても、仏前に供えられる樒(しきみ)とは関係なくて、「実が重(しげ)くつく」という意味の重実(しげみ)からきた名前だと考えられるそうです。
ムラサキシキミ・紫重実は、紫の実がビッシリ付くことが、名前の由来です。

ムラサキシキミと呼ばれていたものが、どうしてムラサキシキブという平安時代の才媛の名前に変わっていったのかといいますとね。

江戸時代、すでにムラサキシキミは華道の花材や植栽用として売られていました。
そうこうしているうちに、植木売りのなかの誰かが、ムラサキシキミ?待てよって、思い当たった訳ですよ。
ムラサキシキミ→ムラサキシキブに語感が似ているよなって。
かくして、源氏物語の作者の紫式部に結び付けちゃって、ムラサキシキブという名前に改名です。
優雅な名前を与えられたムラサキシキブが、全国津々浦々のインテリたち受け入れられて、広がっていったんだそうですよ(おじさんの創作部分も多々有り)。

いつの時代でもいるんですね、知恵者が。
さしずめ、名コピーライターってことですかね。



東京では、ムラサキシキブにはなかなか出会えません。
公園に植えられているのを見かけるくらいです、おじさんの場合は。

そのかわり、こちらを見かけることは、年々増えております。


【こむらさき・小紫】クマツヅラ科 別名:コシキブ・小式部

すっかりお馴染みでしょう?

秋の木の実として、都市空間でも目立ってますよ。
道路脇の植栽としても植えられています。

先に紹介したムラサキシキブとの違い、写真を見ただけもわかりますよね。

ムラサキシキブは、実の粒も大小バラバラです。
コムラサキのほうが、1粒の実は大きくて、揃っております。

株全体の姿も違います。
樹木系と潅木系といってもいいかな。
ムラサキシキブは幹が真っ直ぐ上に伸びて行きますが、コムラサキは地面近くから数多く分枝し、伸びた枝はすぐに枝垂れます。

花です。

公園などで「ムラサキシキブ」のプレートを提げてはいても、実は「コムラサキ」だというケースが多いですね。
お仲間同士とはいっても、別の植物ですのでね。

まあ、それでもいいかなと、近頃のおじさんは思ったりもします。


【シロシキブ・白式部】クマツヅラ科

コムラサキの白花ですが、シロシキブという名前が付けられてます。

白い花に白い実、紫の花に紫の実、この法則には、つい笑っちゃいます。


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3 コメント

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おおきぃ~~ (ポージィ)
2007-11-07 10:17:00
4~5メートルですか!?
大きな、ウラサキシキブにお会いになれましたね。
それも実付きもいいなんて何とラッキーな出会い♪
私が花の時期に見たムラサキシキブは実付きさっぱりです。
これまで出会った3本?のムラサキシキブは、美しいのは
花の頃まで。あとは虫に散々食べられ実は付かず状態です。
こんなに綺麗にたくさんの実をつけることもあるのですね~

ムラサキシキブと呼ばれるようになったのは江戸時代からですか。
なーんだ、もっともっと昔からかと思っていたのにちょっとがっかり。
どうしてがっかりなのかよく分かりませんが(^^;)
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ほんと、 (noodles3)
2007-11-07 23:45:39
紫式部はなかなかお目にかかれないですね。
それにしても、でかい!
あんまりでかいと、見過ごしてしまうんだよなあ。。。
木の花とか実って(苦笑)
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コメントありがとうございます! (悟郎)
2007-11-08 02:09:03
★ポージィさん

でかいでしょう?びっくりしました。
コシキブとの違いはわかっておりましたが、まさかここまで大きくなるなんて考えてもいませんでしたから。
実付きも、検索画像と比べても多いほうでした。
ポージィさんが出会ったムラサキシキブ、実付きよくありませんか。
そう言われれば思い出しました。
私が過去に出会ったものも、虫にやれてていましたね。
このムラサキさん、葉っぱもたくさん残っていて、実もたくさん付いて、可愛がられて育っているんでしょうかね。
機会さえ合えば、黄葉も見られるかもしれません。

そうなんですって、江戸時代からムラサキシキブに改名したようですよ。
ポージィさんの「がっかり」、なんとなく分かるような・・・
命名の思惑が、みえみえだったりしますものね(笑)。

★noodlesさん

コシキブばかりで、ムラサキシキブにお目にかかることは少ないですよね。
このムラサキさんは、驚異的にでかいです。
数本植えられていましたが、群を抜いていました。

足元に目がいってると、木の花は見過ごしてしまいますよね。
上下見てると、危ないし(笑)。
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