気分はガルパン、、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

(車輌目次表紙)伯爵高校 Ⅳ号戦車G型(1号車)(樅の木と鉄の羽の魔女版)

2024年07月20日 | ガールズ&パンツァー

  使用キット  グンゼ産業 (商品コードG775)

  制作期間   2023年5月24日~6月3日

  製作記事   その1 その2 その3 その4 その5 その6 完成です!!

  総評・備考
 ガルパンの主人公である西住みほ以下あんこうチームの搭乗車となったことでお茶の間でも広く知られるようになったドイツのⅣ号戦車であるが、テレビシリーズの段階ではD型、D型改としてのF2型およびH型の3種類があり、劇場版および最終章においてはH型が最終形態としての姿をみせている。
 これに対して、コミック版では「フェイズエリカ」に継続高校チームのJ型が、「樅の木と鉄の羽の魔女」に伯爵高校チームのG型が登場してアニメ版との差別化が図られたが、G型は後にアニメの最終章で黒森峰女学園チームの車輌として加わり、テレビシリーズのF2型とほぼ同じ姿をみせた。
 そのため、公式キットはまだ出ていないものの、中身が同じあんこうチームF2型の公式キットが利用出来る。適応キットは各社より多数が出ているが、今回の伯爵高校チームの車輌のような、完全なシュルツェン装備タイプを再現出来るキットは下のキット一覧に示すように6点しかない。そのうちのミニアート品(下のキット一覧の5)はフルインテリアキットであり、内部の再現製作も楽しめる。

  公式および適応キット一覧(2024年7月現在) 黄帯が今回の使用キット  


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(車輌目次表紙)聖グロリアーナ女学院 クルセイダーMk.Ⅲ(2輌目)

2024年07月16日 | ガールズ&パンツァー

  使用キット  タミヤ・イタレリNo.25 (商品コード37025)

  制作期間   2023年5月22日~5月26日、5月30日

  製作記事   その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 完成です!!

  総評・備考
 クルセーダーは、1940年にイギリスが開発した20トンクラスの巡航戦車で、のべ5,000輌以上が製造され、北アフリカ戦線で活躍した。ガルパンにおいては、砲塔を拡大して主砲を6ポンド砲に換装した最終形態のMk.Ⅲが登場し、聖グロリアーナ女学院チームの所属車輌として劇場版から最終章に至るまで数々の活躍をなしている。
 適応キットは古くはイタレリ(下のキット一覧の4)、最近ではボーダーモデルの製品(下のキット一覧の6)が知られ、イタレリの品をタミヤが「タミヤイタレリシリーズ」として販売する品(下のキット一覧の5)もある。ボーダーモデルの品はプラッツの公式キットにもなっており、3種類の公式キットが出ている(下のキット一覧の1から3)。したがって内容的にはイタレリ製品とボーダーモデル製品の2系統に分かれるが、製作の難易度は前者が低く後者が高い。初心者クラスにはイタレリ系統のタミヤ製品がおすすめである。ボーダーモデル系統は公式キットも含めて上級者向けとみておいたほうが良いだろう。
 今回の作例は、タミヤイタレリのキットを用いて、劇中車仕様における目立つポイントのみを合わせて再現製作した。メインは、砲塔天板前部のベンチレーターの位置の調整、砲塔右側面のライトの取り付け位置の調整、後部の左右のボックスのハッチの向きの統一、の三つであった。

  公式および適応キット一覧(2024年7月現在) 黄帯が今回の使用キット  


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(車輌目次表紙)聖グロリアーナ女学院 マチルダⅡ(劇場版・最終章)

2024年07月12日 | ガールズ&パンツァー

  使用キット  タミヤ ミリタリーミニチュアNo.300 (商品コード35300)

  制作期間   2020年12月5日~12月8日

  製作記事   関連記事

  総評・備考
 第二次大戦中のイギリス戦車の1/35スケールキットは、他国の戦車に比べて少ないとされるが、マチルダⅡも例外ではない。ガルパンにも登場して各試合で活躍するが、残念ながら公式キットは未だに出ていない。キットそのものがタミヤとICMからあわせて4種類しか出ておらず、入手が容易なのはタミヤの新キットのみとされる。
 ガルパンの劇中車はテレビ版仕様と劇場版以降の仕様とに分かれるため、どちらを作るかで適応キットも分かれる。今回は最終章仕様にて製作したが、劇場版仕様と共通であるので製作の段取りも同じであった。適応キットはタミヤの新キット(下のキット一覧の2)である。テレビ版仕様の適応キットはタミヤの旧キット(下のキット一覧の1)とされる。いずれも劇中車に仕上げるには多少の改造や追加工作を必要とするが、全体的には劇場版仕様のほうがキットとの相違点も少なくて作業量も少ない。劇中車が付ける牽引ホールドのパーツはいずれのキットにも入っていないため、他キットからの転用に頼らざるを得ない。初心者向けではないが、あえてチャレンジすることで得られる経験値は大きいだろう。 

  公式および適応キット一覧(2024年7月現在) 黄帯が今回の使用キット  


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(車輌目次表紙)聖グロリアーナ女学院 クルセイダーMk.Ⅲ

2024年07月08日 | ガールズ&パンツァー

  使用キット  ボーダーモデル (商品コードBT012)

  制作期間   2023年5月10日~5月19日、5月30日

  製作記事   その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 その9 その10 完成です!!

  総評・備考
 クルセーダーは、1940年にイギリスが開発した20トンクラスの巡航戦車で、のべ5,000輌以上が製造され、北アフリカ戦線で活躍した。ガルパンにおいては、砲塔を拡大して主砲を6ポンド砲に換装した最終形態のMk.Ⅲが登場し、聖グロリアーナ女学院チームの所属車輌として劇場版から最終章に至るまで数々の活躍をなしている。
 適応キットは古くはイタレリ(下のキット一覧の4)、最近ではボーダーモデルの製品(下のキット一覧の6)が知られ、イタレリの品をタミヤが「タミヤイタレリシリーズ」として販売する品(下のキット一覧の5)もある。ボーダーモデルの品はプラッツの公式キットにもなっており、3種類の公式キットが出ている(下のキット一覧の1から3)。したがって内容的にはイタレリ製品とボーダーモデル製品の2系統に分かれるが、製作の難易度は前者が低く後者が高い。初心者クラスにはイタレリ系統のタミヤ製品がおすすめである。ボーダーモデル系統は公式キットも含めて上級者向けとみておいたほうが良いだろう。
 今回の作例は、なるべく劇中車仕様に合わせて再現することを目指して、劇中車に最も仕様が近いボーダーモデルの品を使用して製作した。ただし履帯は連結式で組み立てが非常に難しいタイプであるので、タミヤイタレリのベルト式パーツに換えて作業量の軽減を図った。

  公式および適応キット一覧(2024年7月現在) 黄帯が今回の使用キット  


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(車輌目次表紙)ヴァイキング水産高校 M24チャーフィー軽戦車

2024年07月04日 | ガールズ&パンツァー

  使用キット  AFVクラブ (商品コードAF35054)

  制作期間   2022年12月9日~12月19日

  製作記事   その1 その2 その3 その4 その5 その6 完成です!!

  総評・備考
 M24チャーフィー軽戦車は、第二次大戦中にM3/M5軽戦車シリーズの更新用としてアメリカが開発、運用した軽戦車である。約4,700輌が生産され、アメリカ軍の他に戦後は西側諸国に広く供与されて長く使用され、日本の自衛隊で使われた。
 ガルパンでは劇場版の大学選抜チームの所属車、最終章のヴァイキング水産高校チームの所属車が知られており、今回の作例は後者を再現した。
 公式キットはまだ出ておらず、適応キットはイタレリ(下のキット一覧の1)、ブロンコモデル(下のキット一覧の2)、AFVモデル(下のキット一覧の4)の3系統が知られ、タミヤ(下のキット一覧の3)とプラッツ(下のキット一覧の5)の品はイタレリ製品を用いている。これらのうち模型店などで入手し易いのはイタレリ系統のタミヤキットであるが、劇中車に合わせるならば幾つかの改造や追加工作が必要となる。なお劇中車に近いのはAFVモデルのキットであり、改造や修正のいずれも最低限で済む。
 なお適応キットには米軍仕様と英軍仕様とがあるが、劇中車は米軍仕様なので、下のキット一覧には米軍仕様のキットのみを載せた。

  公式および適応キット一覧(2024年7月現在) 黄帯が今回の使用キット  


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戦車道連盟 M29ウィーゼル 作ります !!  その6

2024年06月16日 | ガールズ&パンツァー

 ステップ15では、車体の前部と後部を組み立てます。後部のパーツは前のステップで前倒しで作りましたので、ここでは前部のみを組み立てます。ガルパン仕様への変更が1ヶ所あります。

 

 まず上図のフロントウインドゥのクリアパーツF1において、ガイドの取り付け指示ではエッチングパーツのワイパーTP18を上1か所、下2か所の計3ヶ所に付けますが、劇中車のワイパーは2つで、いずれも取り付け位置が異なります。

 

 御覧のように、劇中車のワイパーは2つです。左右のウインドゥの下端中央に取り付けられ、向きが並列です。キットのワイパーは向きが逆ですので、劇中車に合わせます。

 

 ですが、ワイパーのTP18はエッチングパーツで、クリアパーツの上では塗装も難しいので、塗装後に取り付けることにして、上図のように組み上げました。

 

 ステップ16でも引き続き車体各所の部品を組み立てます。ガルパン仕様への改造が2ヶ所にあります。劇中車に無いパーツが多数あります。E26、TP9、TP10、TP11、TP12、TP13です。劇中車が細部をかなり省略していることが伺えます。

 

 ステップ16で組み立てるパーツ類です。このうちの2つのパーツをガルパン仕様に直します。

 

 一つ目は上図のパーツE53です。キットではその内側に取り外し自在の前照灯がつきますので、おそらくはライトガードかと思われます。ですが劇中車においては取り外し自在の前照灯が外されていますので、前照灯のパーツE7は付けませんでした。
 このライトガードのE53ですが、枠の形状が劇中車のとは異なります。

 

 劇中車のライトガードを見てみましょう。縦の棒の数が少ないのが分かります。これに合わせます。

 

 5本ある縦棒を全て切り取って、劇中車と同じ3本に変更し等間隔に付け直しました。右側の余分な部分もカットしました。

 

 二つ目は上図のパーツC10です。御覧のようにリベットとハンドルが交互にモールドされています。

 

 しかし、劇中車の該当部分においては、リベットはありますがハンドルがありません。これに合わせます。

 

 ハンドルを全てカットしました。これでパーツの改造は完了です。  (続く)

 

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最終章第4話の登場車輌の製作に関して

2024年02月07日 | ガールズ&パンツァー

 1月の模型サークルの定期会合は新年会をともないましたので、AFV部会のメンバーも大半が集まりました。ガルパン同好会の5人も揃いましたので、自然にその5人が同じテーブルについて食べ、飲み、ガルパンの話題で盛り上がりました。それで、隣のテーブルに居たサークル交流仲間のモケジョさんも3人が移動してきて、最近に作ったガルパンプラモデルの話をしました。

 その8人全員が、すでに最終章第4話の視聴を済ませていて、その新規登場の戦車をプラモデルで作ったか、または作っている最中てしたので、それに関しての情報交換がメインとなりました。最も早いペースで作っていたのがタダ氏で、第4話に登場した新たな車輛10種類をほぼ作り終えていました。

 その10種とは、継続高校チームの4種(T34/76の迷彩および単色、KV-1E、Ⅲ号突撃砲G型)、黒森峰女学園チームの4種(ティーガーⅠ、Ⅳ号戦車G型、Ⅲ号戦車J型エリカ車、Ⅱ号戦車F型)、戦車道連盟の2種(ベルゲティーガー、ウィーゼル)でした。タダ氏はこれらを、作り易いタミヤキット等を選んで昨年中に仕上げていました。

 タダ氏に次いで製作ペースが早かったのが私で、以前に嫁さんが買ってきてくれた上図の6個のキットも10月から作り始め、12月にはほぼ作り終えていました。現時点で作っていないのは、黒森峰女学園チームのⅢ号戦車J型エリカ車、戦車道連盟のベルゲティーガーの2輌です。

 それで、タダ氏と私が作った分について、どのキットをどのように仕上げたか、の報告を兼ねる形で話題が進みました。タダ氏と私は、最終章第4話の視聴後に新たな車輛に関して頻繁にメールでやり取りしていましたから、使用キットも製作の段取りも大部分は共通していました。異なっていたのは、継続高校チームのⅢ号突撃砲G型、黒森峰女学園チームのⅢ号戦車J型エリカ車、の2輌だけでした。

 この2輌に関しては、タダ氏は両方ともタミヤの製品、ミリタリーミニチュアのNo.215、No.310を使用したそうですが、私はグンゼ産業とライフィールドモデルの製品を使用するので、組み立ても追加工作も全て異なっていました。ライフィールドモデルの製品のほうはフルインテリアキットなので、まだ作っていません。

 あとの8種の車輛について、どのキットをどのように仕上げたか、の報告はほとんどタダ氏が披露していました。時々私に要点や詳細を確認してくるのみでした。その内容を大まかに記すと、次のようになります。

 継続高校チームの4種
  1 T34/76の迷彩  タミヤの製品でほぼストレート組み、迷彩はモデルグラフィックスの特集記事を参照
  2 T34/76の単色  タミヤの製品でほぼストレート組み、車体色はグレー風味のあるホワイト
  3 KV-1E  トランペッターの製品で組んでフェンダー端部などを劇中車に合わせて改造
  4 Ⅲ号突撃砲G型  タミヤの製品でほぼストレート組み、細部などを劇中車に合わせて改造(私のはグンゼ産業の製品でほぼストレート組み、細部などをタミヤのパーツで劇中車に合わせて改造)

 黒森峰女学園チームの4種
  1 ティーガーⅠ  タミヤの製品でほぼストレート組み、西住まほ車には無い左右のワイヤーを追加。
  2 Ⅳ号戦車G型  プラッツのあんこうチームF2型の公式キットをストレート組み 
  3 Ⅱ号戦車F型  アカデミーの製品をストレート組み
  4 Ⅲ号戦車J型エリカ車  タミヤの製品をストレート組み(私のはライフィールドモデルの製品でストレート組みの予定)

 戦車道連盟の2種
  1 ベルゲティーガー  ドラゴンの製品でほぼストレート組み、細部などを劇中車に合わせて改造(私のはライフィールドモデルの製品でほぼストレート組み、細部などをタミヤのパーツで劇中車に合わせて改造の予定)
  2 ウィーゼル  タコムの製品をほぼストレート組み、細部などを劇中車に合わせて改造

 全体的には、割と楽に作れるキットばかりでしたので、あまり時間もかからずに楽しめたと思います。大変だったのは、継続高校チームのKV-1E、戦車道連盟のウィーゼルの2輌でした。前者はフェンダー端部の改造、後者は足回りの組み立てが手間取りました。

 タダ氏の報告が終わった後は、第5話で新たな車輛が出るかどうか、の話題になりました。周知のように試合は大洗女子学園と聖グロリアーナ女学院の決勝戦しかありませんので、新車輛は聖グロリアーナ女学院チームのほうに出てくる可能性が高いだろう、となりました。
 大洗女子学園から出てくるのであれば、10番目のチームの車輛しかあり得ない、という話にもなりましたが、果たして出てくるのか、出たとしても1試合しか出ないので、可能性は低いだろう、との意見でだいたい一致しました。

 ですが、本当の結果は第5話を見ないと分かりませんね・・・。期待せずにゆるくまったりと待ちましょう。

 

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最終章の継続高校チームの15輌の陣容に関して

2024年01月28日 | ガールズ&パンツァー

 ガルパン最終章の無限軌道杯における継続高校チームの陣容に関しては、第3話の段階ではフラッグ車のBT-42の他は軽戦車のT-26のみが出ていました。さらにヨウコ車の内部の様子からⅢ号突撃砲G型であることが推測されました。それで、この3車種のみだろうと考えたファンが相当数おられたようです。

 私自身は、第3話の公開後に「継続高校チームの15輌の陣容は?」と題する記事を書きまして、他にも未登場の車輌があるかもしれない、と推測しました。

 将棋に例えると、数の多いT-26軽戦車は「歩」のような駒であり、フラッグ車のBT-42が「王将」にあたります。ヨウコの車輌は狙撃を担っているようなので「飛車」または「角」に当たるでしょうか、と述べました。そして、あと2、3輌ほどの「金銀桂香」に相当する車輌が居るとみて間違いないかと思います、と結んでいます。

 

 第4話では、やはり「金銀桂香」に相当する車輌が登場しました。3輌のT-34/76でした。個人的には「金銀」あたりに相当する駒だろうな、と感じています。
 この3輌のT-34/76が隊長車のBT-42に随伴して、澤梓率いる大洗女子学園チームの本隊を意識しての追撃および牽制にあたっていましたから「金銀」のような位置づけにあるのは間違いないでしょう。

 ですが、第3話の時点では、BT-42に随伴して序盤戦を展開していたのはT-26軽戦車ばかりでした。その時期に3輌のT-34/76はどうしていたのか、という疑問が浮かび上がります。15輌のうちの9輌を占めていたT-26軽戦車が、あんこうチームが撃破され脱落するまでに4、5輌ぐらいはやられていますが、その成り行きが継続高校の作戦行動に少なからぬ影響を及ぼしていなかっただろうか、と思います。

 第3話の序盤戦で、最初からT-34/76の1輌でもBT-42に随伴していれば、その後の展開は少しは違っていたんじゃないかな、と思います。装甲の薄いT-26軽戦車なら撃破されたけれど、装甲の厚いT-34/76ならば、相手の弾をはじいて反撃を行なえた可能性があります。そうでなくても、T-34/76が1輌でも現われていれば、大洗女子学園側のプレッシャーはより重くなっていた筈です。

 ですが、ミカ隊長の作戦の第一が、集落内に追い込んで雪だるまに隠したT-26軽戦車で奇襲する、というものでしたから、軽快なT-26軽戦車を勢子のように動かせば事足りえたのでしょう。少なくとも第3話の時点ではBT-42の周囲にはT-34/76は居ませんでしたから、このときはヨウコ車と同じように別行動をとっていたのでしょうか。

 

 そして上図のユリのKV-1Eについては、前の記事にて、「KV-1であるか、他の戦車であるかは、現段階では可能性の問題に尽きるでしょう。」と述べました。コミック版の「フェイズエリカ」の継続高校チームにはKV-1Eは無かったのですが、アニメ版に出てきたというのは、前隊長トウコとの作戦方針の違いによるもの、と解釈することも出来そうです。

 というのは、「フェイズエリカ」の隊長トウコの戦い方は、相手が黒森峰女学園だったというのもありましたが、中戦車クラスを主力に据えて基本的には防御戦の構えをとり、BT系列の快速車輛を別動隊となして二面作戦を謀るという形で、最終章のミカ隊長の方針がヨウコの狙撃を前提として構築されていたのとは異なっていたからです。

 そしてKV-1Eはチームにおける唯一の重戦車で、護りの要にありましたから、逆に言えば後の車輛は、ヨウコ車を含めて攻めの駒として使われたのでしょう。とにかく攻めて、撹乱し、隙を突き、相手を自分たちのペースに引きずり込もうと試みたミカ隊長らしい布石であった、と思います。

 ですが、ヨウコ車が撃破されて後、その護衛の任務から解かれて本隊に合流したKV-1Eの格闘のさまを見ていると、KV-1Eは最初から本隊に随伴させてミカ隊長車との連携をとって動いていたほうが、大洗側に与える打撃やプレッシャーがより大きかったのではないかな、と思います。ヨウコ車の護衛は、T-34/76でも成し得たのではないでしょうか。

 

 ヨウコ車は、チームでは唯一のⅢ号突撃砲G型でした。つまり、継続高校チーム15輌とは、BT-42、KV-1E、3輌のT-34/76、9輌のT-26軽戦車、そしてⅢ号突撃砲G型から成り立っているわけです。
 ですが、個人的には、Ⅲ号突撃砲G型はヨウコ車の他にもう1輌ぐらいは出てくるだろうと予想していました。

 なぜかというと、ヨウコはスナイパー担当なので、スナイパー以外の行動が出来ないだろう、それでもう1輌のⅢ号突撃砲G型が本来の待ち伏せ攻撃に使われて大洗側にある程度の損害を強いるだろう、と推測したからです。

 ですが、実際にはもう1輌のⅢ号突撃砲G型は居ませんでした。それどころか、ヨウコは狙撃は一流だが動きながらの射撃は超下手という衝撃的な事実が判明しました。これではⅢ号突撃砲G型の利点が活かせず、ある意味持ち腐れではないだろうか、狙撃なら他の車輛、例えばT-34/76でも出来たのではないか、とも考えてしまいます。

 このように、全体としてみますと、最終章の継続高校チームの15輌の陣容は、作戦目標に適した、攻守のバランスもとれた編成だったのだろうか、と思えてきます。
 むしろ「フェイズエリカ」の継続高校チームのほうが、中堅戦力が分厚くて攻守のバランスも良かったんじゃないか、だから黒森峰女学園の戦車部隊ですら苦戦させられたのだろう、と考えてしまいます。

 以上の事柄をまとめると、最終章の継続高校チームの15輌の陣容は、強そうに見えるけれども、ガルパンの既定路線である「大洗の勝利」を達成させるための、負けてもおかしくない編成内容であった、ということが言えそうです。サークル交流仲間のモケジョのミカさんの辛辣な言葉を借りれば、「あれじゃ絶対負けるよね」となるわけです。

 もう少し、なんとかならなかったのでしょうか。最終章の継続高校チームの15輌の車輛の組み合わせ次第では、もっと面白い、手に汗握る衝撃的かつ感動的な試合を演出出来ただろう、と思います。

 

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島田愛里寿が加わったけれど

2024年01月22日 | ガールズ&パンツァー

 ガルパン最終章第4話の初視聴後、共に観ていた嫁さんに感想を聞いたところ、「意外に弱くなってません?」とだけ言いました。ウンウン、と頷きかけて「え?」と首を傾げつつ、それはどういう意味かと問い返しました。すると嫁さんは笑いながら「どうせあと2、3回は視るんでしょう、よく見て考えて下さいね」と言いました。
 その会話を、初視聴後の記事でもそのまま書いています。当時の記事はこちら

 それで、2回ほど視聴を重ねて自分なりに考えた結果、これは聖グロリアーナ女学院チームのことなのかな、と察するに至りました。その数日後の夕食時に、それとなく話してみたら、「うん、そうですねぇ、そうですよ」と笑顔になりました。

「聖グロリアーナ女学院って、第3話までの戦いぶり見てたら、勝つべくして普通に勝ってるというか、いかにも強豪らしい貫禄ある戦い方してますでしょ。第4話も戦車の顔触れは変わっていないんで、強力にプレシャーをかけつつ堅実に攻めてくるというイメージも変わらないかと思ったんですけど、予想に反して、中戦車メインで軽戦車も加わってる黒森峰女学園チームとなんだか互角、ラストはガチンコで殴り合いになってましたね・・・」

「黒森峰女学園はそれまでの重戦車メインの陣容から、Ⅱ号戦車とⅢ号戦車がメインの軽快な陣容に変わりましたね。砲も小さいから火力は相当減りましたね。Ⅱ号戦車が2輌もいて、えー、あれで戦えんの?と。・・・重戦車で出てたのはティーガーⅠが1輌だけでしたよね。あれ、一回マチルダのフラッグ車を照準距離に捉えてましたでしょ、あれ当たってたら試合終了だったんですよね。たまたま横のマチルダに当たってたから良かったものの、あれ、ピンチだったんと違います?聖グロリアーナ女学院があんなにあっさりピンチになってたの初めて見た気がしますけど、あんなの見たら、勝敗は運の差でしかないな、って思っちゃいます・・・」

「終盤で島田愛里寿(上図)が出てきて最後のバトルで僅差で勝ちましたけど、島田愛里寿が居なかったら間違いなく負けてると思う。ていうかね、島田愛里寿のセンチュリオンすらも、劇場版の時のように圧倒的にバタバタ撃ち倒す感じでなくなってて、なんかちょっと黒森峰女学園の押しに引きずり込まれてて、ぶつかり合いの肉弾戦に持ち込まれてる気がしましたねえ・・」

「だいたいですね、黒森峰女学園は、きっきも言いましたけど、戦力的には以前よりも低下してるんですよね、ティーガーⅡとかヤークトティーガーとかエレファントとかマウス、ああいう重戦車がみんな無くなってて、軽戦車とか中戦車のⅡ号戦車とⅢ号戦車とⅣ号戦車に変わってますから、装甲は薄くなってるし火力も低下してますね。そういう黒森峰女学園に辛うじて勝つってのはね・・・、島田愛里寿が参戦しているのに僅差で勝つ、ってなってますからねえ、要するに聖グロリアーナ女学院が意外にも弱くなってるんじゃないか、って思ったんですよ」

 

「逆に言えば、逸見エリカ(上図)が隊長になってからの黒森峰女学園は西住まほが隊長だった時期とは違う戦い方、違う戦車の編成でやってるわけですよね。重戦車ばかりで編成して重装甲と強い火力で押してゆくんじゃなくて、軽快なⅡ号戦車とⅢ号戦車で動き回って敵の隙とか死角とかを狙ってついてゆく、って感じの戦法になってるなーと思いました。たまたま砂嵐が来たからこれも利用してるし、臨機応変に戦っていますね。戦車は弱くなったけれど、そのぶん動きが良くなって、メンバーもノンアルなんか飲んでたりして明るい雰囲気になってますね。ああいうチーム、スポーツとかでも割と強くなってゆくパターン、多いみたいですよね」

「西住まほ隊長だと、みんな目上のお偉いさんに緊張して従ってる雰囲気だったけれど、逸見エリカ隊長になってからは、ふつうに先輩後輩とか同級生とかの間柄になってて、仲間意識っていうのか、ファミリーっぽい感じが芽生えてる感じでしたよ。ああいうのが、割と試合でのチームワークもバッチリなんじゃないかな、って。戦車は弱くなったけれど、戦術とチームワークでカバーして頑張ってる感じ、てのがありますね。」

「戦力的には弱くなっている黒森峰女学園と、従来通りの戦車部隊に島田愛里寿のセンチュリオン加えて格段にパワーアップしてる聖グロリアーナ女学院とが戦ったら、普通は聖グロリアーナ女学院の圧勝になるんと違います?・・・でも2秒だっけ、僅差で辛うじて勝ってますんで、これ、全体としてみたら聖グロリアーナ女学院のほうが意外に弱くなっちゃってるぞ、とビックリしましたよね・・・」

 そうすると、第5話以降の決勝戦で大洗女子学園と対戦しても、以前のような強豪の聖グロリアーナ女学院ではなくなっている、ということかね、と聞いてみた。

「そこはガルパンですからねえ・・・、大洗が勝つのが既定路線なんと違います?・・・ですから、島田愛里寿が加わったけれどね、どうもねえ、以前のような聖グロリアーナ女学院じゃあ、なくなってるんじゃないか、と思いますねえ。あんまり強いと、大洗が勝てなくなりますしね・・・。大洗と聖グロが、というよりは西住みほと島田愛里寿の再対決の図を大きくもってくるんじゃないかなー、と予想してます」

 なるほど、見事な演説でした・・・。当方といたしましては、嫁さんの見解に賛成、ということにしておきます。下手に逆らうと地獄を見ますので・・・。

 

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最終章第4話はアンフェアの連続か

2024年01月18日 | ガールズ&パンツァー

 劇場版を見てガルパンファンになった、交流サークル仲間のモケジョさんの一人、ミカさんは、もともとは名前が同じミカ隊長のファンで、つまりは継続高校推しでした。

 それが今回の最終章第4話の視聴後に、「継続高校はアカンかもしれない、ミカはアカンかもしれませんねー」と言い出して私たちを驚かせました。同じく継続高校推しのイハラ氏が、動揺のあまり「なんで?なんでよ・・」を何度も繰り返したほどに、それは衝撃的な出来事でありました。

 その数日後のサークルの定期会合でも「アカンです」を連呼していたミカさんに、同じモケジョ仲間の嫁さんがその理由を詳しく教えてもらったようで、その日の夕食時に嫁さんがこう話しだしました。

「あのね、美佳ちゃんね、継続高校推し、やめたんやって。その理由とかって、想像がつきます?」
 舞茸と小海老と昆布の炊き込みご飯に青海苔をかけて食べつつ、大体は、と応じました。

「じゃあ、理由を・・・」
「雪崩のことかね」
「うん、それも言うとったです」
「え?それも、って、他にもあるのかね」
「うん」

 それから嫁さんが簡単に説明してくれた内容を要点にしぼってまとめると、次の3点になります。

1 意図的に雪崩を引き起こして相手チームを行動不能にさせようと図る。(サメさんチームが巻き込まれて動けなくなった)
2 その雪崩を誘発する砲撃を、既に撃破されて擱座している僚車(T-26か?)に指示してやらせている。
3 直滑降中にいつの間にかBT-42がソリを付けている。

 そしてミカさんの言い分は、次のようでした。

1については完全にアウト。自然に発生した雪崩なら仕方無いけれど、意図的に起こしているのが悪質。味方も巻き込まれる可能性があるのに、危険を顧みずに雪崩を引き起こすとは、頭大丈夫か。

2は、既に撃破されて擱座している僚車(T-26か?)にミカが指示して砲撃させているが、それはルールとして正しいのか、白旗が上がった後でも作戦に関連した砲撃が出来、かつそれが有効であるのはどういうことか。

3に関しては、たとえば、急斜面を降りる競争で皆が走っている場合、ひとりが途中からスケート履いて滑っていったら反則でしょう、反則じゃなかったら頭おかしい。第一、超スピードで降下してるのに、いつソリ着けたんだ。

 それぞれ、ごもっともな意見だな、と思いつつ聞いていましたが、嫁さんが「1は私もアウトだと思う。例えばですねぇ、スキー競技とかするときに、選手のひとりが意図的に雪崩起こしてたら、反則で退場で出場資格剝奪になるんと違います?」と付け加えてきました。なるほどな、と応ずる他はありませんでした。

 ですが、私自身は2に関しては疑問もありました。雪崩を誘う砲撃を行なったのはT-34で、撃破されてはいなかったように思ったので、それを言ったら、「違いますよ、砲塔も砲も小さかったから、美佳ちゃんの言うとおりT-26ですよ、雪原に傾いて埋もれてたじゃないですか・・・」と反論されました。
 それを押し返すだけの明確な記憶と自信はありませんでしたので、「そうだったっけか・・・」と返すにとどまりました。

 嫁さんはさらにこう言いました。

「第4話って、なんか反則みたいなのばっかり、って気がするんですよ。継続高校だけじゃなくって、聖グロリアーナ女学院だって、途中から島田愛里寿を入れてるでしょ、あれも反則じゃないかって思うんですよ」
「いや、あれは、以前から転校希望のストーリー入れててさ、西住みほともう一度対戦したいからって、やから、どこかに転校して試合に参加してくるぞ、というのは想定内やったんで・・・」
「それは分かってますけど、じゃ、転校するんなら、無限軌道杯の開始前にやったらどうなの、試合も第1試合から最初から出たらどうなの、ってことですよ。あれじゃ、途中からいきなり乱入してるも同然ですよ」
「いや、それは・・・」
「推しの黒森峰女学園も、途中から島田愛里寿が入ったから、勝てる試合を落としたじゃないですか、たった2秒の差で」
「・・・・・」

 しまいには沈黙さぜるを得なくなりました。ミカさんや嫁さんが言う通り、最終章第4話はアンフェアの連続だったのかなあ、と思ってしまいます。


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アリクイさんチームの底力

2024年01月14日 | ガールズ&パンツァー

 最終章第4話の対継続高校戦にてフラッグ車を務め、最後まで生き延びて相手のフラッグ車を倒した殊勲のアリクイさんチーム、三式中戦車チヌです。

 この試合で猫田舞たちは初のフラッグ車任務に意気軒昂となっていたようですが、私自身はなぜこのチームにフラッグ車が割り当てられたのだろうかと不思議に思い、去年の1月に「無限軌道杯の大洗女子学園チームのフラッグ車」と題する記事を綴りました。

 ですが、最終章第4話が公開されて後も、ストーリー中にアリクイさんチームがフラッグ車に選ばれた事情や背景が一切描かれませんでしたから、疑問は疑問のままに留まっています。結果だけをみれば、このフラッグ車担当は正解であったことになりますが、試合前からそうなることを予期して選んだのか、と問われれば、個人的にはどうにも返答のしようがありません。

 

 ですが、このアリクイさんチームもテレビシリーズの初参戦でのあえない最後の姿から見ていると、劇場版、最終章と試合を重ねる度に確実に成長してきています。というより、相当の成長を遂げているな、と感心させられます。

 上図の、百瀬多希の闘志あふれる表情を見て下さい。普段からは想像出来ない相貌で機銃を射ちまくる日吉葵の力強い視線を見て下さい。敵陣の方向を見据えて身構える猫田舞以下、初陣の頃の頼りなさそうなネットゲーム仲間のトリオの面影は全くありません。おお、なんと頼もしいではないか、と感動してしまいました。

 

 その感動の直後に、もしかしたらアリクイさんチームがフラッグ車を担っていることによって何か劇的な変化があるのかもしれない、という淡い期待を覚えました。

 継続高校との準決勝戦はフラッグ戦ですから、とにかく撃たれないように行動して最後まで生き抜く、というのが主任務となります。他チームに比べればまだ試合経験数が半分以下ですから、練度も交戦経験もそれだけ少ないですが、逃げ回るだけならば何とかやれるかもしれない、と考えました。

 もともとはネットゲームの同志が組んだチームなので、ゲーマー独特の研ぎ澄まされた感覚とか、そういうものが優れていて、それが今度の試合でのフラッグ車任務に何らかの形で効果を発揮するのだろうか、とも想像しました。しかし、どのような形で表れるのかは、さっぱりイメージがわきませんでした。

 

 また、劇場版では筋トレに励む3人の姿が描かれています。結果的には、猫田舞も日吉葵も、6.6キロもある75ミリ38口径の一式徹甲弾を片手でホイホイと扱えるまでになりました。二人が砲弾をホイホイとリレーする場面もあり、その素早い装填の有様も、おそらくはガルパンの全登場高校の全チームを通して最速なのではないかと思われるまでに成長しています。

 なので、このスピーディーな装填による発射速度の速さが決め手になるのでは、と予想したりもしました。わざわざ筋トレのシーンが劇場版に出て、その鍛錬の成果が最終章で描かれているのには、何らかの意味があるのだろう、と思ったからです。

 ところが、実際の成果は、筋力を活かしての素早い装填と射撃ではなく、筋力による素早い雪玉のカムフラージュの構築、というものでした。これで相手フラッグ車の隊長ミカに油断させ、空の雪だるまを砲撃させたところを、横の雪の下から撃破したわけです。この予期もしなかった結末に驚き、また感動してしまいました。

 相手チームが意図的に起こした雪崩のなか、マークⅣの船のような巨体を舟艇のように操って、稜線上にアリクイさんチームを無事に「上陸」させたサメさんチームのアシストも見事でしたが、序盤戦の舞台である集落に戻ってきて、残っている雪だるまの列をみて咄嗟にトラップを思い付いて仕掛けたアリクイさんチームもよくやったと思います。

 雪だるまの横の木に三式中戦車チヌをドカーンとぶつけて停め、衝撃で降りかかってくる雪が車体を覆ったところで、砲手以外の2人が車外に出て、雪から突き出しているアンテナや機銃架などの部品をもぎ取り、隣の雪だるまに差し込んで偽装したわけです。相手か追いついてくるまでに一分もあるかないか、ですから、それだけの偽装で精一杯だったでしょう。
 ただ、もぎ取ると言っても、戦車の金属製の部品ですから簡単に取れるわけはないのですが、そこは筋力で解決、というのではあまりにも安直過ぎます。

 試合を振り返ると、三式中戦車チヌは二度ほど危ない目にあっています。ヨウコの狙撃が外れて車体前部かフェンダー前端かに跳弾となっていますし、その後に横転しまくって逆さになってしまって身動きがとれなくなっています。その際にアンテナや機銃架などの外に突き出た部品は相当のダメージを受けた筈で、ひん曲がるか、折れそうになっていた可能性が高いです。

 ここで、冒頭の画像をもう一度御覧下さい。三式中戦車チヌの砲塔上の機銃架が折れて曲がってしまっているのが確認出来ます。横転の際にダメージを受けて根元が折れやすくなっていた可能性が高いです。
 そういうのをもぎ取るのであれば、筋トレを続けた女子高生の腕でもなんとか対応出来た、ということでしょうか。

 いずれにせよ、ガルパンでも相当な手練れの隊長と思われる継続高校隊長のミカをひっかけたわけです。これは筋力のみではなく、知力や迅速な行動力も相まっての結果でした。それを支えたのが、園みどり子の「なんとしてでも生き延びなさい」という叱咤、そして最後の1輌になっても諦めない強い精神力、だったでしょう。

 それらを合わせての、アリクイさんチームの底力が、貴重な勝利を呼び寄せたのだ、と思います。

 

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ヨウコの狙撃が前提だった?

2024年01月10日 | ガールズ&パンツァー

 サークルのガルパン仲間のT氏は、ガルパンファンの例にもれず、最終章第4話を何度も視聴したといいます。上映劇場も地元のTジョイ京都だけでは飽き足らず、劇場ごとの音響を体験したいと大阪のTOHOシネマズ梅田、兵庫のアースシネマズ姫路、滋賀のイオンシネマ草津、奈良のユナイテッドシネマ橿原にも行って、合計8回の視聴を楽しんだそうです。

 どこが良かったか、と訊くと「姫路やな」と即答しました。アースシネマズ姫路は、私も兵庫県に住んでいた時期に何度か行ってDolby Atmosのセンシャラウンド音響の素晴らしさに感動しましたので、同感でした。
 ガルパンの映画を堪能したあとは、国宝姫路城に寄ってんや、あそこは日本最大級の現存城郭やから、色々と歴史の凄さを体験出来るので面白いな、とのT氏の感慨にも「うん、面白いよな」と同意しましたが、肝心の最終章第4話についての感想は、微妙に異なっていたようです。

 T氏はまず大洗女子学園チームの勝利を祝い、臨時に指揮を引き継いで見事に勝ちを引き寄せた澤梓の健闘ぶりを、ウサギさんチーム推しらしく賞賛と絶賛の言葉で大いに讃えました。そして、それとは逆に継続高校チームの試合ぶりを「全てが減点対象なんと違うかね」と思いっきり酷評しました。

 その批判の口調は、継続高校チームに、というよりは継続高校チームの戦いぶりを作案し演出した制作陣へ向けられているようでした。もうちょっと頭を使って考えてくれれば、栄えある戦いぶりを表現出来たんと違うかね、と三度も繰り返しました。どうやら、第4話の展開は、T氏が劇場版以来ずっと抱いていた継続高校のイメージと違っていたようです。

「継続の作戦は、あれで作戦と言えるのかね。全ては、スナイパー・ヨウコ(上図)の狙撃を前提としてるみたいに思えた。やから、ヨウコがやられた後は、ただのジェットコースター物語でしかなかったやんか、刺さるような戦車戦をちっともやってないまま、あっさりと引っかけられて敗退した。ミカって、その程度の指揮官やったのかね」

 T氏の言う「刺さるような戦車戦」というのが具体的にどのような戦車戦を意味するのかは、よく分かりませんでしたが、「ミカって、その程度の指揮官やったのかね」という部分だけは、なんとなく頷けるものがありました。

 

 私自身は、もともとミカに関しては、かつて黒森峰女学園チームを苦戦させたという西住みほの述懐からも、かなりの手練れというイメージがありました。劇場版での目の覚めるような活躍ぶりも記憶に鮮やかでしたし、実際のところ、第4話の冒頭からの展開は、そのイメージからの乖離感をあんまり感じさせませんでした。

 たとえば、序盤で雪だるまからの奇襲をかけて相手チームを四散させ、戦力を分散せしめたうえで、主兵たるあんこうチームを撃破して戦列外に退けたのは見事というほかはなく、その衝撃で一時的な混乱に陥りかけた大洗女学園チームに圧迫をかけるようにしてジリジリと包囲戦に持ち込んだあたりも、流石と思わせるものがありました。

 さらに、指揮を引き継いだカメさんチームをも撃破して相手チームの統率力をさらに弱めようとし、次なる指揮官のもとでトンネルからの脱出を試みることをも察知して、トンネルの出口に待ち伏せの部隊を急派したあたりも、隙の無い歴戦の戦術派指揮官らしい凄味を感じさせました。
 こんな相手が隊長じゃ、そりゃ黒森峰女学園チームも苦戦させられるわけだ、と納得したものでした。

 ところが、上図のヨウコのⅢ号突撃砲G型が大洗の同型車輌にあっさりと撃破された後は、その冴えわたるような頭脳の煌めきが全く消え失せてしまったかのようでした。相手チームの要点をピンポイントで潰していく、という流れがピタリと止まってしまったかのように感じられました。

 そのギャップの意外さに、思わず席から腰を浮かしてしまい、おいミカ、どうしたんだ、と思わず声が出そうになってしまい、慌てて右手で口を抑えたのを今でも覚えています。

 

 なので、それまでのミカだったならば、続いて指揮を執っていたウサギさんチームに狙いを定める筈だろうと思うのですが、ヨウコが陣外に退けられた後は、その形跡すら感じられず、執拗にマークすることも無く、T氏のいう「ただのジェットコースター物語」のなかで滑走と小競り合いを楽しんでいるだけのように見えました。

 試合形態はフラッグ戦でしたから、勝利条件は相手フラッグ車の撃破となります。したがってアリクイさんチームを執拗に追いかける、という構図が直ちに成立する筈でしたが、見た感じではそれほど執拗に狙って追いかけている、という感じはあまり強く感じられませんでした。むしろ、急斜面の降下スピードを相手チームと競っているような感が強かったと思います。

 確かに雪山の急斜面の降下自体は継続高校のお家芸らしく、隊長搭乗車のBT-42にはソリまで履かせて乱れぬ陣形で優雅に滑走して相手にプレッシャーをかけ続けていました。しかし、ハイスピードで降下しながらの射撃にはやはり難があったらしく、肝心の撃破スコアを思うように稼げていなかったところがあります。

 

 むしろ大洗女子学園チームのほうが驚異的な適応力を示していつしか降下滑走にも慣れ、上図のサメさんチームが初の撃破戦果をもぎ取りました。大洗側は続いてもう1輌のT34/76を擱座せしめ、澤梓たちも「大脱走」の大ジャンプシーンにヒントを得てサメさんチームを踏み台として跳躍、継続高校チームの守りの要であったKV-1Eを射ち抜きました。

 この試合は準決勝戦ですから、戦力比は15対9の圧倒的優勢だった筈ですが、ここで一気に同数ぐらいに転じています。これはどう捉えてもピンチ以外の何者でもないでしょう。

 こういった流れになることをミカが予想していなかったのであれば、隊長の作戦指揮としてはあまりにもお粗末です。この試合の作戦が、全てヨウコの狙撃を成立させることを前提にして編まれていたとしても、ヨウコがやられた場合の備えも二重三重に巡らしておくのが指揮官たる者の務めではないでしょうか。

 ですが、ヨウコに続いてユリを失った後は、もう何の作戦も仕掛けもとらずに、ただアリクイさんチームを追いかけるだけになっていました。山麓に降りて集落に戻ってきた終盤の時点で、兵力比はまだ2対1で優勢を維持していたのですから、大洗のラスト1輌の思わぬ反撃にも備える余裕はあった筈です。雪崩にも巻き込まれずに最後まで随伴してきた1輌(タミ?トミ?)が居ましたから、それと連携しての詰めを仕掛けて最後の華を掴みとるべきでした。

 要するに、大洗のラスト1輌はどちらかの雪玉の中に隠れていたわけですから、まず随伴車輌に片方を撃たせて、その結果次第でミカが王手をかければ良かったのです。トラップと分かっていれば、そこで一歩引いて先を読んで仕掛けることも出来た筈ですが、そのままフラッグ車の自らが仕留めに行き、返り討ちにあいました。そうしたミカの戦いぶりは、明晰な判断が冴えわたった前半とは別人のようでした。

 アリクイさんチームの雪だるまトラップに単純に引っかかった、と言えばそれまでですが、その程度のミカだったのだろうか、といまでも少し首を傾げます。あのトラップ程度なら、試合前半期のミカであれば易々と見破ったに違いないし、そうでなくても万全の備えをとって対処しただろうな、と思うからです。

 そもそも、ミカが相手フラッグ車と睨んで自信満々のニヤリ顔で撃ち飛ばした雪だるまは、序盤の自チームの雪だるま奇襲作戦に使用した複数の雪だるまのうちの未使用分であったようです。
 その複数の雪だるまは、もとから集落内に並んでいて、大洗女子学園チーム側も河嶋桃隊長以下が横目で見ています。その居並ぶ雪だるまの一つであったならば、それらは序盤の奇襲作戦に用いるべくミカたちがこしらえたものであることになります。なんで自分たちが作った雪だるまトラップに引っかかるかな、と思ってしまったわけです。

 やっぱり、T氏の評のとおり、「全ては、スナイパー・ヨウコの狙撃を前提として」の作戦だったのでしょうか。個人的にはそこまで極言するには至りませんが、ミカの指揮作戦が、ヨウコの撃破後になにか一気に崩壊してしまったような、そんな感じをなんとなく抱いたのだけは確かでした。
 策に策を重ねた前半戦とは違って、後半戦が「ただのジェットコースター物語」で単なるお互いのすり減らしに終始していたため、黒森峰女学園チームと聖グロリアーナ女学院の終盤のアクロバチックな戦いぶりが鮮やかで熱く感じられてしまった程でした。

 なので、T氏は酷評していましたが、私自身は何か物足りない気分、いわば不完全燃焼の状態で、劇終後の初視聴の席を立ったのでありました。

 

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高視力だけでなかった園みどり子のアシスト

2024年01月06日 | ガールズ&パンツァー

 最終章第4話が公開される二年四か月前に、「冷泉麻子および園みどり子の高視力」という文を書きまして、園みどり子がその高視力を活かした何らかの働きを遂げるんじゃないかな、対BC自由学園戦にて橋通行時に敵の伏兵の存在を最初に察知したように、敵の攻勢を察知して味方のピンチを辛うじて救うというような、そういう活躍をなして、勝利への流れを僅かながらに掴んでゆくのではないか、と予想しました。

 その予想は、ほぼ当たりました。カモさんチームメイトの後藤モヨ子と金春希美が「そど子にできるのは憲兵くらいでしょ」とか「秘密警察」などと辛辣な評価を下していたのも、全て外れだった、と思います。上から目線で取り締まりまくるただの風紀委員長、ではなかったのでした。

 

 園みどり子が、あんこうチームの脱落後の試合展開のなかで、角谷杏より指揮を引きついだ澤梓の作戦上でまず課せられた任務は、さらなる狙撃を繰り返すであろうヨウコの搭乗車Ⅲ号突撃砲G型の位置を突き止め、これを無力化することでした。

 ヨウコ車の動向については、既に冷泉麻子が2キロの距離にて発見していたものの、あんこうチームが撃破されたことによって見失ったようです。その後も試合は続いて両軍の兵力がそれぞれに移動しているため、ヨウコの姿も再び雪原の中に消えてしまっていました。それを再び発見することは、大洗女子学園チームにおいては、冷泉麻子と同等の高視力を持つ園みどり子にしか出来ない困難な仕事でした。

 だから、澤梓の分離作戦も、ヨウコ車の捕捉無力化を念頭におき、園みどり子の高視力に賭けて一隊を構成して任せるという判断で採られたのでしょう。

 継続高校に勝つには、どうしても狙撃者の排除が不可欠であり、ヨウコ車の位置が判明するまではいかなる次の手も打てない状態でした。だから、澤梓率いる本隊は相手の主兵力を引きつけて牽制する、一種の陽動作戦に専念しており、何か仕掛けるような動きは一切封じていたわけです。

 そして園みどり子も上図のごとく、頭部装着式の双眼鏡を使用してヨウコ車の位置を一生懸命に探し、ついに発見したわけでした。

 その搭乗車B1bisと共に行動していたのは、ヨウコを誘い出す囮の役目も担ったフラッグ車のアリクイさんチーム三式中戦車チヌと、護衛および攻撃担当のカバさんチームⅢ号突撃砲F型でしたが、それらのメンバーのなかでは園みどり子と日吉葵が3年生で、園みどり子が風紀委員長として生徒会長に次ぐポジションにありました。

 したがって、この3輌の小隊のリーダーは園みどり子になるわけでしたが、本人もそれを自覚していたようです。ヨウコ車を追撃する途中に色々と僚車に向かって喋っていますし、フラッグ車がヨウコに狙われてかすり弾をくらって横転転落し逆さになってしまった時には急いでカバさんチームに指示を出して救援に向かっています。

 続いて、ヨウコ車の護衛たるユリのKV-1Eとの格闘戦においても、とにかく指示を出してはフラッグ車をかばい続け、撃破されつつも「何としてでも生き延びなさい」と叱咤しています。ただの「憲兵」や「秘密警察」ならば、こんな指示は出来ません。

 ヨウコ車は、結果的には同じⅢ号突撃砲のカバさんチームが劇場版の「マカロニ作戦ツヴァイ」を再現して見事に撃破しましたが、これも園みどり子の発見捕捉とその後の接近戦における的確な指示があったからでしょう。

 

 なので、上図の意気軒昂たる表情は、重要な任務を帯びた一小隊を率いる責任感と高揚感に裏打ちされたものであったのだ、と分かります。直後には作戦目標であるヨウコ車の捕捉と無力化を達成しているわけですから、この闘争心溢れるスタンスは重要でした。

 もともと大洗女子学園チームは、他校チームと比較すると、割合にメンバー間の連携力と応用力が高いようです。
 だから、これまでにも色んなピンチに協力して対応出来ていますし、急造で別働の小隊を編成しても、劇場版の「どんぐり小隊」のようにすぐに順応して作戦行動が出来るわけですが、もうひとつ、園みどり子のように、小隊指揮官として臨機応変に働けるメンバーが少なくないというのも重要なポイントでしょう。

 以前の予想では、高視力を活かして何らかの働きを遂げるんじゃないか、と述べましたが、実際には高視力だけでなく、風紀委員長としての責任感と経験に裏打ちされた高いアシスト能力も最大限に発揮していたのだ、と思います。

 そのイメージで園みどり子を捉えなおして見ますと、その澤梓との連携のさまは、あたかも西住みほと冷泉麻子のコンビネーションを連想させます。事実、能力的にはほぼ同等に近かったのでしょうし、だからこそ、あんこうチームを失ってもなお、大洗女子学園チームは揺らぐことなく戦い続けられたのだ、と思います。

 頑張ったな、そど子!

 

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大洗女子学園チームの次期隊長はやっぱり澤梓

2024年01月02日 | ガールズ&パンツァー

 最終章第4話が公開される三か月前に、「最終章第4話におけるあんこうチーム脱落後の指揮官は澤梓か」という文を書きまして、副隊長西住みほの脱落後に澤梓がチームの指揮を委ねられるものと予想しました。

 結果的にはその通りになったわけですが、それまでの経緯がいろいろ予想と違いました。隊長の河嶋桃が相変わらず何もしないままだったのと、前生徒会長の角谷杏が暫定的にチームの統率を引き継ぎつつも、「何かあったら頼むねー」と澤梓への権限移譲をハッキリと伝えていたところで「なるほど、そういう流れだったか」と納得しました。

 継続高校側の雪だるまからの奇襲によって四散した後は、ヘッツアーとM3中戦車リーの2輌で組んだ状態だろう、と予想しましたが、実際には他の僚車とも素早く合流していて、フラッグ車の三式中戦車チヌをもいつの間にかガードしていましたから、四散といっても距離的にそんなに離れた状態ではなかったようです。

 いずれにせよ、アリクイさんチームが孤立無援のまま、ヨウコの次射をあび、あんこうチームに続いて雪原に沈むという最悪のシナリオは避けられましたので、劇場の視聴席にて安堵の溜息をついたことでした。

 

 そして、角谷杏があんこうチーム脱落によって一時的に空洞化した指揮系統をすぐに立て直すべく、皆に意見を聞いてそれを集約して次の対処に移ってゆく場面において、さすがに前生徒会長としてのカリスマと経験値がこういうピンチでは大きくものを言うものだな、と感心させられました。やっぱり大洗女子学園においては優秀な人材の一人だな、と改めて思います。

 そうして暫定的にチームの統率を引き継いだ角谷杏らも、ダムの導水トンネルからの脱出の準備中に築いた雪堤での防戦中に、半ば敵を引きつけるオトリのような形になって撃破されました。早くも、西住みほ副隊長につづく指揮統率の要が失われたことに、視ている側も衝撃を受けてふたたび絶望の淵に立たされました。

 ですが、角谷杏はそうなる事を予期していたと同時に、大洗女子学園チームの未来を担うメンバーに後事を託す、という判断がもとからあったもののようで、「何かあったら頼むねー」のセリフには、簡潔ながらも万感の思いが込められているように感じられました。

 そもそも、ダムの導水トンネルからの脱出という方法は、澤梓が発案して角谷杏に進言したものです。ピンチに陥ってもパニックに陥らずに冷静に状況を把握し次の手を模索し、見つけてゆく、というプロセスも、他のメンバーのいずれもが成し得ず、ただ澤梓のみが次の作戦行動の立案提出に至りました。それは大変に重要なことでした。

 正確には常用洪水吐(じょうようこうずいばき)と呼ばれるトンネルを抜けて継続高校の包囲網をくぐり、戦域外に脱して態勢を立て直そう、との作戦を考え出す事自体、一年生ながらも見事です。これを聞いて承認した時点で、角谷杏としては、これなら後は任せられると確信したに違いありません。

 

 その後の澤梓の冷静かつ果敢な指揮振りは、今までにもテレビシリーズや劇場版などでその片鱗が垣間見えていたものの、ここでにわかに覚醒したかと思わせるほどの見事なものでした。ダムの導水トンネルからの脱出時点でも、敵の待ち伏せを想定して、その裏をかく動きをとって脱出を成功に導きました。

 こういう緻密な判断と迅速な決断ぶりこそ、劇場版や最終章の無限軌道杯の緒戦にて澤梓が示してきた才能の煌めきでありました。そうした澤梓の優れた能力を他のメンバーも常々認めていたからこそ、皆が角谷杏からの依頼を支持して、指揮権の委譲に異を唱えなかったわけです。

 その後の澤梓の作戦指揮ぶりも素晴らしいものでした。ヨウコの次の狙撃を阻止すること、フラッグ車を敵の攻撃圏内にさらさないこと、の2つの要点をふまえた作戦を定めてチームを二手に分け、チーム最高の視力を持つ園みどり子らにヨウコの位置把握と無力化を託し、自らは本隊を率いて敵本隊への牽制および陽動作戦を縦横に展開しています。

 その際の車輌の配分も見事でした。園みどり子らのB1bisにフラッグ車の三式中戦車チヌを帯同させ、護衛に歴戦のⅢ号突撃砲F型を付けることで、別働隊に最低限の戦闘力を保たせて、かつフラッグ車を敵の本隊の作戦視界から遠ざける効果を付与したものと思われます。

 澤梓率いる本隊には最強のポルシェティーガーが健在でしたから、継続高校の主戦力は迂闊な動きが出来ず、大洗女子学園本隊の動向を牽制する方向に向かうしかなくなりました。それによって中堅戦力たる複数のT34/76の侮れぬ攻撃力がフラッグ車を襲う可能性は劇的に減殺されています。

 ヨウコ車にはチーム最強の戦闘力を有するユリのKV-1Eが随伴していたものの、1両のみでは護衛戦力としては不足でしたから、継続高校チームがさらなる護衛を追加する余地がないままに終始したのは残念な成り行きでした。が、それも澤梓の作戦にうまうまと乗せられた結果であったといえるでしょう。まったく見事な作戦展開だったと思います。

 かかる指揮をとって自らも陣頭に立って戦う澤梓の姿は、性格や指揮スタンスこそ異なりますが、あたかも西住みほの再来を思わせるに充分でした。継続高校隊長のミカも、その存在感を認めて脅威と見なしたからこそ、ヨウコに狙わせて戦列外に退けようと試みたのですが、それはついにかないませんでした。

 その時点で、個人的には「これで大洗の勝利が決まった」と感じました。第4話の見せ場のひとつである急斜面の直滑降競技まがいのハイスピードな降下中の戦車戦の直前だったと思いますが、正直なところ「たぶん継続高校側のカードは尽きたかもしれないな」と思いました。

 つまりは、澤梓の作戦勝ちであったわけです。ヨウコが捕捉撃破された時点で、作戦の主目的がほぼ達成されたようなものでした。同時に、試合の流れの大勢を掴んだというか、主導権を自チームに引き寄せた形なので、継続高校側の残存戦力がどれほど残っていようが、ミカたちがいかなる手を打ってこようが、雪崩が起きようが、アリクイさんチームが無傷のままならば問題は無い、と感じてしまったほどです。

 そのような感慨に至って安心してしまった自分に驚きましたが、同時に、やっぱり大洗の次期指揮官は澤梓だ、間違いなく澤梓が次代の隊長になる、と感動の嵐のなかで深く確信した次第です。

 

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(車輌目次表紙)サンダース大学付属高校 M4A1シャーマン76mm砲搭載型

2023年12月11日 | ガールズ&パンツァー

  使用キット  プラッツ/アスカモデル 公式キット (商品コードGP-53)

  制作期間   2022年5月10日~5月13日

  製作記事   その1 その2 その3 その4 その5 その6 完成です!!

  総評・備考
 サンダース大付属高校チームは3種類のシャーマン戦車を運用しているが、アリサが搭乗するM4A1は車体を全て鋳造とする唯一のタイプである。主砲は75ミリと76ミリとに分けられるが、劇中車は後者に該当して攻撃力が大きい。防御性も鋳造車体ゆえの避弾経始効果により優れており、劇中でも何度か打たれ強さをみせている。
 その1/35スケールキットはシャーマンシリーズの中では稀少に属するものの、公式キットがイタレリ製品(下のキット一覧の1)とアスカモデル製品(下のキット一覧の2)の二種類発売されており、いずれも適応キットの採用によっている。今回は劇場版仕様にて製作したが、必須のペリスコープガードのパーツは公式キットにも適応キットにも無いため、他キットからの転用もしくはアスカモデルのパーツセット(商品コード35-L40)の調達が必要となる。イタレリ製品で作る場合は改造箇所も少なくないので、初心者クラスはアスカモデル製品を選んでおくのが無難であろう。
 今回はそのアスカモデル製品(下のキット一覧の2)で製作したが、劇場版仕様のキットなので、ペリスコープガードのパーツが必要となった。手元にあったドラゴンのジャンクパーツを使用した。

  公式および適応キット一覧(2023年12月現在) 黄帯が今回の使用キット  


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