桜が咲き始めると、決まったように雨になる。気温もぐんと下がり、雪花が散ることも。花冷えとも云われるが、ようやく暖かくなって来た油断から、体調が思わしくなくなる。手洗いや嗽は、年中しているので、慌てることもないが、咽喉の端痒さに葱を。
葱の、独特の粘りがいいようで、咽喉の痛みも治まる。肩や膝の痛みにはイタドリを、痰の絡みには通草酒を飲む。身体も良くしたもので、ちょっとの刺激に安堵する。歳を重ねてきて、やっと気づくこともある。自然を敬い侮らず、日々の感謝を忘れず。
そろそろ鰆が旬となるが、地物の高さにびっくりする。そこで1ランク落して、さごしとなる。淡白な味に、散らし寿しを作りたい。春の旬を愛でた材料も楽しみだが、敵も然るもので、早速に藪を探索したようだ。筍が猪の大好物で、餌も乏しい季節でも。
人間には、何ということでもないが、彼等にとっては死活問題。瓜坊の食欲には勝てない。何れも子どもは可愛いのである。地球上の生き物には、実に棲み難い世の中であるなぁ。木々の新芽も、片端から口にしなければ飢える。切実なる問題です。
我が家の庭には、枇杷葉が殆んどだが、早朝の姦しさは、何事が起きたのか?と思うくらいの騒ぎだ。野菜の残りや、残飯を置いておくと、うれしそうに囀る。ゴミで出してしまえば、確かに綺麗にはなるが、人間だけが生きているのでもないからと置く。
野良猫だけではなく、飼い猫も近くには居るので、野鳥を狙ってくることもあり、それはそれで心配だが、今日日の猫は狩をしない。コンビニが増えて、餌には事欠かないのだろう。ゴミは散らかり、猫はテリトリーに来るだけ。当節、変わったものである。
枇杷葉茶には、消臭作用があって、人間は無論ことだが、猫の尿によく効く。あの独特の臭いが消える。銀河は、ずっと飲んでいたから、室内で飼っていても、猫の臭いはしなかった。毛艶もいいし、蚤もいなくなってくる。当然、銀河も風呂嫌いであった。
曇空にそびえる枇杷葉。長崎茂木も、14年が過ぎるので、花芽はつくものの、霜で枯れて結実しないのも。