日々の恐怖 1月23日 窓の外(3)
しばらくはその話題で盛り上がったけど、Cが階段から落ちたときに鎖骨を折っちゃって、それが神経を傷つけたとかで利き手が満足に動かせなくなった。
絵も描けなくなって漫研も退部してしまった。
Bは、
「 祟りかもしれない・・・。」
ってこの話を一切しなくなり、一つ上のAも就活やなんやらで忙しくなって、あの日のことはなんとなく誰も話さなくなった。
大学を卒業してから15年くらい経った今年2月の終わり頃、Aと偶然再会した。
俺の仕事の取引先の担当がAだった。
卒業してから一回も会ってなかったから、それはそれは嬉しかった。
仕事が終わってから飲みに行ったんだけど、話が例の窓バン騒動になった。
「 あれなんだったんですかね?」
「 怖かったよなー。」
と笑い話にしてたんだけど、どうもおかしい。
大体同じことを経験してるんだけどなんか違う。
例えば女の容姿だ。
俺が見たのは肌が墨のように真っ黒でボサボサのショートヘア。
ボサボサすぎて髪が逆立ってる感じだった。
服装はノースリーブに短パンかミニスカートだったと思う。
手足も真っ黒だったから。
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