読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

宣伝広告用にプロ写真よりスマホ写真の採用が拡大

2012-10-07 10:27:56 | パソコン
wsj日本版から
ロクサン・ローマンさんは広告が嫌いでテレビやオンライン上の広告をなるべく見ないようにしている。しかし最近、フェイスブック上でみたデザイナー、マイケル・コース氏のケーブル編みセーターを着てボートに乗った女性の広告写真が気に入った。


 テキサス州オースティンに住む20歳の学生であるローマンさんは、この広告用の写真について「何かを売りつけようとしているようにはあまり思えない」とし、「気軽に楽しめる」と話す。この写真はスマートフォンで撮ったように見える。

 人々が豪華な雑誌の広告やテレビコマーシャルを見る時間が減るなかで、ライフスタイルに関する広告は消費者が最も説得力があると感じる見た目や感じを採用している――消費者がスマートフォンのカメラで撮って、フェイスブックやインスタグラム、ピンタレストといったサイトで共有するようなイメージだ。

 バーバリーやコーチ、ティファニーといったファッションブランドは、フェイスブックやユーチューブをはじめとするサイトで共有されるようなデジタル広告キャンペーンを作成するために、ストリートスタイルの著名写真家を採用している。

 オンラインでのドレスレンタルを手掛けるレント・ザ・ランウェイは現在、サイトのホームページで商品の広告にモデルではなく、レンタル用の服を身につけた一般女性の写真を使っている。


 昨年、衣料品メーカーのレベッカ・ミンコフはインスタグラムの写真で構成された印刷雑誌を出版した。同社の「shoetography」キャンペーンは、ミンコフ氏自身が履いている靴の写真を自ら撮ったインスタグラムの写真の掲載で幕を開けた。同社の共同創設者ウリ・ミンコフ氏は靴の売り上げはプロモーション開始以来、急増していると話す。それでもブランドにとってセクシーで豪華な写真は引き続き重要だ。ミンコフ氏は「当社の客層は幅広い」とし、「彼女たちは現実にも、ロマンスにもこだわる」と話す。

 ファストフードチェーンのタコベルは3月にドリトス・ロコス・タコスを発売した際に、ドリトス・タコスを食べようとしている人々のインスタグラムでの多くの写真に気付いた。タコベルはインスタグラムに連絡し、社名とロゴ、アプリレイアウトの使用許可を得てテレビ広告に採用した。

 タコベルの最高販促・革新責任者のブライアン・ニコール氏は、「広告全体をインスタグラムの見た目や感じに仕上げた」と話す。

 これらの企業はソーシャルメディアスタイルの写真を使用することで節約しようとしているのではない。こうした写真を使用した広告は、伝統的な豪華な写真撮影と同じくらいコストがかかる。

 作り物に見えない魅力を作り出すというのがポイントだ。消費者はこうした広告を気に入って友人と共有し、すぐにそれ自体が意味を持ち、追加のコストがかからずにソーシャルメディアサイトで次々と共有されるようになる。

 電子商取引ウェブサイトと称するザファンシー・ドット・コムの共同創設者ジョー・エインホーン氏は、「オンラインで反響を呼ぶのは実際の本物の写真だ」と話す。同サイトでは、多くの業者をはじめとするユーザーが、自分たちが説得力があると感じるものや売れると思うもののイメージを掲載している。ユーザーたちは自分たちが気に入るセンスや美学を備えた他のユーザーをフォローする。ユーザーはアイテムに魅力を感じ、それが売り物であればソーシャルネットワークを通して購入できる。

 豪華な販促用の写真と対比し、ユーザーが作り出した写真の効果を示すために、エインホーン氏はマニキュアの写真を横に並べて比較する。

 バーニーズ・ニューヨークはデボラ・リップマン・コレクションの18ドルのネイルラッカー「ミラークローム」用の伝統的な広告をザファンシー・サイトの自社アカウントに掲載した。ザファンシー・サイトのバーニーズアカウントのフォロワーは約3万人。


 女性用衣料のアリスアンドオリビア社の基幹ブランド、アリス+オリビアも同じブランドのコンフェティ・ネイルラッカーを販売した。同ブランドのデザイナー兼創設者ステーシー・ベンデット氏は、ザファンシーの自身のページに、このネイルラッカーを使用した女性の爪のアップの写真を掲載した。これは従業員の1人がアイフォーンで撮影したものだった。

 バーニーズ・ニューヨークのネイルラッカーの広告写真は1400回、「お気に入り」とされた。これに対しベンデット氏の掲載した写真は9000回ほど「お気に入り」となった。ベンデット氏のフォロワーはバーニーズのフォロワーより9000人ほど少ないにもかかわらず。

 ベンデット氏は、「顧客は常に売りつけられたいわけではない」とし、「実際の物に心を動かされる」と話す。

 バーニーズはコメントを求める取材に返答していない。ザファンシー・サイトは2011年に開設され、1日当たり約2万ドルの販売額を生み出している。同社によると、登録しているユーザー数は約200万人で、掲載されたアイテム全体では1日当たり50万回ほど「お気に入り」とされる。

記者: Katherine Rosman


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