GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

映画「未来を生きる君たちへ」

2012年10月19日 | Weblog
 
  
●「未来を生きる君たちへ」
この映画は少年の純粋で一途な気持ちが、
間違った方向に進んだ時の親の恐怖を描いています。
純粋なだけに親の理論(「こんなことして将来を棒に振る気か!」)は通用しない。
先を見通すというのは、大人でも容易いことではないのに、
幼い少年に将来を予想できる知恵など有るはずがないのです。

「灼熱の魂」の中で『大学で知識や学問を身につけて、こんな生活から抜け出すのだ』
と祖父に諭される場面がありましたが、幼い少年にはこの話は理解できません。

若さと無知が持つ一種の恐怖ですが、若さの特権とも云えます。
だからこそ、無限とも云えるパワーを内在しているのでしょう。
純粋であるという彼等にとっての<大義>がすべてを圧倒するのです。
しかし、純粋さを失ってしまった親たちには、無知による恐怖としか映りません。
こんな時、大人は冷静に接する必要があります。
この接し方を間違えることが、親子の断絶や家庭崩壊が迫ってきます。

大切なことは、彼等が理解しやすいスポーツや音楽やアニメ等を通して、
大人も一緒になって偏見のない知識を与え続けることです。

以前読んだ新聞記事を紹介します。
読売ジャイアンツ終身名誉監督長嶋茂雄さんに
「いま子供たちにスポーツを勧めるとしたら何がいいでしょうか」と尋ねると 
「もちろん野球です」 
「では野球をどうやって教えていきますか」と聞くと 
「それはキャッチボールです。キャッチボールの前に、まずボールを持たせてみるといい。
 手の中にあるボールの感触がいかにいいかというのは子供にはすぐにわかる」 
キャッチボールの基本は相手の胸に投げることで、
 それは捕りやすいボールを投げるということです。
 キャッチボールは連続性が大切です。捕って終わるのではなくて、
 捕ってから相手に投げ返してまた受けるわけです。 
それからキャッチボールの非常に奇妙で面白いところは、
 暴投をしたほうがボールを拾いに行くのではなくて、
 受け手側が「いいよ、いいよ」と言って捕りに行くところです。
 そうしますと「ごめんナ」と言いながら、
「この次はいいボールを投げてあげなくちゃ」と考えるようになる。
長嶋さんはそれが「会話」だと言います。
 
子供たちと同じステージで会話する大切さを大人はもっと知るべきだと私は思います。
集積された様々な知識が必ず開花することを願い、大人たちが溢れるような愛を携えて、
子供たちに接して欲しいと心から願います。
 
 
 

お奨め映画「灼熱の魂」

2012年10月19日 | Weblog

    

 この映画の冒頭、幼い子供が電動のバリカンで坊主頭にされるシーンから始まる。いずれ深い悲しみに満ちた少年が誰であったか、この映画を観ている人に分かってくる。その時、かつてない衝撃が胸の奥を揺り動かされいるだろう。

 中東系カナダ人女性が亡くなり、公証人から遺された双子の姉弟に遺言が伝えられた。それは父親と兄を見つけ出し、それぞれに宛てた母からの手紙を渡してほしいというものだった。自分たちのルーツでもある中東の母国は、かつて激しい宗教対立の為に暴力的で悲惨な状況下にあった。若い頃の母の行動を追う内に、姉弟は母の数奇でしかも壮絶な生き様を知ることになる。現在と過去を何度も行き来しながら、二人は初めて母という一人の人間性に触れ、兄と父を追うことは知られざる自らの出生の秘密まで知ることになっていった。そして、母はかつて「歌う女」と呼ばれ、監獄で15年間の拷問に耐えながらも地獄を生き延びた女闘士だったこととつきとめた… 
 

                   *2010年度のアカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品。

 

本来宗教とは人間の生き方や寛容さを教え諭すものではないか。

宗教の対立や民族闘争の背景にあるものは一体何なのか。

そして、理不尽で圧倒的な暴力に前に、人は為す術もないのか。

<灼熱の魂>をとは何を意味するものとは何なのか、じっくり考えたくなりました。