日々の恐怖 10月2日 家に出る(4)
一階はまだマシだけど、二階は酷い。
一日中誰かが歩き回ってるし、洗面所の鏡には時々女の人が写り込むし、やたら毛髪が落ちてたり、視線の感じ方がハンパない。
でもやっぱり兄は、
「 誰かが居ると思うと寂しくない♪」
と普通に言う。
兄は感じるだけで見えてないから幸せだなぁと思う。
自分の実家だけど、あまり入りたくない。
もう一軒家があって良かったと切実に思う。
依頼
この兄ちゃん、俺の家に住んでくれないかな?
めっちゃ出るんで困ってる。
家賃安くしとくから。
一応、俺の家に出る連中を紹介。
・カッパ頭のオッサン。
二階の親父の部屋で、何故か押し入れの中に体育座りしてる。
この人はいつ見ても必ずいる。
声かけても無視する(聞こえてない?)。
特に害はないので放置。
親父も無視して、何時も押し入れ閉鎖。
・女の人。
年は30くらい?
よくある白装束ではなく、ごく普通の格好してる。
洗面所にいる。
鏡を見ると背後に映る。
この人も特に害はない。
が、時々リビング等に移動して突っ立ってる。
・ジャージ着た女の子。
年はおそらく20いってない。
茶髪でメイクがヤバい。
ケバイ。
この子は時々しか現れない。
けど出てきたときは変な臭い(香水?)がするのでわかる。
臭い以外に害は無し。
・老婆。
何故か後頭部が凹んでる。
月に一、二回ほど仏間に現れて座布団に座ってる。
祖母ちゃんの友達かも?
一度だけ会話した。
「 お茶!」
と言われたので、その人が来た日は机に湯飲み置いてる。
中身減らんけど。
・女の子。
俺はこの子が怖い。
ある日帰宅して二階の自室に上がるとドアの前に居た。
見た目は4、5歳くらい。
着物を着ていたので、最初は座敷童かと思ったが違う。
顔が青白くて目が真っ暗。
笑うと白目剥く。
ニタニタ笑って気味が悪い。
この子が現れてから家の空気澱んだ気がする。
関係ないかもしれんが、やたら家電が壊れるようになった。
時々現れては白目剥いて笑い、俺を馬鹿にしているようだ。
親父には見えていないっぽい。
他にもいるけど長くなるので終了する。
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