不覚である。或いは、鬼の霍乱とも云う。自分の年齢のことを、あまり考えていなかった。熱が高く引かないのだ。止む無く診療所に出向く。ここは、山の麓にある小さな病院。丁寧に見てくれるのもあり、先生が変わり者。薬も、苦くよく効く。
然し、熱を下げる薬は、飲めば車の運転ならずで、飲まないで仕事に行くが、ぶっ倒れそうになる。平熱が低いので、38℃は眼が周る。何とか4時間を終え、明日は休むことにした。帰宅して夕飯を戴き、薬を飲むと直ぐに熱が下がった。
瞬発力が素晴しいのは、本来薬は飲まないことが、効果を上げたものか。風呂には入っておらず、今日明日も断念しよう。薬を過信してはいけないので、体調が元に還るよう、軟らかく温かい物を戴こう。お粥がいい。梅干も美味しいねぇ。
青空市が診療所の近くなので寄る。おおっ!たらの芽がある。蕨と筍も、糠つきである。そこら辺にあった山草を箱に詰め、リエさんに送る。多分、今春の最後だよ。木の芽も入れといたよ。電話すると、酷く恐縮していたが、旬の物だからね。
ふなっしグッズを送ろうか?って言うけど、本のお礼だよ。それこそ気にしないで。そっちにないから送るんであって、喜んで食べてくれれば満足です。父上がお元気であれば殊更ですが、作ったのをお供えしてください。塩で保存もできるよ。
上京して、泊めてくれるだけでもありがたいのに、至れり尽くせり深津絵里でしょ。こちらの方が申し訳なく思い、それはリエさんの徳です。生涯に於いて、感謝し切れない想いです。もし地震や津波が押し寄せて、住む所がなくなれば来てね。
何もない所ですが、雨露は凌げると思います。不自由もさせるかもしれませんが、命がある限り、希望はあるでしょう。何とかなると信じています。風は山河より、を読んでいて胸に迫るものがあり、主人公の清々しさ、潔さに新鮮さを見ました。
それにしても、徳川家康の強かさ、先を読む力には少なからず驚き、徳川幕府の基礎を、この時点で描いていたのかと震え、人を生かせる者は、人に援けられており、自然にも通じていくことが、森羅万象の摂理であることにも感動した。
冬の宇宙。凍てつく夜空は、木枯らしの途絶えを待って輝く、数多の星々。無窮とは、北極星のこと。