極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

地震の巣の上の原発

2015年07月06日 | 時事書評

 

 
 

  誰も私たちをユーロ圏から追放できないし、私たちもそれを望まない。

                     反対派公務員 サノブロス・ヨルゴズ

 

 

● デザイン多用途型省エネディスプレイ

ちょっと字面だけではどんな表示器を意味するのか理解不可能な事業開発が産官学での開発テー
マが経産省のエネルギー・産業技術総合開発機構より発表されている。その説明よるとこうだ。
「省エネルギーに資するクリーンデバイス(高周波半導体、不揮発メモリ、光エレクトロニクス
技術、低電力LSI、パワーデバイス、環境発電デバイスなどの省エネルギーに資する革新的デバ
イス)を、従来利用を想定してきた機器などだけではなく、様々な製品・サービスへと新規用途
に拡大し、省エネルギー効果を最大限に活用することを目的に2014年度から5テーマの実証事業を
開発する。引き続き、クリーンデバイスを活用したユースケースを創出し、ユースケースの実装
・実証および信頼性・安全性や標準化・共通化の方針策定を行い、クリーンデバイスの用途拡大
に繋げるために、ディスプレイ/サイネージ、医療機器、自動車/プラント、情報サービス、電
源機器、給電装置などの新規のアプリケーションをユースケースとした6テーマを採択しました。
なお、2015年度事業規模は、約20億円、新たなテーマは2015年度から2016年度の2年間の実施を予
定している」というから長ったらしいが、以下の2つ開発概要例を挙げる。

(1)デザイン多用途型省エネディスプレイ

既存のディスプレイにはない特徴(透明性など)を持つ新たなディスプレイを用いた窓や案内表
示や広告、店舗などの窓、百貨店のショーウィンドウのサイネージなどで社会適用性を検証する。

委託先:シャープ株式会社、国立研究開発法人産業技術総合研究所

(2)電気光学結晶KTNを用いた革新的光デバイスを活用しレーザー産業分野における幅広い領域
    規市場を創出

電気光学結晶を用いた光デバイスは、レーザーのパワーや方向を高速に制御する光デバイスで、
従来デバイスの100倍の高速化、1/100の小型化、省電力化が可能です。高精度・高性能を要求さ
れる生物用多光子吸収レーザー顕微鏡や医療用診断装置である光干渉断層計などへの適用により
実用性を実証する。

委託先:エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社、国立大学法人埼玉大学、国立大学
    法人大阪大学


 

                                   透明液晶を建材に シャープと産総研  

そこで、窓ガラスのように透明で、カラー動画を表示できる透明液晶ディスプレ。その実用化に
向けた検証を、シャープと産業技術総合研究所(産総研)が開始する。透明液晶ディスプレーが
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「クリーンデバイス社会実装推進事業」の1つ
に採択、同事業がシャープと産総研に委託される(テーマ名は「デザイン多用途型省エネディス
プレイ」)。同事業は2015~2016年度の2年間の実施予定である。 

シャープは「シースルー液晶ディスプレイ」と呼ぶ透明液晶を開発している(上図)。特徴は、
明るい表示を実現するために、一般的な液晶ディスプレーとは異なり、バックライト光を吸収す
るカラーフィルターをなくしたことである。カラー表示は、カラーフィールドシーケンシャル方
式によって実現する。赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色のバックライト光を高速に切り替
え、これに同期して表示画像を高速に切り替える方式である。 

表示画像を高速に切り替えるために、同社は、IGZO技術を用いて高速駆動を実現したとする。ま
た、高速応答が可能な液晶材料、および専用の液晶モードを開発しているという。このほか、カ
ラーフィールドシーケンシャル方式によってカラーフィルターをなくすことで、パネル透過率を
高められるとともに、色再現範囲も広げられるとしている。シースルー液晶の形状は、箱形の
BOXタイプ」と、板状の「スタンドアロンタイプ」の2つがある。前者は、箱の前面に液晶パ
ネルを置き、天井部分にバックライト光源を設置したもの。パネル全面にわたってカラー動画を
表示したり透明にしたりできるという特徴がある。後者は、液晶パネルの裏側に設けた導光板と、
その側面の光源をバックライトとして用いる。板状であるため、設置場所の制約が少ないという
特徴がある。ただし、カラー動画表示は液晶パネルの一部分(バックライト光の拡散部)に限ら
れ、それ以外の部分は透明表示になる。

尚、これらの技術は、株式会社SKRテクノロジーの先駆的知財の上に築かれる。恐るべし、クール
ジャパン。

 

 

      

 【デジタルアース工学立国論 13: 地震・噴火予知】   

デジタルアース工学立国』(2015.06.15)で、「いまこそ地震予知工学の確立予知」で「いま
解析データは2次元(平面)解析データでこれに鉛直軸の3次元(立体)データで、さらに、
リア
ルタイムに3次元解析データで日本列島周辺を網羅できれば高確度の解析が可能だ。そのた
めには
スーパーコンピュータシステムが不可欠だ。また、これらの新規考案には海底の変動解析
が出来て
いないが、海底電子基準点にアンカーを打ち込み何らかの形で、観測衛星に位置変動デ
ータを送る
事が出来れば飛躍的に予知能力は高まる。(1)その上で、防災情報を編集し利用で
きる。(2)
さらに、予知能力が高まれば、予備災害処置システムの開発段階に入ることができ、

映画『ザ・コ
ア』のようなことに成功するかもしれない。そうすれば、米国でのイエローストー
ンでの隆起メカ
ニズムとその将来予測とその予備災害処置が実現し、世界的激震火山災害を回避
できるかもしれな
い。そのように考えれば、年間数十億円程度の空間情報地震予知工学への投資
は微々たるものであ
ろう。頑張ろう、ニッポン!と掲載した。そこで、村井俊治著『地震は必ず
予測できる』(電子ブ
ック版)を手にする余裕ができたので、読み進めることでその可能性を探
る。
 

   目 次     

 序  章  なぜあのと序き「予測」を公表できなかったのか―3・11への悔恨
 第 1 章  3・11前から観測されていた前兆現象

 第 2 章  日本列島はどこもかしこもゆがんでいる
 第 3 章  「予知」は無理でも「予測」はできる
 おわりに  

 

      

 

 第2章 日本列島はどこもかしこもゆがんでいる 

                 鹿児島県串木野の異常隆起は桜島噴火の前兆

  鹿児島県というのは、地表の動きを観測している我々にとって、非常に興味深い地域であ
 る。ご存じのように、いまも活発な噴火を続けてい
る桜島を有している県だが、桜島が爆発
 するときの前兆現象として、串木
野の電子基準点が異常に隆起するというパターンを見せる。
 爆発が起
きると、一度隆起した地面がスーツと沈降するのである(図29「鹿児島県串木野の
 隆起・沈降」)。最近は、同じ鹿児島県の鹿屋も桜島爆発に
連動した動きを見せた。突然隆
 起を始め、これは何の前兆かと監視して
いると、上げ止まったところで桜島の噴火が起きて
 いる。火山の噴火にこの二点の地域が敏感に連動しているようである。長年の検証で分かっ
 ていることだが、火山系の前兆現象は、噴火地殻の地域の異常隆起が特徴である。

 

  御獄山噴火の解説でも述べたが、火山活動、とくに噴火があると地震が誘発されやすい。
 至近な例でいえば、2014(平成26)年8月3
日に、鹿児島県屋久島の西にある日永良
 師島の新岳(標高626メ
ートル、屋久島町)が34年ぶりに噴火したのだが、その直後に
 奄美大
島でマグニチュード5・7の地震が起きている。
  地震と火山活動は連動しやすいので、鹿児島県はもちろん、日本列島全域に点在する火山
 の動向、そしてその周辺の地表の異常な動きには注
意が必要である。

  また、とくに心配なのは、桜島の噴火に敏感に反応するかのように隆起・沈降を繰り返す
 串木野のすぐ近くに、再稼働が検討されている川内
原発があることだ(2014四年11月
 7日、原子力規制委員会による安
全審査合格を受け、鹿児島県知事が再稼働に同意した)。
 何度も言うよ
うに、地震は断層のあるなしにかかわらず、さまざまなトリガーで誘発される。
 近年では年間千回以上噴火することもあるという活火山
を抱えるこの地に立つ原発は、揺れ
 動く地表を日常的に見ている我々
らすれば、危険きわまりない存在に思えてならない。
 を注意深く見守っていきたい。

                       日本で一番動いているのは硫黄島

  意外に思うだろうが、日本で一番動いているのが、小笠原諸島の南端近くにある硫黄島で
 ある。東京都に所属しているが、東京からはおよそ
で百キロメートルも離れており、いま硫
 黄島で地震があっても、あ
まりこちらには害が及ばないので、皆さんそれほど関心がないの
 だが、
年間25センチのスピードで隆起し続けている活火山の島である。火山噴火をしなが
 ら隆起を続けているわけだ。


  この硫黄島にも電子基準点がある,この電子基準点は常に異常値を示
し、危険信呼を点灯
 し続けている。硫黄島は昔から隆起し続けていて
昭和30年代の教科書にも「年間25セン
 チ隆起しています」と書かれ
ていたが、その当時は現地での水準測量で測っていたものが、
 いまはこ
うして電子基準点のみで動向が分かる。伊豆火山帯や富士火山帯との連動を関連づ
 ける人もいるが、硫黄島の動きが日本列島にどう影響するか
はいまのところ分からない。デ
 ータの賢常の動向を監視することが、ま
ずは先決だ。



              不気味に隆起を続ける富士山、東京もゆっくり隆起

  最近「富士山噴火」の可能性が騒がれているが、最後に、富士山の隆
起・沈降の動向につ
 いて紹介しよう。

  富士山は、長い明間にわたって隆起を続けている。長い期間隆起し続けているということ
 は、ゆっくりエネルギーがたまってきているという
ことだ。2014(平成26)年のゴー
 ルデンウィーク5月5日の伊豆
大島近海地震で酋都圏が大きく揺れたとき、その直前の4月
 30日に富
士山の基準点のデータが一度だけ異常に跳ね上がった(図30「富士山の隆起・沈
 降」)。




  首都直下地震も皆さんの大きな関心事だが、東京に関していえば、徐々に徐々に隆起し続
 けている,前にも述べたが、東京では断層が見え
づらい。しかし、地震は断層のある場所だ
 けに起こるものではない。隆
起や沈降のひずみをためて、そのひずみが閥値を超えたときに
 地震の起
きる可能性が高いということを、我々は検証研究で把握している。だから、長い期
 間にわたってのさまざまな視点からの監視が必要なのである。



               限定されたところだけ見ていると足をすくわれる!

  こうして日本列島の隆起と沈降の傾向を見てくると、いかに日本の地
表が動き続けている
 かがお分かりいただけたかと思う。

  御嶽山噴火があってから、ここ最近、また「富士山大爆発」「南海トラフ地震」「東海地
 震」「首都直下地震」などについての特集を、メディ
アがこぞって取り上げるようになって
 きた。

  しかし、あえて苦言を呈せば、そうした話題の場所ばかりに注意を向けていると、足をす
 くわれますよと言いたい。我々が、日本列島のホームドクターだとすれば、南海トラフや東
 海だけでなく、患者の全身は至るところ傷だらけで、どこが致命傷になるか分からないから
 である。



  その傷が悪化する前に、さまざまな症状から前兆をとらえ、できる限りの命を救いたいと
 いうのが、私の正直な思いである。
  日本列島はどこもかしこも歪んでいて、しかも地表は目に見えず絶えず動いている、とい
 うことを目の当たりにしていると、やはり原発の存在は最大の危惧である。「原発反対」を
 声高に唱えるつもりはないのだが、地震の少ない韓国などの安定した地盤に比べ、我が国の
 地盤はじつに不安定きわまりない,極論をいえば、ここなら原発を珪てて安全という場所は、
 日本にはないに等しい。

  大震災の津波による福島の原発事故だけでなく、2007(平成19)年の新潟県中越沖
 地震(マグニチュード6・8)では、柏崎刈羽原発で多数の事故が発生し、火災も起き、日
 本中を震憾させた,先に述べた伊方原発も川内原発も、地震によるこうした被害が出ないか、
 稼働の行方が心配である。
  さらにいえば、咳燃料の廃棄物を最終処理する場所も、同様である。フィンランドが地下
 深くに頑健な廃棄物処理施設をつくっているが、あの国は地盤が非常に囚く安定している。
 日本ではいかに深く地中に埋めようが、岩手・宮城内陸で起きた地震のように、崩落や地滑
 りで山が半分消失するような地震が起こる風上なのだ。

  富士山というのは日本を象徴する山だが、我々にとってみると、フィリピン海プレート、
 北米プレート、ユーラシアプレートの、ちょうど交点に当たる場所である。こうしたプレー
 トに囲まれ、すぐ目前の相模トラフは、日本列島が位置する陸のプレートの下に、南方から
 フィリピン海プレートが沈み込んでいる場所である。
  つまり、日本は世界で一番深い海の崖っぷちに立っている国なのだ。
  そして、我々日本人は、日々微動を繰り返す、その超不安定な崖っぷちで暮らしている住
 人なのである。
  そのことを原発関係者を含め、日本の人々にも、もっと認識してほしいと願っているのだ
 が――。


つまり、次の大震災で確実に日本列島が廃虚と化して、世界遺産として登録されるというの最悪
のシナ
リオが現実味を帯びる。と。そう語っているように思える。次回は、第3章に入る。

                                                                  この項つづく

 

  

● ギリシャ緊縮反対 61.32% ユーロ離脱には反対 

国民投票結果、予想を裏切り大差で財政緊縮に否決されたが、反対を投じたい支持者はユーロ圏
離脱には難色をしめしているという。これをカードにチプラス首相はEUとの交渉に臨むわけだ
が、その見通しはいまだ混沌としている。そんな情況に先立つこと、7月2日、「地政学上の重
要性からユーロ離脱でもEU残留は可能」(『高橋洋一の俗論を撃つ!』, ダイヤモンドオンラ
イン)と主張しているが、これは傾聴に値した。つまり、自国通貨のドラクマへの回帰を行いつ
つ、欧州共同体とNATOに残留するのがベターだというものだ。NATOにとどまるというこ
とは、ロシア、中国への接近はないと見る。ギリシャの港湾に接岸する外国船(ロシア・中国)
が多いとの情報があるが、欧州共同体からの除名勧告がない限り、非イスラム圏のギリシャへの
石油・天然ガスラインパイプの接続や軍用艦などの寄港はないと見ている。しかしながら、赤色
官僚独裁国家・中国やプーチンの大ロシアが大胆な支援政策を打ってくる可能性は残されている
とわたし(たち)は考えているがいかに。

  

※ 上の投票には、「ユーロという仕組みそのもの」に投じている。
※ ギリシャの旧通過のドラクマという言葉は、6本の焼き串(紀元前7世紀からは貿易の媒介
  物=貨幣のようなもの?として使われていた)は人間の手につかめないことに由来する。

 

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