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日々の出来事 3月5日 ミス・コンテスト

2018-03-05 10:17:27 | A,日々の出来事_






  日々の出来事 3月5日 ミス・コンテスト





 今日は、ミス・コンテストの日です。(1908年3月5日)
1908年3月5日、時事新報が主催した“良家の淑女”写真コンテストの審査結果を発表しました。
 この“良家の淑女”写真コンテストは、アメリカのヘラルド・トリビューン新聞社が時事新報に、“世界美人コンクール”の日本予選として依頼したものです。
そして、全国の新聞社22社を巻き込んで開催された日本で初めての一般公募で募集したミス・コンテストです。
 審査は写真選考で、全国各地の審査員による一次審査が行われ各地域5名ずつ、計215名を選抜、第二次審査は時事新報社で洋画家の岡田三郎助、彫刻家の高村光雲等の13名で行われました。
一等賞金は、300円相当の18金ダイヤモンド指輪を含めた総額3000円の商品です。


   審査結果

1位  末弘ヒロ子(16)小倉市室町
2位  金田ケン子(19)仙台市東四番町
3位  土屋ノブ子(19)宇都宮市上河原町
4位  尾鹿貞子(23) 三重県飯坂町
5位  武内操子(17)東京市麹町区
6位  森田ヨシ子(22) 茨城県水戸市
7位  鵜野ツユ子(19)東京市日本橋区
8位  鷲見久枝子(22) 東京市京橋区
9位  中尾順子(21) 東京市麻布区
10位 池田政子(21) 東京市麹町区
11位 内藤ヨシ子(20) 東京市麹町区
12位 伊藤シゲ子(23) 宮城県仙台


 最優秀の一位になったのは、小倉市長の末弘直方の四女である末弘ヒロ子で、学習院女子部3年に在学中でした。
応募に関しては、義兄が本人に無断で、偽名末広トメ子として写真を主催者宛に郵送しました。
この結果は大きな騒ぎとなり、風紀を重んじる校風の学習院の学長である乃木希典は諭旨退学処分を下します。

そのときの大坂毎日新聞(明治41年3月22日)の記事です。

“女は虚栄心の盛んなるもの、いわんや女学部生徒のごとき上流の家庭に育ちしものにありては、本人が虚栄心に駆られて自ら応募せしならば、他の生徒等の取り締まりの上、停学もしくは論旨退学の処分をなさんと目下しきりに協議中にて、 (中略) なおヒロ子他これに応募したる同校生徒をもそれぞれ取り調べの上、処分するはずなりと。”

 その後、乃木希典は退学になった末弘ヒロ子をフォローし、侯爵の野津道貫の長男である野津鎮之助を紹介し、自ら仲人になりました。
なお、末弘ヒロ子は“世界美人コンクール”でも、世界第6位に輝いています。











    末弘ヒロ子



















☆今日の壺々話














コンテスト







 俺の高校で毎年ミス・ミスターコンテストみたいのがあったのだが、一年の時の俺の担任は融通の利かない超堅物で有名で、クラス代表に、その場のノリと勢いで俺が選ばれたのだがそこで何故か担任がぶち切れ、

「 お前達、真面目にやれ!」

先生、自覚してますが、いくらなんでも失礼です。
 結局、再投票でクラス代表は普通のイケメンに決定。
毎年、体育科が部活の組織票で優勝するようなコンテストで、なんでマジになってるんですか?

















不幸





 私が行ってた高校、私が1年の時まで文化祭の時、ミス・ミスターOO校っていうのをやってたが 次の年からなくなった。
その理由が、これから書く事なのかはわからないが・・・。
 そのイベントは体育館に全校生徒が集まった状態で、投票で選ばれた第10位から呼ばれて順番にステージに出て行くというもの。
10位の生徒から徐々に呼ばれていき、第3位の生徒が呼ばれたときだった。

「 第3位、2年5組ホリダイスケ君(仮名)!」

当然2-5のホリ君は前に出て行くわけだが、しかしどういうわけか同姓同名の1-6のホリダイスケ君までもが立ち上がり、ステージに出て行こうとしてるではないか。
 2年のホリ君は、ミスチルの桜井さんのような顔立ちで、なるほどカッコイイ。
しかし、1年のホリ君はコロコロコミックに出てきそうなギャグ漫画風な顔。
とてもじゃないけど、男前とはお世辞にもいえない顔。
 前から1、2、3年と並んでるので1年のホリ君のほうが先にステージの上に着いた。
私は1組だったのでよく聞こえなかったが、6組の方からかすかなざわめきと笑い声が聞こえていた
今思えば、なぜ誰1人として止めようとしなかったのか。
 さて、第1位の生徒まで呼ばれてステージ上には、おまけも含めて21人いるわけだが、どう考えても場違いな顔の奴が一人いる。

 1年のホリ君は、妙に納得したような顔をして“フ~ン、俺って案外もてるんだ”というような顔をしていた。
呼ばれた生徒は10位から一人ずつインタビューされていくのだが、司会者も気付かず第3位に、1年のホリ君にインタビュー。
緊張してか、どもったような声で、

「 ああ、うれしいです~~~~!」

と一言。
 何も気付いてない司会者は、次の2年のホリ君にインタビュー、そして本来2位の生徒にインタビューするところで気付いた。

「 あれ??? 1人多いな」←小声だけどマイク持ってるので筒抜け。

そして、少し後ろに下がり、呼ばれた生徒を見渡すと、何の確認もせずに1年のホリ君に向かって、

「 違いますよね?」←小声だけど・・・。

その瞬間、6組の方から笑い声が! 
 全校生徒はざわめく。
ホリ君は、何があったのかわからないらしく目が泳いでいた。
司会者は、確認取るかのように1位の生徒から名前を聞いていく。
呼ばれた生徒は軽く手を上げる。
4位の生徒のところで、誰が余分に出てきた生徒かがわかると司会者は、

「 やっぱり・・・、あの・・・・・・。」

言葉が続かない。
 体育館には、わずか2秒ほどだが沈黙が流れたが、それを打ち破ったのは当のホリ君だった。

「 うあぁ~~~~~~~~!!」

奇声を上げたかと思うとステージを降り、開いている後ろの入り口の方に走っていった。
おそらく、早くその場から立ち去りたかったんだろう。
 しかし、体育教師2人に「コラ、落ち着かんか」と羽交い絞めにされると、その場で泣き崩れた。
そして、次の日からホリ君は学校に来なかった。

















国際化   






 嫁と子供と買い物に行って、嫁は買い物、俺は子供を連れてキッズコーナーで遊んでた。
そこのキッズコーナーは休憩所も兼ねていて、結構美人な妊婦さんと上沼恵美子みたいな ババアがベンチに座って話していた。
 話してたと言っても上沼恵美子似が美人さんに向かって、一方的に喋っていたようなもんだが、それなりになごやかに話は進行しているように見えた。
二人の話はお互いの子供の話へと進み、名前の話にとなっていった。

上「 あなたの子供の名前は?」
美「 礼儀の礼に子で、礼子(仮名)といいます。」
上「 礼子っ!?今時の若い人にしてはまた地味な名前ねぇ。」
美「 え?・・・」
上「 おばちゃんみたいな名前つけちゃダメよー、んで、何歳なの?」
美「 ・・・6歳ですけど。」
上「 あらっ、うちの子と同じだわー。高齢出産で産んだんだけどね、外国でも通用するようにって、シャルルって名前なのよ。
漢字は・・(詳細失念)って書くんだけど、これからは国際化の時代で、ウンタラカンタラ・・・・。」

 それからもババアの国際化がどーだ、礼子なんて昔の名前だ、それに全然今風じゃない、それに引き替えうちの子の名前は可愛くておまけにすごく良い子で、自慢じゃないけど顔も可愛いと思うのよ等と、上機嫌でずっと暴言を吐いていた。
 美人さんの相づちは少なくなり、顔も強ばっているように見えた。
ババアが“あれがうちの子なんだけどね”と指差した子供は、さっきから自販機のボタンに悪戯しまくっていた、限りなくウンコに似た感じの女の子。
 それからもババアは子供は野放しでずっと喋り続けたが、あきらかに美人さんはむかついているようだった。
それからしばらくして、「お母さーん!」と子供の声が聞こえ、口ひげを生やした外人さんと、ものすごく可愛い女の子(もうほんとアイドル並)が小走りに美人さんに駆け寄って来た。
 ババアはその子を見て“え!?”という様な顔になり、外人の旦那さんを見て“しまった!”という様な顔になった。
そこで美人さんが一言。

「 自分の生まれた国の言葉や文化を蔑ろにする方に、国際化っていうのは難しいんじゃないですか?
私、去年アメリカから帰ってきたばっかりですけど、あちらでは躾がなってない子供はレストランにも入れないんですよ。
国際化とかなんとかって言う前に、あなたには、まだやるべきことがあるんじゃないですか?」

とはっきり言い切って、家族三人英語で会話しながら帰って行きました。
















美人の女の人は事故が多い






 美人の女の人は事故が多いと、免許更新の時の講師が冗談で語ってた。
子供の頃からの日常生活で周囲の人が道を譲ってくれたり、いろんな気配りをされて育つので、無意識下でも、相手が自然と避けてくれるものと錯覚するらしい。

 これはワラタ。
拡散してほしいくらいだ。

 そういえば美人と付き合ってた頃に、手動のドアをあけて、彼女が後ろから入るまでドアをささえてあげなかったら、閉じるドアにぶちあたってた。
いままで、いつも最後までドアあけてもらえるのが当たり前だったようだ。

















結婚してから気づいた事






 嫁が空手二段だったこと。
身体は線が細くて、手足なんかも華奢なんだが……。
 夫婦喧嘩でなんか脇腹にあるツボ(?)みたいなトコに、指の第二関節を尖らせた拳(?)みたいなのを軽く叩き込まれ、「へぅッ」って感じでアッサリKOされた。
身長差30センチ体重差40キロくらいあるのに。


ひとごとだと思うと、なんだかカコイイな、おまいの嫁。


 お前な、でも実際そんな目に遭ったらもっそいビビるんだぞ!
しかもな、顔上げたら嫁なんかめっさ冷えた格闘家の目になッてんだぞ!
俺だって体育会系日本男児のプライドあるから、吐きそうなん堪えて、無理クリ立ち上がろうとしたらな、頭ポンポンて撫でてきてな、

「 ……もうやめましょうよ、ね?」

とか、聖母様みたいな慈愛に満ちた声で言うんだぞ!
 “厳しくも頼りがいがある亭主関白”のつもりがアンタ、それから先どんな夫婦関係が築けるっつーんだよ!
確かに俺は心底惚れてたけど、そんなトコ惚れたワケじゃないってば。


















女友達






大学時代に知り合った女友達の話です。

彼女はかなり美人でスタイルも良く、
彼女が歩いていると男たちが振り向くくらいのレベルでした。

実は私も、
入学式の時から彼女に一目ぼれでした。

でも接点もなく、
たまにキャンパスで見かける彼女を目で追うだけでした。

ところが2回生の時、
偶然ですが彼女と同じ授業を取っていたのです。

でも彼女は授業を休みがちで、

『彼氏と遊んでんのかな~』

とかもやもやしてたわけです。

たまに出席してる時には
さりげなく近くの席に座るようにしてました。

ある日、教授が

「レポートの締め切りは守るように!」

と言ったんです。

すると彼女は振り向き、
後ろの席に座っていた私に尋ねました。

「レポートって、何ですか?」

私はチャンス!とばかりにレポートの内容を教えてあげ、、
図書館で参考文書を教えてあげるという名目のもとに
キャンパス内を一緒に歩き
さらには時間が遅くなったからと一緒に学食で夕飯を食べたり、
それはもう幸せな時間でした。

まあ結局、
私は友達以上にはなれませんでしたが。

私が童顔で頭も幼稚だったせいか、
彼女は僕のことを弟のように思っていたようです。

初めから恋愛対象には入れてもらえませんでした。

でもそのおかげで、
他の男は知ることのない彼女のことを
いろいろと知ることができました。

すごい美人なのに汚部屋住人だったり、
ヘビースモーカーだったり、
講義にあまり出てこないのは
すごい酒飲みで二日酔いがきつくて、
さらに向かい酒をするからだとか。

私にはよくわからないんですが、
自分なりの哲学を作り上げる!と孤独生活に突入していたり。

確かに彼女はサークル活動もしておらず
友達もあまりいないようでした。

ひとりでよく山を歩きまわっていたようです。

リア充(当時そんな言葉はなかったですが)な人だと思っていたのに、
意外でした。

それでも、
やっぱり彼女はもてました。

繁華街を一緒に歩けばイケメン店員が
「久しぶり」とか「明日イベントあるから来なよ」とか
声を掛けてきます。

同年代だけではなく、
40代、50代の店長クラスの人にも
可愛がられていたようです。

キャンパス内でも同じく、です。

実際、
夜に高級車で迎えに来る男も
日替わりくらいでいました。

そして夜明けごろに
車で送られてくる姿を見かけることもたびたびでした。

彼女はキャンパスそばの
女性専用マンションに部屋を借りていました。

私は道を挟んで向かいにあるマンションに住んでました。

夜明けごろ、
私には手の届きそうにない高級車から降りてくる彼女を見かけては
何してたんだよおおおおおお!!!!!と発狂しそうでした。

そんな私の気持ちを知ってか知らずか、
相変わらず友達付き合いは続いていました。

まあ、レポート対策要員としてですがね。

そしてそれからおよそ10年が過ぎ。

私と彼女とはメールだけですが
相変わらずの関係です。

今、私は32歳です。

彼女もです。

結局私は彼女をあきらめ、
28の時に職場で知り合った女性と結婚しました。

子供も一人、男の子がいます。

彼女は相変わらずの哲学の構築に夢中のようです。

しかし1週間前、
「結婚するよ!」のメールが!

今年秋の挙式予定だそうです。

婚約者と一緒に母校付近を旅行するようです。

「よかったら、会えない?聞いてほしい話もあるし」

もちろんOKです。

昨日、彼女と会ってきました。

10年ぶりです。

少々の劣化は覚悟していましたが、
実際会うと学生時代よりも眩しく感じました。

学生時代はあまり身なりはかまわない感じの彼女でした。
(当時はネルシャツにジーパンが多かったです。
でも今回はワンピースが多かったです。
アクセサリーもキラキラしてました))

「大学時代の思い出を語り合いたいからって、
彼は置いてきちゃった」

といたずらっぽくわらう顔は、

「飲みすぎちゃって起きれない。
代返しといてくれる?」

と笑う顔と1mmも違いませんでした。

私は彼女と鴨川の岸辺を歩きながら、
いろいろ話を聞きました。

「実はさ…私、処女なんだよね」

驚きました。

驚きのあまり、声が出ませんでした。

彼女は苦笑いしながら話を続けます。

「今までいろんな男の人と付き合ったけど…
付き合ったって言えるかどうかわかんないけど。
とにかく、ずっと処女なの。
恥ずかしいけどキスもつい最近、初めてしたの、今の彼氏と」

仰天して声も出ません。

「私、結構美人じゃない?
もてるし。でもそういうの、全然なかったの」

彼女の話を以下、そのまんま書きます。

自分でも結構美人じゃない?って思うし、
実際もてるし。

いろんな人に食事とか映画とか誘われるし。

で、私からの一目ぼれとかも結構あったし。

それで両思いになるわけじゃない。

でもうまくいかないんだよね…。

「キスしたことないんです…」

って言うと、
相手が手の甲にキスするの。

それって、普通なのかな?

(普通じゃないよ!)

だよね…変だよね。

でも5人もの人がそうだったから
そういうものかな?と思ってたんだけど。

5人とも手の甲にキスしてた。

もちろんHなし。

ホテル行く?って言う人もいたけど、
行ってもいいかなってくらい好きな人もいたんだけど。

でも途中でエンストしたり、
JAF呼んでる間になんか醒めてきて歩いて帰ってきたり。

(15kmくらい歩いたりしたらしい。
俺を呼べよ!スクーターで迎えに行くよ!)

なんかうまくいかないなあ、
って思ってたの。

地元帰って就職してからも
この人こそ!って思った人にプロポーズされてる時に
二股かけてた彼女が出てきたり。

でも本当にこの人!って思ったのが
今の彼だったの。

全然見た目はタイプじゃないけど
一緒にいるとすごく安心するの。

それで彼にこの旅行(泊りがけ)を提案されて、
OKして、その夜のことなんだけど。

彼女によると
彼女は寝つきがすごくいいらしい。

目を閉じた瞬間に眠りに落ちて
目覚ましが鳴るまで起きないらしい。

そんな彼女がふと夜中に目が覚めた。

すると部屋の中に
10人近い人がベッドの足元に円陣組んで立っていた。

これ、幽霊?えー!?と思いつつ、
気づかれないよう寝たふりをしてたらしい。

その中の一番年取った感じの長老って人が
(なんか「オーラが違った」らしい)

「こいつでいいのか?」

と発言した。

見ると円陣の真ん中に
彼氏の顔写真?が浮かんでいる。

「いいんじゃない?寿命もあと**年あるし」(←聞き取れなかったらしい)

「未亡人は良くないよね。
○○子(彼女。仮名)は結構惚れっぽいから」

「やっぱり一人の男に一生ついてくほうが○○子にはいいよね」

「年収もそこそこだしね」

その後、他の人も

「子沢山だよ」
「優しいよ」
「まあ、いい奴だよね」

と賛成。

「でもパチンコ好きだよ」(←彼氏は本当にパチンコ好きらしい)

「もうやめるよ。やめさせるよ」

「気が小さいから大負けしたら、もう手を出さないよ」

長老らしき人が

「じゃあ、こいつでいいのか?」

と発言。

全員手を上げる。

ただ、そのうちの一人が

「こいつも良かったんだけどな」

と言い出す。

円陣の中に顔写真が浮かぶ。

学生時代、
かなり本気だった相手の映像。

それを見て他の人たちは大ブーイング

「だめだめ!」

「種なしだもん」

「姑もいびりまくるよ~」

「夫婦仲はいいと思うんだけど…」

「結構マザコンだから結局はだんなは母親につくよ」

それを聞いて彼女は確かに、
と頷いたらしい。

そのうち今までの彼氏候補が次々と映像となって
円陣の中にあらわれたらしい。

彼女自身は記憶にないような男性もたくさんいたようだ。

中には俺の映像も

「次!」

って長老にすぐ飛ばされたらしい

次から次へと彼女の記憶にある男、
記憶にない男、数十人が現れた。

「やっぱりこいつですかね」

中堅と思しき男が指差したのは今の彼氏。

長老はむにゃむにゃ文句を垂れている。

そこへ発言したのは一番小さな男の子。

ダンシングベイビーだっけ?

あんな感じだったらしい。

「そうやって反対ばっかりしてるから、
○○子はいつまでも行かず後家なんだよ!」

すると他の人たちも

「そーだ!そーだ!」

の大合唱。

ついに長老も

「じゃあ、こいつに決めるか?」

としぶしぶ発言し、
みんな大賛成。

「うるさい姑は俺がなんとかするよ!」

「大丈夫、○○子は誰とでも仲良くなれるように修行させたから」

ちょっと、私の意見も聞いてよ、
と彼女は寝た振りで思ったらしい

目が覚めた彼女は、
さすがに彼氏には報告できず、
私にメールしてきたらしい。

「君が大学時代を過ごした土地を見てみたい」

っていう彼氏。

その大学付近に今も暮らしている俺なら会える、
ってわけなんだけど。

実は彼女の家系には、
早くに亡くなる男子が多いらしい。

彼女が知っているだけでも

祖父の弟(独身30代、病死)、
父の弟(独身20台半ば事故死)、
彼女の長兄(産まれてすぐに死亡)、
父の妹の息子(20台前半事故死)、
兄の長男(死産)…

一代に一人は男子が亡くなってるじゃん!

特に彼女にとっての長兄は
生まれてすぐに亡くなっているので、

「もしかしてあのダンシングベイビーはお兄ちゃんなのかも」

だそうです。

どうやら先祖代々の男子が彼女の貞操を守っていたようです。

美人なのに30過ぎまで処女!って驚いたけど、
もしかしたら…

先祖代々一代につき一人は男子が早死にする家系なのだとしたら
あの円陣はご先祖様(男のみ)による
彼女の婿選びだったのかもしれません。

そして彼女の貞操を守るために
ご先祖様がなんか力を使ったのかもしれません。
(中には過保護な人もいたりして)

でもまあ婚約者は一応ご先祖会議で認められたようなので
(後日報告メールによると、
彼氏は今までにない大負けをしたせいで
「もうパチンコもうしない!」と宣言したそうです)

今年秋、彼女はしあわせな結婚式を挙げることでしょう。
(土地柄、新婦が男友達を披露宴に呼ぶことはタブーだそうなので、
私は遠くから見守ることにします)














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