悠山人の新古今

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紫式部集067 この夜更け

2006-06-24 05:00:00 | 紫式部集
2006-0624-yms067
この夜更け閉じてないのに宮の戸を
どこのどなたが叩いているの?   悠山人

○紫式部集、詠む。
○略注=詞書に、「内裏(うち)[宮中]に、水鶏(くひな)の鳴くを、[六月]七八日の夕月夜に、小少将の君」。天上界を宮中と見立てる歌は、新古今でも珍しくはない。(関連用語は解説済み) なお、「月の通ひ路」の通釈で平王クは、「月卿雲客の通り道」などと二か所に記しているが、現代では希用である。読みは「げっけいひんかく」。平王ク歌番号073。

 ¶さす(鎖す)=「かぎをかける。門や戸を閉ざす。」(旺文版古語辞典)
 ¶水鶏(くひな。くいな)=<水鳥の名。くいな。鳴き声が戸をた
 たく音に似ているところから、この鳥が鳴くことを「たたく」とい
 う。>
(古語辞典) 新潮版はさらに、「交尾期になると」と。卯の花の
 匂う垣根も、ほととぎすの忍び音も、ましてや水鶏は名さえも、聞いたこ
 とがない。そう言い返される今の時代、辛うじて文語童謡「夏は来ぬ」第
 4連に名を留める。rail。
□紫067:あまのとの つきのかよひぢ ささねども
      いかなるかたに たたくくひなぞ
□悠067:このよふけ とじてないのに みやのとを
      どこのどなたが たたいているの?
*now streaming : Artist=Sviatoslav Richter|Track=Var. I - Alla Marcia Maestoso*
 http://65.39.195.222:8000


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