榛東村役場を出て、庁舎の背後の公園に登り、その高所に位置する上図の東屋に行って一休みしました。眺めが良い場所で、北東方向に赤城山が見えますから、と教えられたからでした。
ザックから、嫁さんが袋にまとめてくれたおやつのナッツ類を取り出し、アーモンド、マカダミアナッツ、生くるみ、ピスタチオを5粒ぐらいずつ食べ、お茶で流し込みながら、赤城山はどのへんかな、と遠くに視線を向けました。
その赤城山が北東方向に見えました。榛名山、妙義山と並び、上毛三山の一つに数えられています。
平成の初め頃に、大学時代の知人に誘われて、彼の地元である碓氷郡松井田町(現在の安中市松井田町)へ行き、彼の実家が氏子になっている妙義神社に参拝したことがありますが、その際に境内地から妙義山の奇岩屹立の威観を見上げ、その後に展望所から「あれが赤城の連山や」と示されたのが、赤城山を見た最初でした。
その時とあまり変わらない雰囲気でしたが、この日はやや霞んでいたので、「万葉集」に「かみつけの くろほのねろ」と詠まれた赤城山の神秘的なイメージが何となく感じられました。赤城山は古代には黒保峰、黒保根山などと呼ばれ、山麓に勢多郡黒保根村(現在の桐生市黒保根)がありました。赤城山と呼ばれるようになったのは平安時代からです。
東屋で10分ほど景色を眺めた後、役場の敷地を横切って上図の出入口に至り、そこから下へ降りる階段へ進みました。
階段を下りて行くと、上図の大きな建物の脇に行きます。榛東村役場に隣接する榛東村社会福祉協議会の施設で、その半分ほどが「しんとう温泉ふれあい館」として一般に公開されています。
施設の前の駐車場の横から、上図の「しんとう温泉ふれあい館」の前に行きました。
この「しんとう温泉ふれあい館」が、作中で各務原なでしこ、斉藤恵那、瑞浪絵真らが立ち寄って「10分入浴」を敢行した「役場のすぐ隣の温泉」のモデルです。
作中でもそのままの姿で登場しています。
施設の前にも群馬バスのバス停がありました。
その時刻表をチェックすると、高崎駅行きの次の便は12時31分発でした。役場前発が12時30分でしたから、役場前からここに回ってくるもののようです。
隣に日本中央バスのバス停もありました。
その時刻表を見たら、12時台は全く便がありませんでした。しかも前橋駅行きなので、このバス路線では高崎駅へ戻れません。
時計を見ると10時33分でした。まだ2時間ぐらいあるわけで、ゆっくり温泉に入って、その後も一時間ぐらいはゆっくり休めるな、と考えました。各務原なでしこ達と同じように「10分入浴」で済ませたら勿体無いほどの、立派で広々とした温泉施設でした。
温泉は、効能表によればナトリウム塩化物泉で、神経痛・筋肉痛・うちみ・くじき・やけど・慢性消化器病・慢性皮膚病などに効くそうです。
温泉には40分ほど浸かりました。利用者は地元の方々ばかりで、あちこちで雑談していて賑わっており、村の公営銭湯といった雰囲気でした。
入浴後は上図の広い座敷休憩室で横になり、30分ぐらい昼寝をし、起きた後は旅行記録をまとめたり、タブレットで情報収集などをしたりして過ごしました。
「しんとう温泉ふれあい館」の公式サイトはこちら。 (続く)