読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

続「寝る前に読んでください」と言うタイトルの本

2011-10-07 09:42:14 | Weblog
新渡戸稲造のドイツ留学中のときのこと。彼は或る日、シスターに
連れられた孤児たちが、町を歩いている姿を目にした。
子供たちは、同年代の子が親と遊ぶ光景を、悲しそうに見つめていた
と言う。
奇しくもその日は稲造の母の命日だったそうだ。母への供え物にと用意
した金で、彼は子供たちにミルクを贈ろうと決めた。

公園のそばにいたミルク売りに声をかけ、子供たちにミルクをあ
げるよう伝えた。そのとき、彼は名を名乗らなかったが、子供たち
は善意の贈り主に感謝し、声をそろえて賛美歌を歌った。

ミルク売りに代金を払おうとすると、すると彼女は代金の半額を稲
造に返し「私も孤児たちにミルクをあげたいと思っていたのですと。
ミルク代の原価だけを受け取り、今日はありがとうございました」
とそのミルク売りからもお礼を言われたそうだ。