ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

花形演芸会@国立演芸場

2008年01月27日 | Weblog
今朝は蔵前の浄念寺で祖母の納骨式。式の前に家系図なるものを見る。父は文久年間以来の五代目チャキチャキ江戸っ子で、商人の家に生まれ、現在は浅草でおじさんが家業を継いでいる。母は共栄社という麹町にあった出版社で「探偵倶楽部」に携わっていた祖父と元芸者の祖母の間に生まれ、当時としてはそれほど珍しくはないが、やや複雑なお家事情を抱えていて、血縁は辿るに辿れない状態。どこかで血のつながった見ず知らずの親類がいるんだなぁ、と思うと不思議な気分になる。
1時スタートの花形演芸会だったが1時20分に到着。三笑亭朝夢が「湯屋番」で高座に上がっている途中で劇場に入る。勘当された若旦那が番台に上がる場面から聞く。劇場の一番後ろから見ていたのだが、所作がいちいち芝居染みているように感じる。やや疲労。
そしてお目当ての栄助「マザコン調べ」。野球の世界は10年に1人の名プレーヤーが1年で何人も登場するのに比べて、落語会は・・、とジャブを入れ、サラッと「大工調べ」を解説。棟梁政五郎の啖呵=逆ギレは落語的には見せ場だけれど、現実的には反社会的行為である!と添えて本題へ。舞台はイーカ堂で働くレジ打ちの娘カズエ(=大家)と彼(=大家の奥さん)のアパート。突然、同僚の男マキヒコ(=与太郎)とその母親(=棟梁)が訪ねてくる。マキヒコとの交際を断ったカズエに、息子を溺愛する母親が投げつける理不尽な言葉の数々。それはそれはシュールな世界。反撃するカズエに逆切れした母親が「穴を捲って」怒濤のような啖呵を切る。古典と新作が絶妙に交錯し、栄助の創作能力、言葉に対する感性がギラギラ輝く作品となっている。昨年聞いたストレートな「大工調べ」も、カミカミの割にしっかり啖呵で見せ場を作っていて、栄助の個性、才能が発揮されていた。百栄となってどう成長していくのか、今、一番の注目株。
次にロケット団の漫才。最近寄席に足を運んでいなかったので、漫才は新鮮。栄助の「マキヒコ」が登場したりして、アドリブもいい感じで効いている。船場吉兆のくすぐりに大笑いしたが、手相の場面は引っ張りすぎに感じる。
そして橘家円太郎で「棒鱈」。丸ビルのカフェでひどい接客を受けた話から移ろいやすい人の機嫌、そして江戸っ子というものがいなくなった、協会では解決策として新しい「江戸っ子」の定義として「三回東京で引っ越しすれば江戸っ子」とマクラで語り、本題へ。ソツのない綺麗な高座。
仲入りで退散。