読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

深川の女

2007-07-12 08:51:42 | Weblog

昔、テレビで長淵剛のドラマを見ていた。ある女の登場人物が「深川の女を甘く見ないで」と言う台詞を聴いた記憶が有った。深川の女とはどんな女を言うのか、解ったようで解らないままでいた。司馬遼太郎の「街道をゆく」のなかにその事が触れられてあった。「火事と喧嘩は江戸の華」と言われるくらい江戸は火事が多かった。従ってその時代材木商が大もうけした。「その根拠地である深川の存在は大きかった。」そして「材木問屋の寄り合い場所として当然ながら色町が発達した。」材木商は人足を多く使った。木場で働く男達のあいだで「気っぷ」が重んじられた。色街の女もそれに染まり「侠気」を誇るようになった。江戸の吉原が北里(ほくり)と呼ばれたのに対し、南東の方向つまり辰巳にあったため「辰巳芸者」と呼ばれた。その時代、羽織は男しか着なかったが辰巳芸者はそれを来た。羽織芸者とも言われ、一種の男装だったそうだ。その男装に相応しく深川の女は勇み肌だったと言う。「きゃん」と言われた。「侠」をきゃんと読む、福建音らしく「おきゃん」という言葉はここから始まったらしい。


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