えー、このCDについては、本家で書こうと思ってました。
でもでも、本家はちょいと手間がかかること、それとちょっと事情で更新がしづらい事がありまして、このままだとズルズルと書かずに終わっちゃいそうだと思いまして、こちらにて書く事にした次第でございます。
多分、ちょいと長文になると思いますがおつきあいの程を....
今月初旬に発売されたこのCD、あの'3/3'、たった10枚しかプレスされなかった自主制作盤が、CDとして正規リリースされたのです。
独国あたりでブートでも出回ってたなんて話がライナーにもありますけんど、実は日本の'60年代から'80年初頭あたりの音源って、自主制作盤やマイナーレーベルも含めて、かなりの数が欧州でブートで出回っているのは知っている人は知っている話ですが、まさか'3/3'のアルバムまでとわ....
今回のCD化に際して、そのオリジナルアルバムの音源に、レック、チコ・ヒゲ、ヒゴヒロシのトリオ時代のライブ音源二曲を加えたDisk-1、そして、そのオリジナルメンバーにギターの安藤を加えた四人編成での後期ライブ音源で構成されたDisk-2という形を取っております。
これらの音源が世に出る事を知ったのは、高沢さんのURCオフィシャルサイトのBBSだったのですけんど、Disk-2の音源が全てURC絡みの音源だったってことで、実はURCが'3/3'と関係があったとは、全然知らなかったのでありますよ。
gnome_2005が'3/3'の存在を知ったのは何時だったのか、正直、はっきり覚えてません。
ただ、トリオ時代の記憶があり、音も聴いた事があったんですよ。
多分、聴いたのは今回のDisk-1のオリジナルアルバムの音、音はカセットに入っていて、かなりひどい音だった事を記憶してます。
聴いた時は、'うーん??ガレージパンク??'という感じだったんですけんど、音はひどくとも、リズムがきちんとしていたのを良く覚えています。
そして'3/3'の姿を初めて目にしたのは、実際のライブではなくて、今回のライナーにもあったロクfの紹介記事、つまり四人編成期の写真や記事だったのですよ。
高沢さんによると、この記事の写真は当時URCが半ば仕切っていた蕨の'にんじん'というパブ(ハルヲフォンも演奏したところです....)での事だったそーで....
そして後に'3/3'を解散し、ニューヨークに渡ったレックが帰国後にチコ・ヒゲとともに結成したフリクションが現れ、その時レックとチコ・ヒゲが元'3/3'だった事を知り、その音を聴いた時、先程書いたカセットの音と全然違いがありながら、そのリズムの骨の部分は'3/3'と同じでわ??と思ったのですよ。
ただ、この時レックが手にしていたのはベースだったわけでして、サウンド的には'3/3'と同じにはならないわけですが、やはり体に染みついているリズムの骨はギターでもベースでも同じなんでしょうな??
そうそう、ミラーズが演奏を始めた頃、ヒゴヒロシが元'3/3'のメンバーでベースを弾いてたのにミラーズでは太鼓叩いて唄っているって話もありましたな??
確か、当時ミラーズは屋根裏か法政大の学館ホールで観たと思います。
多分、その時体験したミラーズの演奏のリズムの骨も、きっと'3/3'のものだったのかも知れませぬ。
そういえばフリクションの方は、LPやらは聴いていたくせに、何故か、今の今までフリクションのライブは一回も観ていないってのも、どーかと反省するgnome_2005だったりして....
さて、今回のCDを聴いて、gnome_2005は、どう思ったか??
うーん、オリジナルアルバムの音は、ライナーにもあるようにやはりJimiのハードな頃のスタイルが基本ですわな??
編成もトリオ、ベースはあんまし派手ではない、ドラムはビート感があるけんども、ギターの音はJimiですよね??
レック自身がライナーで書いているよーに、やはりストラトのキャラの音でございます。
正直、オリジナルアルバムはやはり音的には当時の自主制作盤のレベルでございます。
ただ、演奏自体はえらくどっしりしてるのわ何故??と思えたり....これも'3/3'の持つリズムの骨のせいかと....
んで、問題はやはり色んなところで言われているプレ・フリクション期の音と言われているDisk-2でしょーな??
ここに収録されている四人編成の音、かなりバラエティーに富んだ'3/3'自身のルーツが演奏されていると思えたり...
ここの音はオリジナル曲も含めて、当時最新で影響を受けたTelevisionにそっくりのアンサンブルがあり、Lou ReedやKinksの曲は、まさにそのまんま演奏されている感じ、StoogesやMC5のような演奏、そして先のJimiからの影響、Blue cheerの感じもありますよ。
但し、これらのバンドのルーツ的なところが、こんだけ正直に出ているのも逆に凄いかなー??とか....そうゆう意味では、この'3/3'時代は、実はまだまだアマチュア然としたところがあったんでわないかと....
ただ、そうはいえ、このバンドのリズムの骨は凄いんですよ。
特にチコ・ヒゲのドラムが問題なんですわ。
そう、重さのある疾走感って感じ....昔のV8の5リッターエンジン積んだアメ車のようなんですわ。
さて、ライナーにもあるように米国から帰ったレックとチコ・ヒゲはフリクションを結成するわけですが、米国での'I'と'You'の関係、ステージに立つものと、ステージを観ているものの関係を会得した時、'3/3'からフリクションになったというように言っているレックの言葉は、無茶苦茶納得出来る、説得力のある言葉だなー??と。
確かにフリクションの音は'3/3'のリズムの骨を持ってはいたんだけんど、そこから出てくる音は、絶対の自信から繰り出されてくる音だったんだもの。
多分、先のような色んな音を自分たちで演奏していたものが、米国での体験で全て消化され吸収されたんでわないかと....
だから、'3/3'は確かにプレ・フリクションだったのですけんど、まったくの別物に変わるきっかけだったのでわないですかね??
だからこそ、この音源が存在することは、そこに意義があるのでしょうな??
いや、資料としてでは無い存在意義を持った録音物なのでございますよ、この作品は....
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