紫式部集032 薄氷

2006-0506-yms032
薄氷ようやく溶けて仲直り
してあげたのに縁を切る？　　　悠山人

○紫式部集、詠む。
○略注＝長い詞書から始まる。私の手紙を、あちこちで見せまくっているそうね。そんなことなさるなら、今までのを全部返して下さいな。でも・・・、と前置いて。冬の氷も溶け始めたし、あなたのこと、許してあげたのよ。でも絶交・縁切りまでは、ね？　この歌にも、結婚の前か後か、強気が一転したのはなぜかなど、諸説紛紛である。
　¶山の下水＝平王クに、「山麓の谷川であるが、しばしば愛しあう者同士の秘か
　な交流を暗示する語（『国文』）」、とある。
□紫032：とぢたりし　うへのうすらひ　とけながら
　　　　　　さはたえねとや　やまのしたみず
□悠032：うすごおり　ようやくとけて　なかなおり
　　　　　　してあげたのに　えんをきる？
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