GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

『イブの別れ』

2011年12月25日 | Weblog
   

「別れるときが来たみたいね」
「……」
「いつかはこうなると分かっていたでしょ」
「別れると思って、付き合い始めた覚えはない」
「でも分かってきたでしょ、こんな日が来るのを… 」

俺を見捨てたひとを 恨んで生きるより
幼い心に秘めた むなしい涙の捨て場所を
さがしてみたい
遠くで汽笛を聞きながら
何もいいことが なかったこの街で


「何度もここに来たね、あなたと」
「ああ、君が船が見たいと云ったから」
「船に乗ってここを去ることを夢見ていたのかも」
「どうして俺たちこうなっちまったのかな」
「私の想いと、あなたの想いが違っていることに気づいたから」
「……」
「あなたも気づいていたはず」
「若過ぎたのかな、俺たち」
「そうじゃない… 私が先に年老いただけ…」

      

  カツカツと岸壁にヒールの音が響く
  強い風は、凍り付いた俺の心まで持っていくように感じた
  想い出にしがみつこうとするバカ者が悲しく思えてきた

せめて一夜の夢と 泣いて泣き明かして
自分の言葉に 嘘はつくまい ひとを裏切るまい


ただ生きるなら容易いかもしれない
でも生きようとするのは決して容易くはない
この違いをようやく俺は学んだようだ
君がいなくなってそのことに気づいた

生きて行きたい 

そう感じ始めた
冷え切った心がそう感じ始めた

遠くで汽笛を聞きながら
何もいいことが なかったこの街で


                       
                      「遠くで汽笛を聞きながら」(作詞:谷村新司・作曲:堀内孝雄より)