チャイコフスキーの三大バレエ曲の一つで、白鳥・オデット、黒鳥・オデールの対照的な見せ場が素晴らしい。瀕死の白鳥に対して、王子を誘惑する黒鳥。全幕を通して観ているが、手に入れたいのは夢でもある。検索して発見する。そこに、熊川哲也さんのもあって、思わずにんまりとなる。
ダンスマガジンを定期購読していた時からのファン。ジークフリード王子の、ふがいなさに胸を痛め、悪魔ロットバルトの魔力に怒り、オデットの一途さに心が揺れた。作曲家のチャイコフスキーの人物像に、憬れと親しみも交差した高校時代、タイガースの花の首飾りを聴いて、情景が重なった。
瞳みのるさんの著作を読んで、やはりそうだったのかと納得した。明星で公募していたが、高校生であるが故に、恋心を詩にできたのだろう。但し、トッポにではなく、ジュリーへの想いであったのは、当時の人気ならではのこと。GS時代のボーカルは多々いたが、ジュリーの人気は凄かった。
憧れと現実の壁は厚い。到底、手の届かない人気者よりも、書籍の世界は広く深く、何時でも独りで入っていけた。知識を増やして自分を援け、豊かな心と発想ができるのも、本のお陰で、吸収できる歓びも類をみない。ジャンルの苦手な本にも、知っている方であれば、自然と読めたのも嬉しい。
佐藤文隆さんの著作に、光瀬龍師との対談があるが、ひょんなことから大作家とお近づきになれ、亡くなられるまで様々なことを教えていただいた。雲上の方であり、師として尊敬して止まない。一緒に写った写真は、何よりの宝物。既に、二十年以上経つのではと思うが、やさしい師でもあった。
一日、雪花の舞う寒い日であった。然し、寒太郎にしてみれば、季節到来のはしゃぎであろう。今年は、雪女も各地で出没しており、雪の衣がひるがえる。同時に宇宙の美しさは例えようもなく澄んでいて、これは星座を観るには堪らない。寒さも忘れて没頭する。むろん防寒装備で外に出ますよ。
外に出てご覧なさい。これほどに美しく、心を捉え、厭きずに眺められる存在があるでしょうか。遥か彼方の輝きが、何万年も経って、今やっと地球に届いているのですから、神秘さと畏怖とが交差するばかりです。わたくしたちの小さな命にも拘る、重要なエネルギーが時を超えて、たどり着く。
我が家の春の庭は、次第ににぎやかになっていく。昼の眠りの中で、花々のささやきが聴こえてくる。軽やかなメロディも奏でる。